【ORANGE RANGE インタビュー】
15年前の自分たちが今作を聴いたら
“何やってんの!?”って言うと思う
L→R YAMATO(Vox)、NAOTO(Gu)、YOH(Ba)、RYO(Vox)、HIROKI(Vox)
自由で柔軟な音楽性と真正直な言葉たちがどこまでも自然体の11枚目となるオリジナルアルバム『ELEVEN PIECE』。11の欠片から現在の彼らの等身大と、バンドの充実がうかがえる今作について話を訊いた。
前アルバム『TEN』以来、3年振りとなるアルバム『ELEVEN PIECE』が完成しましたが、バンドにとって前作以降はどんな期間でしたか?
HIROKI
『縁盤』(2016年7月に発表されたコラボベストアルバム)をリリースして、47都道府県を回って、昨年11月には『UNITY』ってEPを出して…アルバムは3年振りだけど、自分たち的にはライヴもたくさんやってるし、音源も出してるし、ずっと動いてはいましたね。
YOH
振り返ると、どの作品もライヴも意味があって。ひとつひとつを大事にしてきたからこそ今があると思ってます。
RYO
すごく良い流れだし、充実していて本当に楽しいです。
今作からもバンドの状態の良さが伝わってきました。
NAOTO
良い感じですよ。改めて聴いてもリラックスして、ほのぼのやってる感じが自然に出てて、いいなぁ~と思いました。
YAMATO
人間っぽさが表れたアルバムになりましたよね。良い意味で角が取れて、やさしいアルバムになったと思うし。
実際、制作もリラックスした楽しい雰囲気で?
YAMATO
レコーディングは基本、NAOTOの自宅スタジオで。リビングでくつろいで“今日はコンディション大丈夫?”なんて話しながらレコーディングを始めて、3分で終わる日もあったり(笑)。もちろん長時間やる日もあるんですけど、コンディションを重視して集中して録れるので、すごくやりやすかったです。
それはリラックスするし、人間っぽさも出るよ(笑)。楽曲からは会話してる感覚にも似た近しさを感じました。
HIROKI
僕らの素を知ってる人はそう感じるだろうし、知らない人が聴いたら丸くなった印象を持つかもしれないですね。無理せず、身構えることなく、生活の中でできた作品になっている。ツアーの空き日にプリプロして、ツアーから帰って来てそれを詰めてとか、日々の流れの中でできていった感じがあって…本当に自然体から生まれたアルバムですね。
紙資料には“変幻自在なサウンドを詰め込んだ『TEN』以降突き詰めてきたオリジナリティーとアイデンティティー”と書かれていますが、それはどこにあると思いました?
NAOTO
やりたいと思ったことを考えすぎずにすぐにできてしまう、そのスピード感からオリジナリティーが生まれると思ってて。“今、こういうことがやりたい”と思ったら、それをすぐにやるっていうのが今までやってきたことだし、今もそれができる環境にあって、その積み重ねが勝手にアイデンティティーになっていったのかなと思いますね。15年前の自分たちが今作を聴いたら“何やってんの!?”って言うと思うんですよ(笑)。でも、それが楽しいし、自分たちでも驚きが多いんです。
Jリーグクラブ FC琉球公式応援ソングの「Ryukyu Wind」はみんなが求めるORANGE RANGEだと思うし、「Destroy Rock and Roll」の遊び心もすごく“らしい”し、「大きな夢の木」を照れずに真っ直ぐ歌えるのもすごくいいなって。現在のORANGE RANGEの魅力がいろんな角度から見えるアルバムになっていると思います。
NAOTO
全体像はまったく見えていなくて、作りながらだんだん見えてきて、気付いたら“あっ、できたね”って感じで。今回はいつからアルバムを作り始めて、いつ終わったのかも分からないくらいなんです(笑)。良い感じになって安心しました。
YOH
俺は他の進行はみんなに任せて、「大きな夢の木」を集中して進めてました。最近、日常のつながりや景色から思ったことや感じたことをORANGE RANGEというフィルターにかけて曲にすることが多いんですが、この曲は決めた対象に向けて詞を突き詰めるほど自分たちに向けて歌ってる感覚になっていって。写し鏡じゃないけど、最後に見たら自分自身やメンバーが写っているような、不思議な気持ちになったんです。
「大きな夢の木」や「Happy Life」は“やさしさ”や“幸せ”といった真正直な言葉を照れずに歌えていて。この歳になったからこそ歌えることもあるんじゃないですか?
HIROKI
それは自分でも感じますね。昨年の武道館も別に目標として掲げていたわけじゃなくて、周りのスタッフが“15周年だしやってみれば?”って言ってくれて。で、いざやってみたらすごい多くの人が集まって、いっぱい祝福してくれて。47都道府県ツアーもやってみたら待っててくれる人がたくさんいて、“ありがとう”って素直に言わなきゃいけないなと思ったり。『UNITY』でもYOHが作った「Carnation」を素直に歌えたり、いろんな転機があったし。どれも今の自分にもつながってたから、“愛”って言葉も照れなく歌えてる気がしますね。20代の頃だったらそんな自分を茶化してたと思うけど、今は愛や幸せを歌った時にイメージや景色がより具体的になっているからこそ、伝える力が強くなってると思います。
RYO
うん、今は背伸びもしてないし、頑張って若く見せることもないし。“こういう歌詞を書いてほしい”ってリクエストがあった時、自分がどういうスタンスで挑めばいいかも分かるようになってきたから、曲の世界にスッと入れるようになっていて…曲を聴いて、まだ歌詞もない中でイメージしながらメロディーを練ってる時が一番楽しいですね。今回、特に手応えがあった曲は「Ryukyu Wind」かな。最初に付けたメロディーも言葉も狙い通りで、すごく良い仕上がりになりました。
YAMATO
今回、曲によって歌詞にはほぼ携わってないに等しいんですけど、逆に歌うことに集中して、役割に徹することができたのが良かったですね。ここからはツアーに向けて、身体も動かしてコンディションを整えていきたいです。
9月からはアルバムを掲げてのツアーが始まりますが、今作は日台同時リリースで、ツアー初日も台湾なんですよね。
RYO
台湾はすごいウェルカムな雰囲気だし、いつも良いライヴができるんですよ。台湾でアルバムを発売するのは嬉しいですね。アルバムを掲げてのツアーってところでは「Ryukyu Wind」と「Hopping」はすでにライヴでやってるけど、それ以外の新曲を披露するのが楽しみです。47都道府県ツアーを回ってる時、毎日がすごく充実してて、ライヴというものが現在のORANGE RANGEの中心にあることも確信したし、今回も絶対良いツアーになると思うんで期待してください!
取材:フジジュン
「Ryukyu Wind」MV
「Hopping」MV
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