【DADARAY インタビュー】
DADARAYがまた新しくなってきてる

L→R  REIS(Vo)、えつこ(Vo&Key)、休日課長(Ba)

2017年の始動から怒涛のペースで作品を発表してきたDADARAYの4枚目のミニアルバム『DADABABY』は、これまでにないような開けた楽曲も収録されている一枚に。新たなモードへ突入している感じがうかがえる彼女たちに、全ての収録曲についてじっくりと話を訊いた。

歌の存在感がすごく増して
新しい時期に入ってる感じ

ミニアルバム『DADABABY』はどんな作品になりましたか?

REIS

より女性の柔らかさがプラスされた気がしますね。女の子が聴いてくれた時に共感できる歌詞も増えたかなって。

休日課長

全体的に歌の存在感がすごく増したよね。

REIS

うん。自分の出しやすい音域で歌える曲も多くなった。

えつこ

これまでは高すぎたり低すぎたりして、大変だったもんね(笑)。

休日課長

新しい時期に入ってる感じはありますね。角が取れて滑らかになったというか。

デビュー当初は“休日課長率いる新バンド”という触れ込みでしたけど、その感じも変わりましたよね。

休日課長

もうそのイメージはお客さんにもないと思います。REISとえつこの歌があってのDADARAYで、みんなそれを求めてる。その中で演奏の面白さも見せられるようになってきてるんじゃないかと。えつこが音楽的な面を中心に引っ張ってくれたり、REISがムードメーカー的に場の空気を作ってくれたりも、最初はなかったですからね。

初回限定盤のDVDに収録される初のワンマンツアーのライヴ映像(2018年4月6日の東京・恵比寿LIQUIDROOM公演のもの)は観返してみてどうでしたか?

REIS

DADARAYとして、本当に成長段階だった頃のライヴなんですよ。

休日課長

独特のヒリヒリ感が逆にいいなって。

REIS

あの頃はあまり自分を曝け出せてなくて、“ちゃんとしなきゃ”“間違えて足を引っぱらないようにしなきゃ”って気持ちが強かったんですよね。だからかもしれないですけど、このツアーで1曲目が「イキツクシ」だった時があって、最初のアカペラのところでいきなり歌詞が飛んじゃって。

えつこ

あったね! 稲毛K's Dreamだ。そのあと《大丈夫だから》と歌うところで、私が“大丈夫だよ〜!”って言ったんだ(笑)。

休日課長

あはははは!

REIS

そうそう、笑ってくれたのが良かったの! 結果的にそういう自分を見せられたし、失敗しても咄嗟に支えてくれるメンバーがいることが分かったんです。あの一瞬ですごくいろいろ学んで、“頼っていいんだ”と思えて、弱いところを見せられないプライドがなくなっていった感じで。その後の楽曲での表現も広がった気がするんだよね。

えつこ

あのセットリストを考えたの私なんで、なんか申し訳なかったね。「イキツクシ」ってライヴ終盤にやることが多かったから、最初に持ってきたらどうなるんだろうと思ったんですよ。

休日課長

でも、REISが大きく変わる出来事になったんでしょ?

REIS

うん。あれはDADARAYにとっても良かったことだと思う。

えつこ

知らなかったなー! REISがそう言ってくれて安心したわ。

今作を作る上で何かテーマはあったんですか?

えつこ

DADARAYを始めて2年半くらい経って、やっぱりセットリストの流れも決まってくるじゃないですか。そのパターン化してきた部分を変えたいというのが川谷(絵音)くんの中であって。新しい風を吹かせるような考えのもと、『DADABABY』の曲はできていった感じですね。

休日課長

実際に作っていくと、予想もしてなかった曲ができたりしますけどね。アレンジもレコーディングの時に変わることが多いし、その自由度は川谷一味の面白さとしていつもあるので。

どの楽曲もリードにできるくらい素晴らしいので、ここからは全曲を辿りながらお話を聞かせてもらえればと思います。まずは「刹那誰か」ですが、英詞のリフレインがすごく耳に残って気持ち良いですね。

REIS

あのリフレインはスタジオで初めて歌った時から、めっちゃ気持ち良くて(笑)。大好きなフレーズなんですよね。

休日課長

気持ち良い流れが生まれるように、ベースラインはいろいろ変化させてますね。シンプルな音使いだけど、ちょっと他にはない面白さがあるものに最近はまってて。わりとその感じは出せたんじゃないかな。サビではスラップでスパイスも入れてみたり。

えつこ

REISにとってはちょうどいい音域なんじゃない?

REIS

そうなんだよね。2番のAメロとか、特に好きで。無理なく歌えてる。

最初と最後のキーボードを聴くと分かりやすいように、DADARAYらしい転調もあって。

えつこ

全部転調してるんですよね。「刹那誰か」だけは最後の最後までしなくて、曲作りの段階で“このまま行ってほしいな”と思ってたら、川谷くんに“最後に転調したいから、一小節前で転調しやすいコードを付けて”って言われて、“What's!?”ってなって(笑)。

休日課長

それも谷やん(川谷の愛称)が作る曲の醍醐味だよね。

ヴォーカルで大変だったのは「どうせなら雨が良かった」ですか?

REIS

一番苦労しましたね。音符が難しい。Aメロとか早口で噛みそうになるけど、こういうのもだんだん身体で慣れてきた感じかな。

この曲はピアノソロも印象的でした。

えつこ

私はもともと歌い手としての感覚が強かったんですけど、DADARAYに入ってからはキーボードに専念する瞬間がめちゃめちゃ多くて。キーボーディストとしての自分を試されてるというか、このソロはDADARAYでもかなりロングだし、なおさら下手なものは出せない気持ちで、ああでもないこうでもないと考えて作りました。

休日課長

アウトロのベースが実はポリリズムになってたりするのは、予想外に面白くなったところですね。ふと生まれた川谷のアイデアなんですけど。

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