白濱亜嵐 × BABY-T「僕らが注目して
いるアーティスト」
白濱xBABY-T_3
今回は、「日本の音楽界はこうしたらおもしろくなる!」「注目しているアーティストは?」という2つのテーマでお届けします(2/27, 3/6, 3/13の3週連続で記事が公開されます)。
白濱「本当にあの頃とは変わりましたよね。もう”自分の好きな音楽のジャンルはEDMです”って言いづらくなってきちゃいましたもん。」
「好きな音楽=EDMって言いづらくなってきた…」
BABY-T「わかるわかる。EDMってさ、当時はその言葉出してたら”最先端のトレンドを押さえてていいね!”ってなってたけど、今それ言ったら”痛たたたた…”って感じじゃない?(笑)」
白濱「たしかに、今だと音楽始めたばっかの人みたいに思われちゃいそう。。」
BABY-T「だからさ、海外の有名アーティストたちとしゃべる機会があるときもだいたい聞かれるじゃん?”どんなジャンルの音楽好き?”って。その時とかHIPHOP・R&Bみたいなブラックミュージックはすっと答えられるのに、ダンスミュージックの部分ではEDM意外の言葉さがすもん。”えーっと…ざっくりダンスミュージック?”みたいな(笑)」
白濱「わかります、EDMって昔は最先端の音楽知ってる玄人っぽくてかっこよかったんですけど今では言いづらくなっちゃいましたよね。その質問、僕の場合だったら”ベースミュージック”って答えるようにしてます。ダブステップもトラップも好きなんで。たしかにEDMは言いづらいな~(笑)」
Trap / Dubstep / Drum n Bassをはじめとするダンスミュージックの一つの大きなくくりのこと。
トラップって?流行の最先端をいく音楽ジャンル「ベースミュージック」をわかりやすく解説!(2017年)
日本の音楽シーンがこうなったらおもしろくなる
BABY-T「亜嵐ってJ-POPシーンのど真ん中にいるアーティスト・白濱亜嵐っていう一面と、ダンスミュージックが好きで作曲もしているDJ ALANっていう一面もあるわけじゃん?今後日本でどういう風になっていったらJ-POPとダンスミュージックがクロスオーバーしていくと思う?理想としては。」
白濱「理想としては、韓国のK-POPがたどってきたものにすごく近いんじゃないですかね。やっぱK-POPって音もかっこいいじゃないですか。たぶんクラブで活躍してるプロのDJからしても認めるくらい音がかっこいいと思うんですよ。なんかああいう感じに日本もなればいいのかなって。」
BABY-T「要はアメリカやイギリスのトレンドと時差がない、みたいなね?たしかにK-POPはほぼないもんね、ワールドスタンダードを突っ走ってるし。」
白濱「そうなんですよ、ちゃんとしっかり今何が最先端で流行ってるかトレンドを押さえていて。しかもおもしろいのが、その音楽を聴くファンの人たちの耳が肥えてるんですよね。みんな世界的に流行ってる音楽を常日頃聴く習慣があるからだと思うんです。音楽を作る側も聴く側も耳のレベルが高くて、これはかっこいい、これはかっこ悪いってちゃんと判断できるじゃないですか。僕たちJ-POPのアーティストも世界のトレンドとの時差をなくしながら、”これがかっこいいんだよ”っていうのをリードして提示できるようになったらいいんじゃないかなって思います。」
BABY-T「なるほど、そうなるとJ-POPが次のシーンに進むみたいな感じなのかな?」
白濱「でもとは言えJ-POPって歌謡文化が根元にあるので、やっぱりアイドルだったりバラードが好きだったりするじゃないですか。あとは失恋ソングだったり。なのでそういう背景もしっかり考えていかなきゃなっていうのはありますね。そういうところはトレンドは気にせず、歌詞の世界観だったり曲の世界観で攻めた方がいいなってすごく思う。」
BABY-T「たとえばだけど、GENERATIONS from EXILE TRIBEのシングルとして世界のダンスミュージックのトレンドを押さえたものが出るのはもう少しかかりそうって感じかな?」
白濱「そうですね、でもみんなはチャレンジしたいって言ってますけどね!どっちかって言うとみんなアメリカのHIPHOPシーンが好きなんで、HIPHOPにダンスミュージックの要素が混じった”トラップ”みたいな音楽ですかね、現実的には。」
BABY-T「なんか俺DJとしていつも海外のシーンを見てる中でね、日本の音楽シーンを見て思うのが、海外って超人気のスターアーティストがアンダーグラウンドなプロデューサーとコラボして曲出すケースよくあるじゃん?ポップなシーンとアンダーグラウンドなシーンがしっかりつながっていくことが普通に起きてるっていうか。たとえばGENERATIONSの新曲をBABY-Tがプロデュースする、とかね。これはビッグネームすぎだけど、BTSをプロデュースするSteve Aokiとか。そういうクロスオーバーが日本でももっと行われていけば世界のレベルに近づくんじゃないかなと思っていて。」
