柚希礼音のイイとこ丸ごと詰め合わせ
! 初の一人ミュージカル『LEMONAD
E』いよいよ開幕!

今年で芸歴20周年を迎えた柚希礼音が披露する「REON YUZUKI one-man show Musical『LEMONADE』」が2019年5月24日(金)から東京・CBGKシブゲキ!!にて初日を迎える。本作では柚希が演じる一人の女性が原因不明の病気から多重人格となり、それぞれの人格とどのように向き合っていくか、を描いた物語。作・演出は小林香、音楽は江草啓太、振付を川崎悦子とOguri(s**t kingz)が務める。
タイトルにもあるとおり、様々な人格者を「一人で」演じることとなる本作の公開ゲネプロ(通し稽古)が23日に行われ、これに先立って柚希と小林が会見に臨んだ。
(左から)小林香、柚希礼音
初日を目前にした今の心境を聞かれた柚希は「ついに明日始まるんだと思うとどんどん緊張してきて無口になってまいりました。自分にとって挑戦づくし。歌って踊ってお芝居して、またこのような小さい劇場でパフォーマンスする事も初めて。緊張しますが……頑張ります!」と気合いを入れる。また小林は「初めて柚希さんとこのミュージカルについて語り合ってから随分月日が流れ、私にとっても長い旅でした。スタッフ一同たった一人で舞台に上がる柚希さんの事だけを考えて稽古を走ってきました」と今日までの道のりを振り返りつつ、「いよいよ明日が初日。柚希さんの緊張感がひしひしと伝わりますが、万全の状態で明日を迎えられる事ができるよう精一杯努めます」と完全バックアップを約束した。
「せっかくの20周年という事で守りに入らず、一人でやってみたい」と思い付いたところからこの一人ミュージカル企画がスタートしたと語る柚希。小林は柚希からのオファーを受け「かっこいい柚希礼音を見せたい。メッセージ性のある物語にしたい。そして死ぬほど踊りたいというリクエストを全部さらえる作品にしよう」と考え、「等身大の柚希礼音を演じていただきたい。お客様に距離感や息遣い、この年齢の柚希さんを見せたいと思いました」と本作の背景を解説した。
「これはネタバレだから、こう話してみては?」などと柚希さんに耳打ちする小林さん
柚希はさらに「すごく踊りたい、と言って始まったんですが、覚えても覚えても終わらなくてまた次の日になってしまう。これまでいかにいろいろな共演者の方などに助けてもらいながらやってきたんだな」と改めて一人だけの舞台の大変さを感じたそうで、なかでも「oguriさんの振付は新しすぎて手も足も出ない日々が続きました」とぼやきまじりでコメントすると、小林が「今は手も足も出てますね」とやさしくフォローしていた。
ゲネプロでは、海を見下ろす高台に建つ、古い天文台を改装したサナトリウムが舞台。ここで生活する女性・映(はゆる)が原因不明の病から多重人格を引き起こす。ごく普通に生活している中で突如豹変し、「ブルー」という男性と「リラ」という女性という別人格が出現、映の同僚やオンラインで繋がっている主治医と勝手に連絡を取り合ってしまう。元の映に戻るたびに他の人格がコントロールできなくて苦悩する映だが、ある日、この天文台の管理人だった男の日記を見つけそこに書かれていた言葉に映は心を動かし、行動を起こし始める……。
柚希が「3人」の芝居をそれぞれに演じていくのだが、「リラ」を演じている時は色気たっぷりで奔放な「オンナ」を、また「ブルー」を演じている時は元トップスターのオーラを放つどこまでもかっこいい「オトコ」を、そして映を演じる時は心傷ついた弱い「女性」を見事に演じ分け、そのすべての柚希に心奪われそうになった。しかもそれぞれの姿で歌ったり、激しくダンスを繰り広げるのだから、まるで「柚希礼音のイイとこ丸ごと詰め合わせ」。ファン必見の一人ミュージカルに違いない。
前売りチケットは完売しているが、当日券は全日程用意しているとのことなので、興味ある方はチャレンジしていただきたい。
取材・文・撮影=こむらさき

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