【シギ】
取材:土内 昇
「輝いた」は私自身に向けての歌詞だったのかもしれない
今回、新たなことへの不安や葛藤が大きかった分、良い勉強になりました。もしかしたら『輝いた』は、私自身に向けての歌詞だったのかもしれません。不安や葛藤によって立ち止まった私に自ら背を押し、そこから抜け出し、走り出すことによって、今よりも多くの人と輝きたいという気持ちが強くあったんだと思います。
…と2ndシングル「輝いた」について語ったシギ。その言葉通り、爽快感すら感じるアップチューンは、彼女にとって新境地であり、チャレンジだったという。
アップテンポな曲は初めてだったので、戸惑いもありましたが、自分のものにできたと思いますし、新しい自分と出会えました。初めは不安の方が大きかったのですが、レコーディングでいつものメンバーと息を合わせて演奏したり、ライヴで歌ううちに、徐々に不安は溶けていきましたね。何をしても、私が歌う限りシギの歌はシギになると思えるようになったので。
また、デビューしたことで、今までは自分のことだけを考えていたが、人のことを考えるようになったとも語ってくれた。「輝いた」もそんな意識の中から生まれたそうだ。
アニメのエンディングのお話を先にいただいたので、アニメの内容に寄り添う形で書きました。また、その歌が流れる時間帯が多くの人が耳にする時間帯だったので、私の思ってることをそのまま書くというよりは、噛み砕いて、大衆の方々が飲み込みやすいような言葉の使い方にしようと気を付けました。この曲を窓口にして、さらに私の音楽の奥の世界に来てもらいたい、触れてもらいたいという気持ちがあるので。
そして、歌い出しから耳を刺激する“体交われど 血は交われず”というフレーズ。人はどんなに交わっても“孤”であることは変わらないと歌っているのだが、それはネガティブなことではなく、輝くために必要なものだと云っているように感じた。
素晴らしいです(笑)。恋人同士はどんなに愛し合っても、体を交えたとしても、血を交えることはできない。完全に孤独が癒されることなどはない。人はひとりで生まれ、ひとりで死んでいく。しかし、ひとりゆえに人を求めるのが人間である。人はひとりだからこそ、体温の違いを抱きしめることで感じることができ、それによってひとりを感じるとともに、ひとりではないことも感じることができる…と思ってるんです。
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