【Mrs. GREEN APPLE インタビュー】
テンション上がったら、
WHOO!って声出しちゃえよ
L→R 髙野清宗(Ba)、山中綾華(Dr)、藤澤涼架(Key)、大森元貴(Vo&Gu)、若井滉斗(Gu)
怒涛の快進撃を続けた2017年を締め括る配信シングルは、ライヴではすでにお馴染みの強烈なEDMチューン「WHOO WHOO WHOO」。より自由な音楽の楽しみ方を提示する、会心の一曲に込めた5人の想いとは?
気が付けば、2017年ももうすぐ終わりですよ。
大森
僕の体感速度では2カ月です(笑)。だって、アルバムのリリースが今年の頭でしょ? あれは2カ月前です、大袈裟じゃなくて。
藤澤
(笑)。映画やドラマのタイアップというありがたいこともある中で、個人的には音楽を発信することの大切さを改めて感じた年でしたね。達成感がある中で儚い瞬間も感じたりして、もっとしっかり自分がどうしたいかを考え直すきっかけになった一年だと思います。
若井
やっぱり大きかったのは「WanteD! WanteD!」のリリース。友達や親戚から久しぶりに連絡が来たり、街中で曲が流れたりして、自分たちの知らないところでそういう状況になっているのはすごく不思議だなって思いました。
山中
私も「WanteD! WanteD!」が一番大きいなと思っていて。目に見えて認知してもらったなということが分かる作品だったので。ライヴも前よりも自由になったというか、本当の意味で音楽を楽しめるようになったのかなと思いますね。
髙野
本当に充実していた一年でした。ライヴでも自分たちが表現したいことを照明やセットも含めて実現できたし、新しい機材も導入して、プレーの幅も確実に変わってきたという実感がありますね。
そして、新曲「WHOO WHOO WHOO」。これ、ライヴでの初披露はいつでしたっけ?
大森
3月のツアー、ライヴハウス編の初日からですね。
その時からリリースを?
大森
まったく考えていなかった。作った時もミセスでやるということで作っていないので。だって、イントロからバンドじゃないでしょ? ダンスヴォーカルユニットの曲ですよ。
確かに(笑)。かける曲間違えた?と思う人がいるかも。
大森
僕が面白いと思ってひとりで作ったものをメンバーと共有して、試しにツアー初日にやってみたらすごく反応が良かったんです。“これはもしかして僕らのもうひとつの核になるかも”と思って、それ以来必ずセットリストに入ってますね。どんだけアウェーの会場でやったとしても、この曲で一体感が生まれて、お互いに心の緊張がほどける感じがするので、めちゃめちゃ助かってます。
ほぼ打ち込みだけど、リズム隊ふたりの役割は?
山中
レコーディングに関してはサビしか叩いてないんですけど、バンドサウンドとEDMの共存は今までもあったので。自分がこの中に入ってほぼ聴こえないぐらいのエッセンス的な関わりでも全然構わなかったし、改めて単純なリズムだけで人を乗せることができるものを作れたという実感がありますね。
髙野
シンセベースがずっと重なってる状態なんですけど、綾華(山中)が言った通りバンドとEDMを上手く融合させるイメージで弾きました。ライヴの中でどんどんアレンジが変わっていって…ベースソロも最初はなかったんですよ。余白の多い曲だからこそ、そういうことができたのかなと思います。
若井くんのエモいギターソロも特に目立ってますが。
若井
レコーディング当日に変えたんですよ。ライヴで弾いていたソロとは別のものに。
大森
本人、めちゃめちゃ頑張って作り込んできてくれたのに、“これじゃアガらないな”ということで、20分ぐらい時間をあげてゼロから作り直してもらうという。でも、クレイジーな良いソロですよ。
若井
我ながら良いソロができたと思います。
藤澤
僕はレコーディングでは弾いてないんですけど、ツアーで演奏していく中で、この曲をどう楽しむか…お客さんの側から沸き出てくるものがすごくあったんですよね。フェスに行くとみんな一斉に手をあげたり、手拍子したり、それも素敵な楽しみ方だと思うんですけど、もっと自分の中から出てくる自由な楽しみ方がとても大事なことだなって思うので。「WHOO WHOO WHOO」はそれを体感できる曲だなと思いながら制作に臨んでいましたね。
この曲、もともとはティーンポップ寄りのEDMをやりたかったということ?
大森
そうですね。ゴリゴリのEDMだと思います。こういう曲は日本のチャートにはないし、聴き方が分からない人がたくさんいると思うから。だからこそ、反骨心というか、遊び心で歌詞を意味ないものにしたかった。“私に寄り添ってくれる曲”という聴き方でバンドを聴く人も全然いいと思うんだけど、そこだけだと閉鎖的になってしまう気がするので、まったく意味のない曲でどれだけぶちアゲれるか。クレイジーなところも音楽の中にあってほしいので。
でも、意味なくはないと思うけれど。
大森
まぁ、英語の部分も要は“テンション上がったらWHOO!って声出しちゃえよ”っていうメッセージがあるとしたら“自由にね”ということ。固定概念とか“私は恥ずかしい”とかじゃなくて、“自分の思うように表現してね”という。それこそ日本人が苦手としていることをずっと歌っている曲だと思うんですよ。メッセージがあるとしたら、そういう曲かなと思いますね。
そして、来年。2018年はどんな年にしますか。
大森
エンターテインメントというものをめちゃめちゃ掘り下げた年にしたいなと思いますね。ショーとしてみんながハッピーになってくれて、なおかつ僕らも楽しめるような活動ができたらと思います。今まではいろんなものに追われて、自分の中で噛み砕く前に新しいことがたくさん始まっていたので。ありがたいことではあるんですが、自分たちがやっと今噛み砕けるようになってきているので、それを楽しむ年にしたいなと思います。
取材:宮本英夫
「WHOO WHOO WHOO」ティザー映像
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