H ZETT M×まらしぃ、2台ピアノ演奏
が『境港妖怪ジャズフェスティバル
2018』で実現 「残酷な天使のテーゼ
」や「千本桜」などを披露

7月21日(土)に行なわれた『境港妖怪ジャズフェスティバル 2018』で、二人の天才ピアニストによる競演が実現した。
『妖怪ジャズフェス』は今年で17回目を迎える野外フェス。出演者には佐藤竹善押尾コータロー、→Pia-no-jaC←、矢井田瞳、NEIGHBORS COMPLAIN、そしてH ZETTRIO、まらしぃと今年も豪華な面子を集め開催された。特に注目を集めたのがまらしぃライブ内で実現したH ZETT M、まらしぃといった今注目の天才ピアニストによる2台ピアノ演奏。
連日の猛暑、この日も最高気温36度を記録するなど、見るのも演奏するのも過酷な環境にもかかわらず会場を埋め尽くした沢山の観客が、二人の共演するその奇跡の瞬間を待ち望んでいた。
まらしぃ、H ZETT M
陽も落ちた20時過ぎ。まらしぃのパフォーマンス後半「Love Piano」を演奏し終えるとすでに配置されているグランドピアノの正面に対になるようにもう一台のグランドピアノが運び込まれる。野外にもかかわらずこの二人の競演のためにグランドピアノを2台用意、YouTubeで公開されている映像をそのまま再現したいという主催者の熱い思いが伝わる。
先に H ZETTRIOとして先に出番を終え観客を沸かせたピアニスト・H ZETT Mがまらしぃに紹介され再びステージへ。1曲目はYouTubeで700万再生を叩き出している「残酷な天使のテーゼ」。
H ZETT M、まらしぃ
写真左にH ZETT M、右にまらしぃ。都会ではあり得ない山々が広がる特設会場に二人のピアノの音色が響き渡る。アニメ『エヴァンゲリオン』のテーマでアニソンナンバー1とも言えるこの楽曲を妖怪の町、境港で最大のリスペクトを込め演奏する二人のピアニストに魂を揺さぶられる。
2曲目は二人がフレーズを持ち寄り2台のピアノで弾くために作られたオリジナル曲。印象的なメロディーが紡がれる圧倒的なテクニック、まるで戦っているかのように二人の個性がぶつかり合う様に息を呑む観客。楽曲中盤いきなり立ち上がり観客に手拍子を煽るまらしぃ。次の週間、H ZETT Mピアノに駆け寄り並んでピアノを弾き始める。1台のピアノ88鍵を4つの手20本の指が湧き上がるメロディーを欲し、鍵盤を叩く。そしてまらしぃが自分のピアノに戻ると次はH ZETT Mが立ち上がりスッとまらしぃピアノへ。今度はまらしぃ側ピアノで二人が演奏。
まらしぃ、H ZETT M
この演出、二人が企んでいたのか、その時の衝動なのか、スタッフも知らされていない突然起こった出来事に会場全体が驚き興奮している。H ZETT Mが仕掛ける高速フレーズをまらしぃがなぞり更に加速させていく。ステージ後方幕に大きくプリントされたフェスキャラクター鬼太郎に見守られる中、それはまるで二人の妖怪がピアノで会話、遊んでいるよう。
そして次の曲が最後「千本桜」というまらしぃのMCに大歓声。本人が演奏したTOYOTA CMも記憶に新しくまらしぃコンサートでは必ず演奏されるこの曲。しかし今回はH ZETT Mとの2台ピアノアレンジ。すでに動画でも公開されているがこれをライブで聞けるのはかなりレア。
まらしぃ、H ZETT M
H ZETT M、まらしぃ
スピード感あふれるイントロからいきなり手拍子で盛り上がる。その手拍子のせいかいつもよりテンポアップした「千本桜」。もともと高いテクニックが要求される早いフレーズが更に速くなるがなんなく演奏していく二人。ピアノはこんなに簡単にしかも楽しく弾けるものなのかと錯覚してしまう。圧倒的なクライマックス最後演奏が終わりステージ中央でハイタッチ、あっと言う間の3曲。またいつかこの競演が実現することを観客の誰も切望したと感じる大きな拍手を受けステージを後にした。
まらしぃ、H ZETT M