AKB48、牧野アンナ『ヤバいよ!つい
て来れんのか?!』公演:「まずは自
分自身を超えなさい」
「最高を経験させてあげたい」
アンナ氏は本公演発表のSHOWROOMの中で「10代の頃、アイドルで当時、もがいて苦しんでいた。頑張らないといけないとわかっていた。でも頑張れない自分がいた。一人で自分を鼓舞して頑張ることができなかった。10代のアイドル女子は、大人の話が耳に入らない。『はいはい』と返事しながらも『お前に言われたくないよ』と思っていた。もやもやしたところから抜け出せななかった」と自身のアイドル時代の話をして、「現在でも10代のアイドルは同じ。大人が引っ張り上げないといけない。そういう子たちと一回本気で向き合いたい。最高というものを経験させてあげたい」と本公演への意気込みとメンバーへの想いを語っていた。
「レッスンの最後にはいつも楽しかったぁ〜」
メンバーの限界を超えたレッスンが続き、SNS等で弱音や公演への想いをつぶやくメンバーも多くいた。多くのファンが「どんだけ過酷なレッスンなんだろうか?」と思っていたに違いない。
16期の山根涼羽は4月11日には自身の755に「レッスンをするたび思います、レッスン毎回怯えながら受けて、たくさん怒られて、心も折れそうになる時あるけど、でもレッスンの最後にはいつも楽しかったぁ〜って言ってるんです」と投稿していた。
「追い込まれたときに出るパワーを見せたかった」
「僕だけの value」「キスまでのカウントダウン」と王道のかわいい楽曲が続き、いつもなら自己紹介MCへうつるところ、パワフルなダンスで人気の「12月のカンガルー」。
肩で息を切るメンバーの目にも更に力がみなぎると、さらにハードな「ホライズン」と続いた。アンナ氏も終演後の囲み会見で「ここは、さすがに鬼だと思った」と。客席のファンもその勢いに圧倒される。
終演後の囲み取材でアンナ氏は「単に暴れる楽曲だけじゃなくて、彼女たちの殻を破ってほしい。追い込まれたときに出るパワーを見せたかった」と語っていた通り、ある種恍惚としたその表情には新たな魅力が溢れていた。
表現力が試される楽曲と圧巻のステージ
ユニットコーナーでは、メンバーですら知る人が少ない「ナットウエンジェル」からスタート。コミカルな歌詞とセクシーなダンスでまた新たな世界にファンを誘った。
本公演唯一の表題曲「Green Flash」では、村山彩希と横山結衣のダンスが得意な2人で、コンテンポラリーダンスのような感情から動かされる体の表現により楽曲の歌詞、世界観がより伝わるパフォーマンスとなった。「Green Flash」をあのようなダンスで表現できるのかと2人のパフォーマンスとアンナ氏のプロデュースに驚く人も多いだろう。
「Green Flash」の振り付けについてアンナ氏は囲み取材で「静と動を見せたいと思った。ただ上手に踊るのではなくて、溢れてくる想いが振りになるということをテーマにした。かなり高度なことを求めた」と語っていた。
そして後半4曲は「これから Wonderland」で「セクシーな世界観」、「Get you!」では「ロックな世界」、「ピノキオ軍」では「クレイジー」と表現力が試される楽曲で全部の方向に振りきったメンバーのパフォーマンスで会場を完全に飲み込んだ。とにかくステージは圧巻だ。
「千秋楽までどんどん良くしていけるように」
最後の楽曲を前に村山彩希は必死に涙をこらえながら「初日を迎えるまでに20人全員でたくさんたくさん練習してきました。そして初日をベストに迎えるために今日この16人でステージに立たせていただいています。初日が頂点ではなく、千秋楽までどんどん良くしていけるように力を合わせて頑張っていきたいと思います。なのでこれからもぜひこの公演を見に来てください!」と最後は力強く語った。
「これは本気で行かないとダメだなと思った」
「話を頂いた時、最初は大変そうだったので、お断りした。私がプロデュースするということはセットリストを決めてメンバーを決めれば済むという話ではない。ファンの方からは、凄く仕上がった公演、気合の入った公演を求められると思った。そこまでのモチベーションを自分が持てるのかどうか見えなかったので躊躇していた。
それでも引き受けて、メンバーと会って、最初に話をしてパフォーマンスを見た時に、頭をかかえました。もうちょっと楽に行けると思って引き受けてみたんですが、これは本気で行かないとダメだなと思った」
「記憶に残る公演にしたい」
「私も口だけではなくて、心も頭も体も、全力で彼女たちに向かっていかないと、自分自身でも納得できる公演が作れないと思った。やる以上は、ただ全力でパフォーマンスをするだけでなく、AKB48に影響を与えられるような公演にしたい。ファンの人たちが胸振るわす、一生忘れられないような記憶に残る公演にしたい。
