【湘南乃風】
夏の野外ライヴをイメージした、
盛り上がれて気持ち良さのある作品

L→R HAN-KUN、若旦那、SHOCK EYE、RED RICE

今年の夏を賑やかに彩るコンセプトミニアルバム『踊れ』が到着! そのタイトル通り、“踊れ”をテーマに攻めのダンスホールレゲエから心地良いサーフテイストなど、さまざまなスタイルのナンバーが揃った濃密な作品だ。本作に込めた想いをたっぷり訊いていこう。

野外で盛り上がって踊れる曲を
それぞれがイメージして作っていった

今回、全曲ダンスミュージックというコンセプトミニアルバム『踊れ』をリリースしますが、制作することになったきっかけから聞かせてください。

SHOCK EYE

今の湘南乃風はみんなのやりたい音楽も多様化してきてて、誰かがプロデューサーに立って曲を作るってスタイルがメインになってるんです。ミニアルバムはやったことがなかったし、夏に向けて“踊れ”ってコンセプトでそれぞれ曲を持ち寄って1枚作ってみようということになったんです。

RED RICE

今年は野外ワンマンライヴツアーもあって、夏フェスもあるし、野外で盛り上がって踊れる曲、気持ち良い曲をそれぞれがイメージして曲を作っていった感じですね。

ちなみに、曲はそれぞれ誰がメインで作ったのですか?

SHOCK EYE

曲順で言うと、「Baddest」がHAN-KUN、「Hyper Something feat. INFINITY 16, SALU, J-REXXX」が若旦那、「PAN DE MIC」がRED RICE、「Winner」がHAN-KUN、「ダンシング マップ」がSHOCK EYE、「Summer Holidays」がRED RICEです。

まず、「Baddest」はパワフルなダンスホールレゲエで、始まり感がありますね。

SHOCK EYE

2000年前後の僕らがジャマイカで修行してた時に流行ってたようなトラックだったので、当時カッコ良いと思ってた歌い回し、言葉選びを意識して作っていきました。

RED RICE

みんなの歌詞が出揃って、最後にイントロが付いて一気にカッコ良いオープニングっぽくなったんです。

「Hyper Something feat. INFINITY 16, SALU, J-REXXX」はフィーチャリング勢も豪華ですし、トラックがドラムンベースというのも驚きました。

SHOCK EYE

若旦那がこういう面子で、トラックがドラムンベースってチョイスをしてきて、俺らも新鮮でした。マイクリレーで畳み掛けるのは楽しいし、メラメラしましたね。

RED RICE

この曲は自分らがデビュー前にやってたダンスホールレゲエの用語やフレーズを多用してたり、自分らの原点っぽいとこがあります。それをこのサウンドで、今やるというのが意味があるなって思えました。あと、湘南乃風でフィーチャリングってほとんどやってないんですよ。

SHOCK EYE

だから、刺激をもらいましたね。TELA-C(INFINITY 16)も久しぶりにバシッとかましてきてカッコ良かったし。SALUは素晴らしいラッパーだと思ってて、今回初めてがっつりやらせてもらってさすがだなと思いましたね。J-REXXXは若い世代には珍しいオールドスタイルのDJなので、早口もやるし味が出てるなって。

RED RICE

それぞれの個性がすげー出たなって思います。

「PAN DE MIC」は“和”がテーマのアップチューンですね。

RED RICE

この曲はライヴで盛り上がる曲を作ってく中で、どんどん和の要素に寄っていったんです。で、歌詞のテーマも“行ったれ、日本人!”って感じになったんですよ。もっとみんなが自信を持って世界に出たら、もっと多くの日本人が成功するんじゃないかなって。それを後押ししたいし、自分らも湘南乃風って漢字の名前を背負ってるので、もっと日本の文化を海外に発信できたらいいなって気持ちを込めて作りました。

SHOCK EYE

僕は昔から日本文化が好きなので、こういうテーマだといくらでも出てくるんですよ。バースでは、ガラパゴス的だけどそれもすごいんだ!ってことを言いましたね。

RED RICE

ただこういうテーマで重すぎるのも嫌なので、全体の雰囲気としては海外の映画に出てくる、海外から見た日本みたいな感じをあえて狙いました(笑)。

「Winner」は湘南乃風の十八番的な爽快なアゲアゲチューン。

SHOCK EYE

これは湘南乃風の一番得意なやつですね。

RED RICE

毎年夏はこういうテイストの曲を作ってるけど、この曲は安定感がしっかりしてる印象があります。

SHOCK EYE

ただ、こういう曲をシングルで出そうって安パイな制作をしてたら、俺らに未来はないんじゃないかってみんなで真面目な話をしたんです。「Hyper Something」とかがあって「Winner」があるってバランスが大事だなって。

RED RICE

それで一曲一曲がカラーの違う、より濃いミニアルバムになったんだと思いますね。

なるほど。「ダンシング マップ」の歌詞の明るい東京の雰囲気、軽快なサウンドに意外性を感じました。

SHOCK EYE

自分的に“心踊る”って解釈の曲を作ろうと思ったんです。僕らが書く東京って、やさぐれてて、その中でしのぎ削って、肩で風切ってってものばかりだったんですよ。それとは逆のキラキラした東京感って絶対あるし、それを書いてみたいと思ったんです。それには僕らの10代の頃、90年代に街鳴りしてたレゲエ感がいいかなって。

RED RICE

僕はつい湘南節が出ちゃって、SHOCKに1回ダメ出しいただきました(笑)。

SHOCK EYE

結果、みんないい感じになったけどね(笑)。ただ、俺が当初描いてた渋谷系みたいな文化系にはなりませんでした(笑)。俺たちが持ってる濃いエキスみたいなのがあるんだなって改めて思いましたね。

そして、「Summer Holidays」は心地良いサーフチューンとなってますね。

RED RICE

『SummerHoric 2017』ってツアーもあるし、この曲がかかったら2017年の夏を思い出すような曲になったらいいなと思ったんです。アルバムもライヴもイケイケで踊って、最後はゆったりとみんなでひとつになれるような曲にしたいなって。ただ、こういう曲を作ったことがなくて難しくて、ショックやHAN-KUNに意見を聞いたりしましたね。

SHOCK EYE

僕らのいいところでもあり弱点でもあるんですけど、曲に想いを詰め込みすぎちゃうんですよ。それをどうやったら断捨離できるかが今後の課題な気がして。この曲はそのひとつの答えな気がしますね。サウンド的にも、湘南がゆったりとした夏を歌えるようになったらだいぶ広がると思うし。

RED RICE

この間、海辺でバーベキューしに行った時に聴いたら、すごくいいなと思えたんです。断捨離成功したかなって思いました(笑)。

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