【PERSONZ ライヴレポート】
『35th ANNIVERSARY EVE TOUR
Single Selection[Special!]』
2018年12月9日
at EX THEATER ROPPONGI
2018年12月9日 at EX THEATER ROPPONGI
JILL(Vo)のタイトルコールから「MAYBE CRAZEE -I LOVE YOU-」で幕を開けると、その力強くも広がりのあるサウンドで一気に会場が華やぎ、8ビートが弾む「MARQUEE MOONを聞きながら」へとつなぐ。艶やかで伸びやかな歌声を聴かせるJILL、ソリッドなリフを刻む本田 毅(Gu)、存在感のあるフレーズをうねらせる渡邉 貢(Ba)、タイトなビートを響かせる藤田 勉(Dr)…客席を埋めるかつての少年少女たちの記憶のままのPERSONZがそこには居たが、“PERSONZ、変わってないっていうメッセージをいただきますが、変わってないどころじゃありません。ますますパワーアップしております!”とJILL。演奏される楽曲は80〜90年代の往年のナンバーであっても、そのグルーブは現役のバンドのもの。“ますますパワーアップ”の言葉通り、観る者の記憶の中のPERSONZさながらに、躍動感あふれる熱量の高いバンドグルーブでフロアーを魅了していく様は圧巻だった。
その後も劇場アニメ『幽☆遊☆白書 冥界死闘篇 炎の絆』の主題歌だった「sayonaraは言わない」、威風堂々としたスケール感を持った「PRECIOUS LOVE」などで会場を沸かせ、本ツアーの目玉である珠玉の名曲と素晴らしいビートナンバーを組み合わせた、JILL 曰く“CAN'T STOP THE PERSONZ MELODY”ことスペシャル・メドレーがプレイされる。いきなり「CAN'T STOP THE LOVE」のスリリングなギターと突き抜けるサビのメロディーが客席の高揚感を掻き立てると、そこから矢継ぎ早に繰り出される「Freedom World」の爽快なサビだったり、「PHYSICAL BEATS」の痛快なビートなどが、さらにテンションを引き上げ、最後は「Dreamers」でアンセム的に大合唱! 誰もが当時を思い出すというよりも、当時の自分に戻ったように、満面の笑顔だったことは言うまでもないだろう。
ラストスパートは「BE HAPPY」から。意気揚々と弾むようなビートに合わせて観客はクラップし、飛び跳ね、一緒になって歌い、そのピースフルなムードのままステージが7色に染まった「7COLORS -Over The Rainbow-」で盛大に本編が締め括られた。そして、アンコールでは千秋楽の東京公演のみのスペシャルということで、渡邉がアコースティックベース、藤田はカホン、本田はアコースティックギターというスタイルで、「Stay as a Friend ~友達のままで~」をしっとりと歌い聴かせる。やさしいメロディーと温もりのあるサウンドにハグされる感覚を覚えたのは筆者だけではないはずだ。さらに、「BECAUSE THE HOLY NIGHT」も披露。PERSONZには珍しいアコースティックセットは、少し早いクリスマス・プレゼントになったことだろう。
“振り返る年月の中にはいろいろな時期がありましたけど、やっぱり今が一番いんじゃないですかね”という言葉が印象的だったWアンコールは、ハートフルな「Singin' In The Rain」で始まった。足踏みオルガンの音色をバックにJILLが切々と歌い上げるイントロダクションからして感動的で、ゆっくりと広がっていくスケール感を持った音像が聴く者をひとりひとり温かく包み込む。そして、オーラスはPERSONZの代名詞「DEAR FRIENDS」。冒頭の歌い出しから大合唱となり、藤田のカウントを合図にギターが切り込むと一気にバースト! 最高潮の盛り上がりの中、ライヴは多幸感の余韻を残して大団円を迎えた。…と思いきや、“帰りたくない〜”とJILL。すかさず起こった会場のアンコールの声に応え、“みなさん、跳ぶ準備を”とパワーチューン「MIGHTY BOYS-MIGHTY GIRLS」が投下される。疾走感のあるバンドサウンドが再びフロアーに火を付け、サビでは一斉にジャンプ。この場に居た者全員が完全燃焼し、ツアーファイナルであり、2018年最後の公演は幕を下ろしたのだった。
いよいよ35周年に突入するPERSONZ。すでに春から初夏にかけて24カ所を回るツアー『WONDERFUL MEMORIES TOUR』を発表しているが、そのタイトルは「DEAR FRIENDS」を発表した1989年のツアーと同じ。それだけでも35周年への意気込みが伝わってくるし、ライヴ中には“来年はニューアルバムを作ってみたいと思います”という頼もしい言葉もあったし、この先も“ますますパワーアップ”していくこと必至だ。
撮影:yOU(河崎夕子)/取材:土内 昇
アーティスト
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