【monobright】monobright SHIBUYA-
AX 2009年6月11日

取材:竹内美保

放熱量のすさまじさがとにかくもう、尋常ではない。もちろんトータルな流れの中での緩急はしっかりと存在するのだが、その“緩”を担うシーンにおいても漲る気迫が薄まる気配が一切ないほど、高いボルテージが貫かれ続けていた、まるでツアーファイナルの如きライヴ。最新アルバム『monobright two』完成時に桃野陽介(Vo&Gu)が“ただの勃起の歌”と語っていた「踊る脳」を起爆剤に、ロックンロールが謳う“喜怒哀楽”が強靭さを増した音楽的エンターテインメント性をもって次々と炸裂し、実に痛快かつ爽快な時空間を作り上げていく。中盤戦に初期(といっても、彼らの歴史はまだ始まって間もないが)のナンバーをメドレーで披露したのはやや意外ではあったが、新作で早くも第2の黎明期を迎えたこのバンドの現在のアティチュードを音で表現するためには、こういった大胆不敵な攻めは絶対に不可欠だろう。となれば、当然のことながら、新作からのナンバーに対する鍛錬、結実も極めてデカいものに。とりわけ「モーニングスターター」「ヒーローヤング」といった、理論理屈無用の圧倒的な説得力で押しまくる楽曲たちが正統性をたたえて威風堂々と鳴り響いていたことは、素晴らしく感動的だった。“白ポロシャツ×ブラックジーンズ×メガネ”からの脱皮。それは決して形骸的なものではなく、monobrightの進化と変革の体現。そして、この日の一声、一音、一挙手一投足全てから感じられた4人のスケールアップには、さらなる縦横無尽な飛躍への期待も強く抱かせてくれた。さあ、次はなんばHatch、日比谷野音だ!

MONOBRIGHT

専門学校からの仲間によって06年札幌で正式結成。メンバーは桃野陽介(V,G)、松下省伍(G)、出口博之(B)、瀧谷翼(D)の4人。2010年11月15日より、ヒダカトオル(ex-BEAT CRUSADERS)をG,Key,Choとして正式メンバーに迎え、バンド名をmonobrightから大文字表記の「MONOBRIGHT」に変更。

07年3月メジャー・デビュー前にも関わらずポストパンクの実力派バンドBLOC PARTY(from UK) のJAPANツアー(名古屋・大阪公演)のフロント・アクトという大役をつとめる。その年の7月にシングル「未完成ライオット」でメジャー・デビューを果たし、いきなり『ROCK IN JAPAN FES.2007』『SUMMER SONIC 07』といった大型フェスに出演。

08年も果敢にその活動の幅を広げ、日本のみならずUKはブライトンで行われた『THE GREAT ESCAPE』をはじめ国内外のフェスに多数出演、結成2年にして日本のロック・シーンにおけるライヴ・バンドとしての地位を確立。
09年は2月から初のスプリット・ツアーをスタート。時代の風を切って邁進し続けている。

2011年1月には5人編成になって初のリリース作品ミニアルバム『淫ビテーション』をリリース、全国ツアーを行う。

アーティスト