白濱「それは僕も思いますね。」
BABY-T「J-POPの曲を作ってるプロデューサーさんって、音楽理論に沿って計算され尽くしたすばらしい音楽を作れると思うんだけど、やっぱクラブだったりダンスミュージックっていうアンダーグラウンドな音楽を好きな人だからこそ作れる感性っていうのはあると思っていて。亜嵐ももちろんその両軸で音楽を聴いてるからわかると思うんだけど、そういう部分を提示できる音楽シーンになっていくともっとおもしろくなるんじゃないかなって思うね。」
SHOTA「たとえば最近で言うと宇多田ヒカルさんが歌った『キングダム ハーツIII』のオープニングテーマが新しく発表されましたけど、それはダンスミュージックの世界にいるSkrillex (スクリレックス) がプロデュースしてましたよね。」
BABY-T「普段ゴリゴリのトラップとかダブステップの曲作ってるSkrillexがJustin Bieberの『Sorry』ってヒット曲を作ったりね、世界ではそういうのあるじゃん。クラブDJとかプロデューサーの立場からすると、そこは思う。だからね、亜嵐がダンスミュージックを聴いてきたプロデューサーとして他の人気アーティストの曲を次々とプロデュースしていってこの世界を変えていってほしいんだよね!もちろん今でも中田ヤスタカさんみたいなすばらしいプロデューサーがいるんだけど、もっとそういうのをスタンダードにしていければね。」
白濱「それが当たり前になればいいですよね。でもそう考えると、三代目J Soul BrothersがダンスミュージックシーンのAfrojack (アフロジャック) と一緒に曲やった時は衝撃が走りましたよね。」
BABY-T「そうだね、トラップシーンに君臨してるYellow Claw (イエロークロー) とのコラボもそうだし。」
SHOTA「僕はあの時思ったのが、元々EDM好きな人の中では賛否両論だったことが不思議だったんですよね。ダンスミュージックのトレンドが早い人の中では、J-POPのアーティストとコラボすることに対して反対する人もいて。日本で人気のあるスターたちがどんどんダンスミュージックっていうカルチャーを日本中に広めていってくれることにワクワクしたし、だからこそ僕はこのDJ HACKsっていうメディアでわかりやすくEDMの魅力を微力ながら伝え続けてきたっていうのもあったので、ちょっとショックだったのを覚えてます。」
白濱「僕は日本のどの音楽も間違いなくすばらしいと思うんですよ。ロックだったり、アイドルが歌う曲だったり、僕らみたいなJ-POPっぽい音楽だったり。どれも間違ってないんだけど、さらに幅を広げるためにダンスミュージックを取り入れることはいいと思っていて。日本の音楽のレベルは低くないと思うから、ここからおもしろくなっていったらいいですよね。」
BABY-T「そうだね、変革の時に来てるっていう気はする。」
白濱「間違いなく僕たちのファンの方の中にもダンスミュージック好きな人いっぱいいると思いますし、そういうリスナーがこれからもっと増えればいいですよね。」
BABY-T「J-POPとダンスミュージックの垣根がもっと取れていくとおもしろくなってくね。」
今注目しているアーティスト
白濱「言いたいことめちゃめちゃわかりますよ!」
同じ思いを持った日本のアーティストに注目
BABY-T「あえて言うならば、J-POPのダンスミュージックシーンに近いアーティストかな。もちろんLDHの皆さんもそうだけど、そういう人たちがいないと日本の音楽シーンっていうのは変わらないからね。具体的に挙げるとたとえば、星野源さんとか?」
白濱「わかります、めちゃくちゃR&Bオタクらしいですもんね。」
BABY-T「そうそう、ワールドスタンダードな目線で挑戦してる日本のアーティストさんは注目してるね。あとはw-indsの橘慶太さんとか。なんでかっていうと、そういう世界で流行っているダンスミュージックのトレンドをどういったアプローチで日本のシングルとして落とし込んでいくのかなっていうところが俺たちプロデューサーも気になるから。たとえばさっきの話みたいな感じで、誰かビッグネームのアーティストさんがクラブDJにフォーカスあてて”この人にプロデュースしてもらおう”ってなった時に、日本の音楽シーンの土壌が変わると思うのね。」
白濱「間違いない。」
BABY-T「他力本願になってしまうけど、そうやってシーンを大きくしてってくれるとうれしいかな。あとはK-POPのアーティストたちは本当にすごいと思う。アジアのアーティストたちがどうやってUS(アメリカ)のマーケットに入っていけるのかなっていうのが、今の一つの大きな課題になってるから。」
SHOTA「僕もDJとしてすごく共感できる話なんですけど、ちなみにBABY-Tさんが”このアーティストの楽曲プロデュースしたい”って人はいるんですか?」
白濱「それ聞きたい!」
