【高橋 優】『高橋優全国ツアー~こ
の声って誰?高橋優じゃなぁい?201
2』2012年7月1日 at 渋谷公会堂

撮影:石井麻木/取材:石岡未央

 初のホールツアー最終日は、2デイズとなった渋公。自信の表れなのか、なぜか終始余裕を感じるステージングだった。アルバム『この声』からのオープニング「蛍」でエレキを掻き鳴らし、アッパーに炸裂させた幕開け。ライヴとしては日常的な絵図だが、一連のシングルで知って聴き入りにきたファンには、心地良い裏切りだったのかもしれない。ホールだから客席がある。とはいえ、中盤戦の長いMCから6曲ほどの時間を、観客を座らせ悠々と過ごしたことは意外だ。そこは“聴かせるため”“和むため”の楽曲群、MCとはいえ、ベテランかっ!と突っ込みたくもなった。ただ、だからこそ後半戦のハジけ方は半端なく、ストイックさの反動からくる旺盛なサービスとでもいうのか、終焉まで、緩急自在に心のヒダをいじくり倒して開放させてくれた。本当に、続編が楽しみなヒューマンドラマだった。

高橋優

タカハシユウ:1983年12月26日生まれ。札幌の大学への進学と同時に路上で弾き語りを始め、08年に活動の拠点を東京に移し、10年7月21日、シングル「素晴らしき日常」でワーナーミュージック・ジャパンよりメジャーデビュー。13年11月には日本武道館での単独公演を成功させた。デビュー5周年迎える15年7月にはベストアルバムをリリースし、同月25日には秋田県の秋田市エリアなかいちにてフリーイベントを開催。

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