L→R リウ(TALBO-2)、シャラク(VOICECODER)、フクスケ(TALBO-1)

L→R リウ(TALBO-2)、シャラク(VOICECODER)、フクスケ(TALBO-1)

【メトロノーム インタビュー】
スタイリッシュで新しいことを試みた

今作で書いた曲は
やりたいことをかたちにしただけ

では、アルバムの収録曲について少し掘り下げて聴きたいんですが、1曲目の「二イチ点時空論」はフクスケさんの作曲ですね。

フクスケ
そうですね。以前からツアーがあると、そのためにSEとなる曲を作っていたんですけど、CDには収録しなかったんです。でも、今回は今年の21周年のワンマンライブで使ったSEをちょっとアレンジして入れてみようかなって。何年後かにこの曲を聴いたら“21周年の時の曲だ”って思い出せるだろうし。

あっ、21周年だから“ニイチ”なんですね。

フクスケ
そうです(笑)。“時空論”って付けたのはアルバムと紐付るような意味合いで。

リード曲の「とある事象」はメロディーに哀愁があり、ラップも取り入れつつファンク色もあって、和洋折衷な印象を受けました。

リウ
この曲は「Catch me if you can?」の時に提出した曲なんです。最初の段階のデモは三味線の音がもっと前に出ていて和っぽかったんですけど、フレーズやシンセの音色を変えたりして、どんどんアレンジが変わっていきましたね。で、リード曲に決まって、さらにギターソロとベースソロでバトルしてるようなセクションを入れたいなって。
フクスケ
リウのベースはテクニカルなので“俺は音色で勝負してやる!”と思って、そのために新しい機材を導入してギターの音をシンセっぽくしました。“手数より音だぜ!”って(笑)。

歌詞は曲からインスパイアされたんですか?

シャラク
いや、オイラの歌詞は5曲中4曲はグチグチしてたり、自問自答してる内容なんで、この曲もグチグチと自分の無力感を嘆いています。メロディーが切なかったので、どんどん自分も切なくなって…。

無力感がありつつも《でも流浪、異様。 事象、偽証、嗤笑、些少。》っていう韻を踏んだ単語がメロディーと違和感なく合わさっていて、一緒に歌いたくなりますね。そして、MVもメトロノームのライヴを思わせるようなもので。

フクスケ
CGでもできちゃうことですけど、ちゃんとLEDを後ろに設置して撮りました。ライヴでずっと一緒にやっているVJの方なので、デモを渡したら“こういう感じですね”ってすぐに映像を提示してくれたからさすがだなって。今回のアルバムのジャケットや中に入っているブックレットの写真も、その映像の一瞬を切り取ったものなんですよ。

なるほど。ちなみにフクスケさんが今回手掛けた歌詞は「脳内消去」や「忘れん坊」など、脳の働きについて書いたものが多いなって。

フクスケ
そう言えば、忘れることばっかりですね(笑)。「脳内消去」はスタイリッシュな曲を作りたいと思うものの、全然できなくてギリギリ滑り込みでできた曲なんです。後半でミドルテンポから軽快な感じに移行するんですけど、お洒落な感じになったんで衣装にも合う曲なんじゃないかなって。
シャラク
サビがお洒落でシティポップっぽいので、歌録りの時は歌唱法という意味ではなく、岡村靖幸さんになったつもりで歌っていました(笑)。
リウ
お洒落すぎてサビはロックバンドではあまり弾かないようなベースラインが浮かんできました(笑)。
フクスケ
お洒落すぎた?(笑) この曲はベースラインが鍵だったので。
リウ
メインのスラップはデモに入っていたものだったんですけど、他はアレンジしましたね。

お洒落すぎる曲なのにタイトルは“脳内消去”という(笑)。

フクスケ
「脳内消去」と「忘れん坊」の違いは、前者は自ら記憶を消すっていうことで、後者は勝手に忘れていくほうですね。単純に忘れることもあれば衝撃で忘れることもあるし、お酒を飲んで忘れることも含めて全部は覚えていられない。しょうがないから受け入れるっていう内容です。

忘れる機能がないと人間は生きていけないですものね。

フクスケ
忘れたほうがいい時もあるっていう。で、曲調は日本のパンクとヘヴィメタルを合わせた感じですね。

シャラクさん作詞作曲の「テンションゲーム」はライヴでコール&レスポンスで盛り上がりそう。サビも歌いたくなるし。

シャラク
曲は最近のギターロックみたいなイメージですね。前アルバムの『廿奇譚AHEAD』までは“メトロノームのシャラクとしてこういう曲を作るべき”と思って書いてたんですけど、「Catch me if you can ?」を作ったあたりから“好きなことやればいいんんじゃない?”っていう気持ちになって、今作で書いた曲は自分のやりたいことをかたちにしただけなんです。

外で見せてる顔と内の顔のギャップに自分で戸惑う自分を歌っていますが。

シャラク
はい。ライヴを観てる人はMCで勢い付いてしゃべる感じとかも含めて陽気な人間だと思っているかもしれないですけど、本当は人前に出たくないし、グチグチしながら家でお酒呑んで、ネットを見て、たまに“疲れるなぁ”って言ってるみたいな(笑)。

ははは。でも、「そうだ手紙を書こう」はほのぼのして癒されますよ。

シャラク
最後に“やっぱりこの曲に差し替えてもらっていいですか”って言って入れてもらった曲なんです。明るいんだけど、ちょっと切なくてまったりした曲が欲しいと思って作りました。自分で言うのも変だけど、シンプルでいい曲が作りたいなって。で、最後に収録されている「まだ見ぬ世界」は曲出しが終わったあとにフクスケに“テクノっぽいアレンジにしよう”って言われて、最初はお洒落なテクノにしようと思ったんですけど、最終的にハッピーハードコアみたいなガツガツした打ち込みの曲にしました。
フクスケ
「そうだ手紙を書こう」はシャラクはたま〜にこういうシンプルな曲作ってくるんですよ。個人的に好きだし、今回もいい曲だなって。
リウ
「まだ見ぬ世界」はシャラクくんが言ったように最初のデモと全然違うというか、“もとはどんな曲だっけ?”と思うほど違ってて驚いたし、感動しましたね。この曲と「脳内消去」が入ったことでアルバムがいい感じでまとまったんですよ。

リウさんの作詞作曲の「Hello Stranger」も新鮮でしたよ。

リウ
昔の作家さんは歌いながら歌詞と曲を同時に作っていることが多かったって話を聞いて、自分もできないかなと思って8割方弾き語りで作った曲ですね。最近、ライヴでお客さんとの気持ち良い一体感を感じることが多いので、そういう想いを素直に曲にしました。ただ、歌詞も明るいのでタイトルはメトロノームらしく少しひねりたいなと。“Hello Stranger”には“お久しぶり”という意味もあるし、ライヴでそういう想いも込められるかなって。

「そうだ手紙を書こう」と「Hello Stranger」の流れが青春しているというか、さわやかですらあるんですよね。

リウ
なので、この2曲は並べないとアルバムが成り立たないなって(笑)。
シャラク
「Hello Stranger」は休止する前のリウさんが作る曲のイメージに近かったから“懐かしいな。この感じ”と思ってたんですけど、今作り方を聞いて“あぁ、たぶんリウさんの根っこにある音楽なんだろうな”と思いました。
フクスケ
その2曲はお互いにそういう感じなのかもね。

OKMusic編集部

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