BABY-T「同じ思いを持っている人と一緒にやりたいっていうのはあるね。っていうのはJ-POPのアーティストさんの中にもそういうダンスミュージックを取り入れることに対して理解がある人とない人いると思うからさ。”この曲で日本を変えれるかもしれない”っていう思いで一緒に作っていけたら最高だなって、まあかなり贅沢な話なんですけど(笑)それこそGENERATIONSも亜嵐がリーダーじゃん?グループの中心の人がそういう考え方を持ってるってことは本当にシーンを変える可能性があると思う。過去の経験でもあるんだけど、仲良かったり同じ思いの人と一緒にやった方がいいものができるっていうのはあるんだよね。だから亜嵐とも一緒に曲作ってて楽しいし。」
白濱亜嵐が注目する”意外な”アーティスト
SHOTA「なるほど、いい関係ですね。ちなみに亜嵐くんは注目してるアーティストって?」
白濱「この翼くんの話のあとだとむずかしいなー!(笑)僕はベースミュージック界隈のアーティストが好きなんですけど、個人で言うとHabstrakt(ハブストラクト)は注目してますね。」
BABY-T & SHOTA「しっぶ!(笑)渋すぎでしょ!」
HabstraktがSkrillexとコラボしたヒット曲『Chicken Soup』
BABY-T「たしかに亜嵐好きなイメージある。あとJOYRYDE(ジョイライド)好きでしょ?」
白濱「あ、JOYRYDE大好き!JOYRYDE大好き!(二回目笑)」
JOYRYDEがSkrillexとコラボして現在大ヒット中の曲『AGEN WIDA』
白濱「だから大きく音楽レーベルで言うと、Skrillexが主宰してるOWSLAなんかは全アーティスト大好きですし、Diploが主宰してるMad Decentも大好きですし、あとはYellow Clawが主宰してるBarong Familyですね。この3つは本当に大好きです。」
BABY-T「ダンスミュージック詳しい人だったりDJの人にはびっくりな話だと思うけど、白濱亜嵐は本当に音楽が大好きな人なのよ(笑)」
白濱「だって僕OWSLAが出してるハウスミュージックのコンピ”HOWSLA“めっちゃ聴きましたよ!リリース当時僕気に入りすぎてDJのセットの中にほぼ全部入れましたからね(笑)」
BABY-T「この記事で一番伝えたかったことだよね、亜嵐みたいなJ-POPシーンの中心にいるアーティストがこんなアーティストに注目してるんだ!っていうところ。だからたぶんHabstraktもJOYRYDEもびっくりすると思うんだよね(笑)
白濱「あとはね、Troyboi(トロイボイ)。」
BABY-T「おいおい、また渋いのきたなー(笑)」
BABY-T「こういうのが一番聞きたかった話だよね(笑)」
SHOTA「まさかすぎる回答なんだけども(笑)、ちなみにそういうアーティストが好きなのってGENERATIONSの中では亜嵐くんだけだよね?」
白濱「いや、他のメンバーもみんな好きですよ!たぶん詳しくこのアーティスト好きというよりかは、好きなダンサーさんが踊ってる時にかかってるこの曲なんだろうってなった時にそれがTroyboiの曲だったりするんですよ。ダンストラック作る時に、Troyboiみたいな感じにしていこうって話すこともありますし。それこそメンバーの玲於がたまたまクラブ遊びに行ったときにTroyboiがスペシャルゲストで来てたらしくて、仲良くなったって連絡きたんですよ!で、そのあとにまさかの僕とTroyboiをつないでくれて(笑)それからは今でもたまにメッセージでやりとりしてますね。」
BABY-T「Troyboiもビビりまくってるだろうね(笑)」
SHOTA「ちなみにTroyboiとどういう話したりするの?」
白濱「一緒に曲作れたらいいよねーみたいな。でもあの方向性でGENERATIONSらしさを出すのは相当難しいと思うので、、、だったら僕がDJ ALANとして出演する時にコラボできたらいいんじゃないかなって。」
第3弾に続く…
まとめ
白濱亜嵐 × BABY-T 対談の第2弾でした。白濱亜嵐くんの注目してるアーティスト、かなり意外だったと思います!(笑)特にDJ HACKsの読者の方だったりダンスミュージックファンにとっては、まさかの日本の大スター・白濱亜嵐と仲間意識が芽生えそうってくらい、親近感のわく内容だったのではないかなと思います。また個人的にはBABY-Tさんの話していた「日本の音楽シーンの中にどうやって世界のダンスミュージックのエッセンスを取り入れていくか」という話がおもしろくて、これからの音楽業界の未来が楽しみです。さて、来週公開される第三弾では、二人の「今後の夢」について迫っていきたいと思います。どのような展望を持って普段活動しているのか、ぜひ楽しみにしていてください!
アーティスト
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