彼女たちが誇りに思える、これをきっかけに変わりたいと思える道筋を作れるような公演にしたかった。それで公演タイトル(「ヤバいよ!ついて来れんのか?!」)も、『まずは私についてこい』ということで、彼女たちに喧嘩を売りました。そして、私の地獄の特訓を受けた彼女たちが、今度はステージでお客様に向かって『やばいよ!ついて来いよ』という気持ちで、250人全員を総立ちにさせるような公演にしていきたい。
初日がピークではなく、公演を繰り返すたびに、さらにパワーアップしていく公演をテーマに掲げて挑みました」と語っていた。
「本気を感じるのは村山だけだった」
彼女たちにミーティングをさせていた時にもいい子ちゃんで同じようなことしか言わない。『がんばります』という感じだった。それでは無理だった。彼女たちが先輩後輩関係なく、本音で自分の想いをぶつけ合う、自分たちみんなでここに行くという結束力が必要だと思った。
リハが終わった後に、話し合った。そこで『自分の想いを吐き出せ!』『何の想いもないのか?』と問いかけた。『何もないから出てこないのか』と煽りまくった。私自身がリハを見た中で『本気を感じるのは村山だけ』と昨日は言った。だから村山に責任をもって、みんなを引っ張るように、『私がいなくなって緩んだりしたら、あなたが気づいてみんなを引っ張らなきゃいけない』という責任を村山に与えた。
村山を中心に話し合いを行った。今朝来たら、自分たちでリハも進めて、意識も緊張感も変わっていた。私が何か言おうものなら、『うるさい』という感じだった。自分たちでこうしたいという気持ちが伝わってきた。その時点で大丈夫かなと思った」
「まずは自分自身を超えなさい」
「彼女たちに対しては『まず本気になることを知りなさい、本気になって一生懸命やった積み重ねの先に達成感が待っている』ということを伝えた。
『まずは自分自身を超えなさい、いろんな悩みを抱えて、どう頑張ればいいかわからずにもがいていた。自分で自分をあきらめている』と私の目に映った。自分はもっとできるんだ、日々自分を超えることをテーマに練習した」と語っていた。
AKB史上初、アンナ氏に喧嘩を売った込山
「先生に怒られないためにやっている雰囲気が嫌だった。先生のためにステージをやるのではないし、先生のために練習をしているのではないのに、なんでこんなに先生の顔色を窺っているんだ」と思っていたが、先生のツイッターで先生の想いを見たり、先生と1対1で話し合って、ファンの人に届けるために、私たちの足りないところや気づいてないことをこんなにぶつかってくれてるんだとわかった。先生とぶつかったおかげで、この公演への想いが180度変わりました」
アンナ氏の「込山を外すことも考えたが、チームキャプテンもやるというから、こいつコテンパにやってやろうと思った」には、「笑い話にできるからよかったよ」と村山からも突っ込みも。
村山「自信が持てるようになった」
みんなに自分の気持ちを伝えないと何も伝わらないと言われた。昨日、少し殻が破れた。少し自信が持てるようになった。堂々とできるようになった」と囲み取材で語っていた。
AKB48劇場公演の神髄
この公演でのメンバーのみなぎるパワーと情熱は、10年くらい前のまさに初期のAKB48を彷彿とさせるものだった。メンバーのパワーとパワーがぶつかり合い、客席のファンと共鳴する。久しぶりに「これこそがAKB48の神髄」ともいえる劇場公演を見た思いがした。
初期のAKB48が好きだった人、最近はもうAKB48劇場に足を運んでない人にも是非見てもらいたい。あの頃の熱い想いとパフォーマンスが蘇ってくる公演だ。
仕事や日常生活で本気になれない人も、彼女たちのステージでの本気の姿を見ると、熱い気持ちを思い出すことができる公演だ。
この公演でアンナ氏から指導を受けたメンバーたちが新たなAKB48を作り、引っ張っていくだろう。一度は絶対に見た方が良い公演だ。
セットリスト
1 恋愛総選挙 (ALL)
2 僕だけのvalue(ALL)
3 キスまでのカウントダウン(ALL)
4 12月のカンガルー (ALL)
5 ホライズン (ALL)
6 ナットウエンジェル (込山・武藤小・行天)
7 推定マーマレード (吉川・佐藤妃・西川・達家)
8 制服レジスタンス (佐藤栞・山根・湯本)
9 Green Flash (村山・横山結)
10 いつか見た海の底 (久保・山邊・下口・田北)
11 これからWonderland (ALL)
12 Get you! (ALL)
13 ピノキオ軍 (ALL)
14 僕らの風 (ALL)
アンコール
EN1 未来とは? (ALL)
EN2 次のSeason (ALL)
EN3 旅立ちのとき (ALL)
初日出演メンバー
村山彩希、込山榛香、横山結衣、久保怜音、佐藤栞、山邊歩夢、武藤小麟、田北香世子、吉川七瀬、行天優莉奈、下口ひなな、湯本亜美、山根涼羽、佐藤妃星、西川怜、達家真姫宝
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