【Dragon Ash】『Tour Rampage』201
1年1月28日 at SHIBUYA-AX

取材:松木美歩

 ここ数作はラテンを基調としたサウンドが目立ったDragon Ashだが、最新アルバム『MIXTURE』は、ゴリゴリのロックサウンドへと回帰し、自分で自分の殻を破っては進んでいく姿勢が実に彼ららしく、よく聞く原点回帰とは訳もレベルもまったく別物のストイックさがぎっちり詰め込まれている作品だった。そんな『MIXTURE』を引っ提げてのツアー初日。フロアの期待の高さもハンパなくて、始まる前からすごい熱気。人気の高さは安定してても、あんなド派手にぶちかました作品を聴かされれば、期待しない方がおかしい。アルバム冒頭のオープニングSEが流れる中、メンバーが登場し、「SOCIABLE DESTRUCTION」までアルバムそのままの流れで進んでいく。すでにフロアもぐっちゃぐちゃ状態の盛り上がり。そんな中で4曲目。はい、きました。「Revolator」。セットリストに過去の曲も織り交ぜてくるだろうし『MIXTURE』に合わせた選曲を想像しただけでもワクワクしていたけど、イントロが流れた瞬間、私のリミッターも外れた感覚。「snowscape」では爆音に負けないように“粉雪が舞う度に~”とフロアが叫んでいるであろう背中がなんとも逞しく見えたし、久々に聴く曲に興奮を抑えられない様子だ。「SKY IS THE LIMIT」では、ステージ脇から勢いよくTAKUMA(10-FEET)が飛び出してきて、Kj(Vo&Gu)と交互にラップを披露。鉄板の名曲「百合の咲く場所で」では、ダイバーと拳タッチするKjの笑顔があまりにも嬉しそうで、ロックシーンに巨大な影響を与えたバンドのヴォーカリスト以前に、自分がいつでもロックキッズであることを証明する、そんな表情を浮かべていた。初日とは思えないほどの完成度の高さ。ファイナルはとんでもないことになるはず。



セットリスト

  1. 現在ツアー中のため、セットリストの公表を控えさせていただきます。

Dragon Ash

ドラゴン・アッシュ:1997年、Kj、IKUZONE、桜井誠の3人でデビュー。その後、BOTS、HIROKI、ATSUSHI、DRI-Vが加入し7人編成になるも、12年にオリジナルメンバーのIKUZONEが急逝。13年、現在のメンバー6人で再び前進することを決意する。今アルバムよりKenKenがレコーディングに全面参加。デビュー時よりあらゆるジャンルを驚異的なスピードで横断し、Dragon Ashとしか表現しようのない音を鳴らし続けている。

アーティスト