【knotlamp】いろんな意味でマックス
のアルバムになった

L→R AKIHIKO(Dr&Cho)、TETSUNAR(I Gu&Cho)、TOHRU(Ba&Cho)、KEIT(Vo&Gu)

シビアに楽曲と向き合ったからこその苦悩の日々を乗り越え、やっとの思いで完成させた今作。口々に“最初からいい作品になる”とメンバーが言っていた通り、予想を裏切らない…いや、それ以上のものが誕生したのではないだろうか。
取材:ジャガー

約70日間というレコーディングは、楽曲を作りながら録っていって…と、相当大変なものだったとか。

TOHRU

そうですね。思った以上に過酷でした。その中でも、“いい音にしたい”っていう気持ちは常にあって…今までやってきた延長線上にある音の良さを追い求めてましたね。“絶対的にいい音にするんだ”って。

TETSUNARI

それこそ、レコーディングに挑む前に準備してきたことが何ひとつ役に立たなかったので、歯がゆくて、悔しくて、涙したこともありました。

そのおかげで、とてもクオリティの高いアルバムに出会うことができました。バンドとしても得たものは大きいのではないですか?

KEIT

4月からのツアーを終えたら、さらにデカくなるって信じてるんですよ。レコーディングもそうだけど、やっぱりツアーのファイナルまでのひと括りを終えて、“この作品はどうだ?”っていうのが見えるので。

バンドサウンドが前面に押し出された、とてもクリアな状態で音を楽しめるなっていうのがアルバムの第一印象でした。あと、より間口が広がったなと。

KEIT

今までやってきたことを守りつつ、新しいフィールドへっていうコンセプトだったので。まずは、今までの反省点を活かし、音質的にも丸くしていきました。いい意味でマイルドにすることで、聴きやすくなったんじゃないですかね。制作に時間をかけれたので、それだけ洗練されたんじゃないかなって思います。

歌詞もピンポイントに焦点を当てた内容というよりは、ちょっと幅を広げたことで対象物が見えやすくなったんじゃないかなと。

KEIT

自分の書く歌詞で言いたいことは、結局ひとつっていうのが今までのコンセプトとしてあって。1stミニアルバム『Blind Side』が出るよりも前の活動から、そこはずっと一環してあるんですよ。音楽をやるテーマが自分が生きていく上でのテーマだったり、普段考えていることとか…人間味のない歌詞が苦手で、実は。あんまりいいことばっかり言う歌詞も苦手なんですけど。

だからこそ、世の中の不平不満や厳しい面を綴ったものもあれば、ちゃんと希望も描かれているんですね。

KEIT

いいことばかりの世の中でも、自分でも、人生でも絶対ないから。それをそのまんま出したいなって。『Sing against the stream』でも言いたいことはひとつなんだけど、それをいろんな方向から出したんですね。だから、対象物が明確になったっていうのも分かる話だし、今回はあえて広げていこうというのがあったので、そこに気付いてくれるのはうれしいですね。

新しいものを追求してるんだけど、イントロから鳥肌が立つ「Fall to pieces」のあの感じもknotlampらしいなと。

KEIT

今回のトゲ部門担当というか(笑)。俺がアルバムを作る上で、“自分が好きなアルバムは何か?”って考えた時に、やっぱりああいう曲があるのとないのとではまったく違うので。こういうテイストの曲が入ったアルバムが好きだから、やっぱり俺も。なので、前回『Ghost of the freedom』で言うと「Lost Anthology」がそうで、knotlampの作品には絶対入りますね。

TETSUNARIさんとTOHRUさんが原曲を聴いた最初の印象ってどういうものでした?

TOHRU

よりメロディーのクオリティが高かったり、耳に残るというか、今まで以上にそういう部分が曲を聴いた時点であって。このアルバムがものすごいことになるなって、いい作品になるって自信はありましたね。だから、自分も全部において最高の作品にしたいっていう思いが常にあって。knotlampが今できる最高レベルの音を詰めたい一心でした。

TETSUNARI

やっぱり“いい作品になるだろうな”っていうのはスタートの段階であったので、俺は与えられた仕事を全力でこなすっていう、それだけに集中して臨みましたね。初めてのミドルテンポのバラード「Time matters」や「Not alone」とか、アッパーな曲じゃないものも結構含まれていたので、音楽が好きな人だったら誰が聴いても“いいよね”って言ってくれるぐらいの作品になるんじゃないかって。で、しっかり音を録ってみると、やっぱり俺の予感は間違ってないなって。確かな手応えを掴めました。

TOHRU

「Not alone」や「My steady faith」は、自主制作で出したりもしてて。昔からやってる曲が、今こうやってアルバムに入ったことで、今後ライヴでした時にお客さんがどういう反応をするかなっていうのが楽しみですね。

KEIT

実は、曲作りですごく悩んだ時期もあって、リリース自体を止めてしまおうかなって思った時もあったんですよ。でも、「時の行方」をきっかけにネガティブからポジティブな考えに変えることができたんですね。この曲があるから、アルバムも“やってみよう”ってところから始まった感じもあるし、個人的に印象はすごい強いですね。

TETSUNARI

「時の行方」は最初にもらったデモがサビだけだったんで、分かりやすく言えば電気が走りましたね。ここからどう展開していくんだろうって思って、新たに渡されたデモを聴いて面白いなって思いました。サビから入って、サビのメロをギターの単音で弾くっていう、今までにない展開の仕方だったし。こういう発想もあったんだって。一番好きな曲だといっても過言ではないですよ。

KEIT

改めて振り返ってみても、これ以上でも、これ以下でもない。この4人が等身大で作った人生の足跡というか。これがちょっと先でも後でも絶対できない…いろんな意味でマックスのアルバムなんじゃないかなって思います。

『Sing against the stream』

  • 『Sing against the stream』
    R3RCD-080
    2009.03.10
    2520円

knotlamp

ノットランプ:2007年10月にアルバム『Blind Side』でデビュー。6月に発売された「Across my world」が、現在NHK総合で放送中のアニメ「銀河へキックオフ!!」の主題歌に抜擢。数々のフェスにも出演し、入場規制がかかるなどその存在感を誇示する4人組バンド。 

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