【メトロノーム インタビュー】
スタイリッシュで新しいことを試みた

L→R リウ(TALBO-2)、シャラク(VOICECODER)、フクスケ(TALBO-1)

“3人が集結すれば何をやってもメトロノームになる”。そんな言葉を証明するのが復活後3枚目のアルバム『確率論≠paradox』だ。スタイリッシュにしたいというフクスケの提案から衣装が決まり、新たな楽曲のアプローチにもつながっていったという新作についてメンバーに語ってもらった。

聴きやすいというよりは
一曲一曲が引っ掛かる

前シングルの「Catch me if you can?」(2019年4月発表)では衣裳とサウンドに和のテイストを取り入れ、MVも能楽堂で撮影するなど冒険していましたが、今作の衣裳のコンセプトは?

フクスケ

いつも衣裳を先に決めるんですけど、今回はシンプルでスタイリッシュな感じを出したくてシャツで統一したんです。自分がイメージしていたのに一番近いのがリウの服で、パンツを含めてオーソドックスなスタイルになっています。完成したアルバムも全体を通して聴くと、はちゃめちゃな感じにはなっていないので、このデザインで合ってたなと。

はちゃめちゃっていうのはぶっ飛んでるっていうことですか?

フクスケ

それも含めて今作はアレンジもお洒落な感じの曲が多いんじゃないかと思っています。

アルバムのタイトルを“確率論≠paradox”(読み:カクリツロンパラドックス)に決めたのはどの段階ですか?

フクスケ

制作の後半で決まりましたね。僕ら三者三様の曲を作っても“このメンバーでやればメトロノームになる”っていうことが多いので、何かと何かを掛け合わせたら上手く重なる確率であったり、こんなにたくさんの人間がいる中でこの3人が集まってバンドをやる確率を考えた時に、このタイトルが思い浮かんだんです。でも、確率ってきっちり定まっているものではないので、あやふやな言葉を入れたくて、昔から漢字と英語とか、カタカナと英語とかの組み合わせが好きだし、“確率論≠paradox”にしました。

最初は間の“≠”は“ノットイコール”と読むのかと思ってたのですが、そもそも読まないんですね。あと、“paradox”は“矛盾”という意味で使っているんですか?

フクスケ

“paradox”を調べるといろんな意味があるので、イコールなわけじゃないんだけど、つながらないわけでもないというニュアンスですね。メトロノームも7年間休んでいたのにまた集まって、昨年は20周年を迎えたっていう不思議、その確率たるや…って思ったことも含めてのタイトルです。

シャラクさん、リウさんはタイトルを聞いてどう思いました?

リウ

今、タイトルの意味を聞いて“おおっ!”って思ってます(笑)。

フクスケ

言ってなかったっけ?

リウ

うん。意味までは分からず、単純に“カッコ良いね”て。いつもツアータイトルにも深い意味が込められているので、きっと今回もすごいんだろうなとは思ってましたけど(笑)。

シャラク

オイラも“ノットイコール”は読まないんだ!?って(笑)。

フクスケ

読むと長いからね。メトロノームの資料にも“日本が誇る唯一無二のヴィジュアル系エレクトロ・ポップ・ロック・バンド”って書いてありますけど長い!(笑) でも、表すとしたら“確かに”って。

さっきお洒落な曲という話が出ましたが 『確率論≠paradox』は21周年記念ライヴのSEで流れた打ち込みのインスト「二イチ点時空論」に始まり、後半では「そうだ手紙を書こう」のようなシンプルでフォーキーな味わいのある曲や開放感のあるパンキッシュでポップな「Hello Stranger」が収録されていたり、想像も付かない展開で、何が飛び出すのか分からない楽しさがありますね。

シャラク

全体としては、さっきスタイリッシュという話が出たとはいえ、各自の個性が強い曲が多いと思います。聴きやすいというよりは一曲一曲が良い意味で引っ掛かるアルバムになったんじゃないかなと。

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