音楽界を席巻するニューウェーブ!2
019年 要注目のアーティスト10選

インディー、メジャーの垣根が消滅!センセーショナルに時代を席巻するアーティストをまとめました

今年はSpotifyやApple Musicなど配信プラットフォームの普及が一層進んだことで、爆発的に新しい音楽と出会う機会が増えました。インディーとメジャーの垣根なんてもはや些細なものです。チャンス・ザ・ラッパーがレーベルに属することなく活動し、あれだけのビッグアーティストになれるのが現在の音楽シーンであります。
Chance the Rapper – 『Same Drugs

そんな時代ですから、日本国内の音楽シーンにもその影響は波及してきております。インディーとメジャー。ジャンルを問わず、それぞれの強みを活かしつつ領域を横断するように活躍するアーティストが増えてきました。今回ご紹介するのは、そんなボーダレスな才能を持つ10組です。


1. 抜群の身体性でヒップホップの新機軸を打ち立てる、Rude-α

97年生まれの21歳、Rude-α(ルード・アルファ)。沖縄のなかでも、基地に隣接していてアメリカンカルチャーが色濃く漂うコザで生まれた彼は、街中で流れるジェームス・ブラウン、ディアンジェロなどファンク~ソウルミュージックに子供のころから自然に触れて育った。はじめはストリートダンスに魅了され、やがてヒップホップの道へ。高校2年生のときにラップを始め、その翌年に第6回高校生ラップ選手権に出場し、準優勝を飾りました(そのときの相手は現在フリースタイルダンジョンでもお馴染みのニガリ)。フリースタイルの即興性と、ダンスで培ったフィジカル性は、アーティストとしてライブや音源リリースで活躍するようになった今も活きているように思います。すべてが地続き。しかもラップするだけでなく、歌も歌う。彼のパフォーマンスにおいては、“フック”というよりも“サビ”に近いような気がします。下の『Take Me Back』や『Train』を聴いても、今述べた3つの要素が鮮やかに結実していますね。
Rude-α – 『Take me back』

なお、Rude-αは来たる10月に東京と大阪で自身初のワンマンライブ「Rude-α 1st one man live “21”」を開催します。ダンス仕込みの身体性と、ラップと歌が混然一体となったヒップホップの新機軸。まだ未体験の音楽ファンは、ぜひ各々のライブハウスまで足を運んでいただきたいです。
Rude-α – 『Train (live ver)』

2. iriが提示する他者性と音楽

いまメジャーに移行した場合の最大のメリットは、人を集められることではないでしょうか。ここで言う「人」は、オーディエンスでなく曲のプロデュースに関わるアーティストのことです。iriが今年2月にリリースした『JUICE』には、実に様々なアーティストがプロデューサーとして参加しています。高橋海(Lucky Tapes)、ケンモチヒデフミ水曜日のカンパネラ)、WONK…。客演にはラッパーの5lackがクレジットされています。誰と組んでも完璧に仕上げてくるのがiriの凄さですね。ギター1本弾き語りからスタートした彼女のキャリアはいま、様々な他者と関わることによって異次元の領域へ突入しているように思います。
iri – 『Telephone feat. 5lack』

3. 随所に“粋”を感じるChelmico

ナチュラルに可愛く、ナチュラルに忍ばせる。ヒップホップリスナーやクラバーほどchelmico(チェルミコ)の音楽にハッとしているのではないでしょうか。たとえばキラーチューン『Love is Over』のラインには、アンダーグラウンド・ヒップホップ屈指のクルー降神のリリックが引用されています。そしてプロデューサーには現行クラブシーンで確かな存在感を放つデュオ、三毛猫ホームレスらを起用。要所要所で“粋”を見せます。それらをことごとくナチュラルにやってのけるので、たまに狂気を感じますね。笑顔で挨拶を交わしたと思ったら実は刺されていた、と言いますか。しかもそのピークがメジャーデビュー。『POWER』は噛めば噛むほど味が染みてくる仕上がりです。
chelmico – 『Player

4. ラップを軸に多彩に展開する、踊Foot Works

“ヒップホップを拡張してゆくアプローチ”という点で、Rude-αと似ているかもしれません。踊Foot Worksの音楽を一言で表現するのならヒップホップですが、彼らの曲から受け取る情報量はとてもその枠組みの中には収まりきらない。作品をリリースする度にその傾向は強くなっており、最新作の『odd foot works』の多彩さには耳を引かれます。ボサノヴァやゴスペル、トラップに加え、ストレートな歌モノも収録。方法論としてもボーカルチョップを取り入れるなど、キャッチーでありながら実験的な側面も持ちます。バンドなだけあってライブもスポーティー。
踊Foot Works – 『Bebop Kagefumi』

5. 突如現れた新星、MIYACHI

NY在住ラッパーのMIYACHI。「英語わかりません」というラインと共に一気に台頭していった彼は、今やシーンの最重要人物のひとりであります。独特な日本語感覚で繰り出されるリリックやフロウは、一度聴いたら頭から離れません。英語の感覚で日本語を乗せてくるので、聞こえ方が非常に新鮮。彼はMigosやニッキー・ミナージュの曲のビートジャックをネット上で発表してますが、これらのフロウを聴くとその特異性を確認出来ると思います。既にAKLOやJP THE WAVYらと共演してますから、本格的にブレイクするのも時間の問題でしょう。
MIYACHI – 『MADA FLY』

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