【coldrain】
“coldrainとは何か?”に純粋に向き
合えた
L→R Katsuma(Dr)、RxYxO(Ba)、Masato(Vo)、Y.K.C(Gu)、Sugi(Gu)
約2年振りとなるニューアルバム『FATELESS』は、バンドの武器や魅力を最大限に押し上げた強力な一枚だ。海外でもツアーを繰り広げ、より一層逞しくなった彼らの現在地を刻んだ今作についてメンバー全員に直撃!
前作「VENA II」以降はどんな期間でした?
Y.K.C
ワールドツアーもあったし、経験値は積めたかなと。ただ、スケジュール的には忙しかったですね。
Masato
海外と日本との活動の両立の難しさを感じました。でも、バンドとしてはどちらの活動も必要だったというか。長い目で見たら大事な期間だったのかなと。10年バンドをやってると、日本でライヴをやることに良くも悪くも慣れてくるし。海外に出ることで、自分たちはどういうライヴをすればいいのかを考えました。
ライヴをやる上で原点みたいな気持ちを確かめた?
Y.K.C
そうですね。バンドをやり始めた頃のツアーの感覚を改めて噛み締められたことは大きくて。
Sugi
毎日ひたすらライヴだったし、一本一本反省点もあったし、“お客さんを”というよりも自分たちが楽しもうと。
RxYxO
海外はパッションを100パーセント観せないと伝わらないから。でも、やることをやればちゃんと伝わるんだなと。
Katsuma
世界に出ることで、自分たちは間違ってないことを認識できました。それで自信が付いたし、今回の作品ができましたからね。
というのは?
Masato
今作は海外や日本がどうっていうより、“coldrainとは何か?”に純粋に向き合えたのが良かったですね。
その自分たちが思うcoldrainらしさというのは?
Y.K.C
ふたつテーマを決めたんですよ。ひとつ目は俺らはツインギターが武器だと思うので、ギターが目立つアルバムにしたくて。もうひとつはメロディーの良さをどこまで出せるかなと。なので、今回は俺にメロディーラインを作らせてほしいってお願いして。自分たちの良さを認識しながら作業を進めました。Sugiのギターはいつも課題なんですけど、ミックスでも目立つようにして。RxYxOとKatsumaの音もレコーディングの段階で絶対こうじゃなきゃダメだよねって。Katsumaは、広いドラムを意識して…
Katsuma
ドーン!みたいな。
(笑)。アリーナメタル的な感じで?
Katsuma
そうです! 広く大きく聴こえる音が好きだから。プロデューサーと俺らがやりたいことがドンズバで。
Masato
今回のプロデュースをお願いしたエルビスは日本人の感性に近くて、欲しかった音に近づけました。FACTのデモと完成品を聴いた時に、あの極端な音楽をラジオでも流れるようなメジャーなものに変えていたから。あと、僕が大好きなINCUBUSの作品も手がけてましたからね。
レコーディングはどこで行なったのですか?
Masato
フロリダです。すごくいい気候でした。
Y.K.C
スタジオは歴代一等賞ですね(笑)。
Masato
ただ、やっぱり人ですね。エルビスはバンドを楽しませながらも、曲をちゃんと理解してくれたから。
何かアドバイスをもらうこともありました?
Y.K.C
メジャー感のあるところも作ろうと提案してくれました。「ENVY」も最後のサビはなかったけど、シンガロング風のサビを入れたりして。バックの演奏は歌に対して自然とアレンジした部分が多いですね。
RxYxO
メロディーが明確に見えていたから、歌を頭に入れつつベースの動きは考えました。
Sugi
どこを切り取ってもロックなアルバムにしたかったから。自分の録りも楽しかったですね。
Masato
Y.K.Cが初めて基本的なメロディーを作ったので、歌うことに集中できたことが良かったですね。そういう意味では1周回って1stアルバムっぽいなと。
なるほど。中盤から後半の流れもいいですね。
Masato
「UNINVITED」はカバーなんですよ、アラニス・モリセットの。映画『シティ・オブ・エンジェルズ』のサントラ盤に入ってて、全米でヒットした曲で。いつかライヴでオーケストラと一緒にやりたいと思ってるから、この曲がベストだなと。
「STAY」もいい曲ですね。
Y.K.C
「STAY」と最後の曲「A DECADE IN THE RAIN」は…プロデューサーの意見を聞いた時に、スローなバラードとアンセム曲があったらいいねと言われて。
確かに、どちらもそういう曲調になってます(笑)。
Y.K.C
「STAY」はスローなバラードですけど、グランジの要素も入れてみようと。
Masato
この2曲が特にエルビスはうるさかった。
Katsuma
ドラムもその2曲が苦労しました。エルビスがフレーズのアイデアをすごく出してきて、この2曲はサビのたびにフィルも全部変えたんですよ。終わりに向かうにつれて、ドラムだけで壮大になるように表現したり。出来上がった時、“言われた通りだわ!”って(笑)。
ちなみに今作を作る上で、来年2月6日に行なう初の日本武道館公演はどこかで意識してました?
Masato
フェスでは大きな舞台に立ったりすることもあるので、そういう場所でも勝負できる曲は意識してるから。
Y.K.C
武道館というより、自分たちの中で無理なくシンガロングパートがあるカッコ良い曲が欲しいなと。
まさに「A DECADE IN THE RAIN」はそうですよね。
Y.K.C
ずっと自分たちの中に武道館があったわけじゃないけど、世界を回っても“武道館”という言葉はみんな知ってるし、やる以上は武道館が似合うバンドになりたい。
Masato
英語詞のバンドが武道館が似合っちゃって、武道館を越えて行けたらカッコ良いかなと。
ええ、夢がありますよね。
Masato
ですよね。coldrainのライヴを観て、若い子が武道館を目指したい!と思ってくれたら最高だなと。
取材:荒金良介
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