【DADARAY インタビュー】
DADARAYがまた新しくなってきてる
これまでにない開けた感じのする、
大きな愛を歌ってるような楽曲が
出てきた
「singing i love you baby」はどうですか?
えつこ
もともと川谷くんがゲスの極み乙女。のツアーのアンコールでお題をもらって即興演奏した時に、《切ない》って歌ってたのを私が聴いてて、“あれを使おうよ”みたいな話をして。そこから膨らませて作ってくれたんです。
REIS
《切ない 切ないや》のところでコーラスが入れ替わるのは、ライヴで歌っててエモくなるんだよね。歌の掛け合いも新鮮だし。
休日課長
間奏まではすごくシンプルでベースは何も弾かずに進むので、見守ってる感じですよ(笑)。
えつこ
途中で一緒に指パッチンするくらいだよね。
REIS
でも、リハの時は課長も歌ってくれるんですよ(笑)。
スキャットの心地良さも、今作は際立ってますよね。ソウルのテイストがあるというか。
REIS
私はスキャットってほとんどやってこなかったんですよ。だから、こういうのドキドキするんだよね。
えつこ
でも、ライヴではREISは徐々にスキャットやフェイクを入れて歌い回しを変えるようになってきてて、めちゃめちゃいいんです。その良さが作品にも表われてきたってことかな。
「to burn a light」はベースがいろんな表情を見せながら引っ張っていく感じが好きです。
休日課長
ありがとうございます! 僕の勝手なイメージとしては、北欧の朝焼けみたいな景色があるんですよね。地平線が広がってて、壮大な景色の前にポツンと立ってるような。そんな景色を連想させる曲かな。
REIS
私はイギリスの薄暗くて曇りがかった天気の中、カラッとした部屋にいるイメージ。
えつこ
私はグランドキャニオンみたいな感じですかね。砂漠があって、岩があって。イントロのピアノの余韻から、そんな画が浮かびます。
REIS
あのピアノのフレーズが、家の中でアップライトで弾いてる感じがするの。
えつこ
あー、なるほど。音色はそういうトーンにしたもんね。
休日課長
なんだか情景が浮かぶんですよね。異世界感のある曲。
「最果ての美」の歌はエフェクトが掛かってますよね?
えつこ
加工してます。ちょっとパンチの効いた声質の曲があるのもいいですよね。曲はすごくきれいなんだけど。
休日課長
そうなんだよね。有機的なものと無機的なものが混ざってる感じが面白い。「singing i love you baby」同様、PARKGOLFさんのトラックも素晴らしいし。
REIS
“新曲できたよ”って川谷くんが急に持ってきたんだよね。それですぐ録ることになって。
えつこ
そうそう。慌ててコードを起こして、キーボードソロもその場でちょっとずつアドリブっぽく録ったんです。
最後の「mother's piano」はふくよかな感じというか、独特のやさしさも漂う曲になりましたね。
えつこ
サビのエレピをレコーディングの本番で弾いた時、川谷くんが“いいじゃん”って言ってくれて。《愛したいな》のあとのスキャットの部分はエレピのメロディーをそのまま使ってくれてたんですよ。あれは嬉しかったな。
REIS
そうだったね。あと、この曲からDADARAYが変わった気がしない?
休日課長
これまでにない開けた感じがする。人間そのものを題材に、大きな愛を歌ってるようで。それでいて、DADARAYにしっくりくる曲になったと思います。
REIS
「mother's piano」以降、DADARAYがまた新しくなってきてると思うので、そのあたりを感じつつ、このミニアルバムを聴いてもらえたら嬉しいですね。
取材:田山雄士