哀愁あるメロディーを轟音で料理する
ダイナソーJr.のメジャー移籍第一弾
『グリーン・マインド』
ポストパンクからオルタナティブへ
ブラック・フラッグ、ソニックユース、レッド・ホット・チリ・ペッパーズ、ピクシーズ、ハスカー・ドゥ、デッド・ケネディーズなどが人気を得て、当初は地域密着型(地元でのライヴ、地元近辺のインディーズレーベルと契約)のスタイルで人気を集めていく。CMJがそれらオルタナティブロックのアーティストたちを取り上げると大きな話題となり、レコードは大いに売れた。また、彼らが一般的なビルボードチャートやMTVに登場することはなかったが、グランジ、スラッシュメタルなどインディーズから発信される新しいロックは、あっと言う間に全米レベルで浸透していった。
全米各地のインディーズレーベル
サウンドガーデン、マッドハニー、ニルヴァーナなどといった大物オルタナティブロッカーを擁したシアトルのサブ・ポップは、ローファイとグランジを広めたレーベルで、所属アーティストだけでなく所属してない地元アーティストまでをぎっしり詰め込んだサブ・ポップならではのサンプラー盤は、バンドごとのディスコグラフィーも付いていてマニア心をくすぐり、真似をするレーベルが続出した。このサンプラーのおかげでオルタナティブロックのファンは間違いなく増えた。
ハリウッド発のエピタフレコードは、バッド・レリジョンのブレット・ガーヴィッツが中心となって設立されたレーベル。もちろん当初はバッド・レリジョンのレコードをリリースしていたが、オフスプリングのアルバムが1,000万枚売れたことで、トム・ウェイツやマール・ハガードまでリリースする、もはやインディーズとは呼べない中堅レーベルにまで成長している。
ブラック・フラッグのグレッグ・ギンがカリフォルニアのロングビーチで創立したSSTレコードは、ハスカー・ドゥ、ソニックユース、ミニットメン、バッド・ブレインズといった硬派のアーティストたちや、フレッド・フリス、ヘンリー・カイザーなどの前衛音楽のアーティストが所属し、オルタナティブロッカーの間では半ば神格化されていたレーベルだ。ソニックユースのサーストン・ムーアに紹介され、ニューヨークのインディーズからすでにデビューしていたダイナソー Jr.は念願のSSTに移籍し、87年に2ndアルバム『You’re Living All Over Me』をリリース。ニール・ヤング&クレイジーホースのサウンドにターボエンジンを積んだような爆音サウンドを武器に、オルタナティブロック界の雄として注目を集めることになる。
次のページ
ダイナソーJr.の結成アーティスト
おすすめ記事
-
『OKMusic』サービス終了のお知らせ
2024.02.20 11:30
-
音楽ファンの声、エールを募集! music UP's/OKMusic特別企画 『Power To The Music』 【vol.89】公開
2024.02.20 10:00
-
今年でデビュー50周年の THE ALFEEが開催する、 春の全国ツアー神奈川公演の チケット販売がいよいよ開始!
2024.02.13 18:00
-
音楽ファンの声、エールを募集! music UP's/OKMusic特別企画 『Power To The Music』 【vol.88】公開
2024.01.20 10:00
-
宇多田ヒカル、 初のベストアルバム 『SCIENCE FICTION』発売決定& 全国ツアーの詳細を発表
2024.01.15 11:00
人気
-
【連載】 Mrs. GREEN APPLE 大森元貴 『ナニヲなにを。』 - 第1回 『自己紹介を。』 -
2014.12.20 00:00
-
【連載】 Mrs. GREEN APPLE 大森元貴 『ナニヲなにを。』 - 第5回 『新年度を。』 -
2015.04.20 00:00
-
【連載】 Mrs. GREEN APPLE 大森元貴 『ナニヲなにを。』 - 第16回 『巡り合いを。』 -
2016.03.20 00:00
-
Sexy Zone、Kis-My-Ft2 、A.B.C-Zらが興奮&暴走!?『BAD BOYS J』男祭りロングレポ
2013.10.25 17:30
-
【連載】 Mrs. GREEN APPLE 大森元貴 『ナニヲなにを。』 - 第2回 『忘れられていることを。』 -
2015.01.20 00:00