過去を繋いできたフジファブリックが
、ありのままを歌う「破顔」
過去を繋いできたフジファブリックが、ありのままを歌う「破顔」
かつてのVo/Gt、志村正彦を中心に結成。ほとんどの楽曲の作詞作曲を志村が担当していたが、2009年12月、志村正彦が急逝。
そして2019年1月に発売された10thアルバム『F』は、変幻自在の多彩な楽曲が収録され、これまで積み上げた15年を体感できる一作となった。
その中の2曲目に収録されている、『破顔』。作詞作曲を担当するのは、現Vo/Gtの山内総一郎。
破顔
冬といえば、植物や生物が眠りにつき、どこか寂しさを感じる季節である。そして志村正彦が亡くなった季節であり、バンドのみならずファンとしても、意識せざるを得ない季節だ。
その冬に起きた大きな喪失によりフジファブリックは、冬の日の「白い吐息」のように消えかけたのである。
消えかけた未来を繋ぎ止め、「フジファブリック」という名前を残し新体制での活動を決めた三人。そんな並々ならぬ覚悟で掲げた決意は、時に明るさを変える瞬間があっても、常に星のように光らせてきた。
その覚悟から生まれた一瞬一瞬の節目は、どんな小さな出来事でも「奇跡」なのである。
これまで積み上げてきたものが無駄になってしまっても、また一から積み直さなくてはいけなくなってしまっても、ただ目の前の「音楽」に、彼らはまっすぐ向き合ってきた。
「ありのまま」で先へ
志村正彦は亡くなる直前まで音楽に向き合い、自らの「音楽」を創り続けようとした男だった。そして彼にしか創れない様々な名曲を生み出した。唯一無二の彼の「音楽」を誰よりも理解していたのは、他ならぬメンバー達である。
残された三人が、もし、志村の才能を超えようとしていたら、その過去に縛られ、バンドの存続はありえなかった。志村正彦とその「音楽」を愛し、志村らしさを全員で受け入れることで、「フジファブリック」は15周年を迎えることができたのだ。
壮絶な過去を繋ぎ止めた彼らが歌う、あまりにもシンプルな喜びの言葉。全てを受け入れた、何も飾らない「ありのまま」の姿で未来に向かおうとする意志が伝わってくる。
「フジファブリック」は現体制としての再活動から、精力的に新曲を発表し、新たなファンを獲得してきた。
TEXT 京極亮友
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