【the storefront】


取材:石田博嗣

資料によると、2005年に現メンバーで結成したものの、約1年の活動で解散。しかし、08年に同じメンバーで再結成したとのこと。結局はthe storefrontが自分たちのやりたいバンドだったということなのだろう。メンバーも“何ものにも代え難い気持ちが、このバンドにあった”と語ってくれた。そんな彼らの09年1月に発表した1stミニアルバム『the daily glind』が、リミックス&リマスタリングを施し全国流通される。

「ここに収録されている曲を料理に例えると、1曲目『SLIDE』はフィレステーキです。言うたらディナーの主役ですね。2曲目『cut out』はワサビ醤油をかけたアボカドで、3曲目『嘘の台詞とクラクション』はパーティーには欠かせないシーフードピザ。4曲目『足りない言葉』はコーンポタージュスープで、すーっと染みこんで体を温めてくれます。5曲目『8700』はハンバーグ。みんな大好きハンバーグ! そして、ラスト6曲目「2秒後」が前菜のサラダです。ディナーはここから始まります」(小原)

確かに、疾走感のあるものからバラードやダンサブルなものまで、バラエティーに富んだ6曲が並んでいる。いろいろな角度からthe storefrontというバンドを見せていると言えるだろう。

「そうですね。けど、この6曲じゃ表現できなかったこともまだまだあるんで、次のレコーディングが楽しみですね。やりたいことはいっぱいあるけど、軸は分かりやすくキャッチーでありたいと思ってます」(江本)

「でも、僕らの曲の作り方ってわりと歌を大事にしてないんですよ。演奏陣がやりたいようにやって、そこにでも余裕で乗っかるくらいの良いメロディーや歌詞があればそれがベストだって考えなんで。歌と演奏、両方がやりきった上で成立してる状態が理想」(竹内)

そんなthe storefrontをどんなバンドにしたいと思ってるかを訊いてみた。

「本格的に活動し始めてまだ1年半くらいなんで、これからもどんどん成長していくし、変化していくと思います。僕らは普段から、あれやこれや考えてるし、話し合うし、音楽やバンドに対しては正面から100パーセントの集中力で向き合ってるんですよ。だから、そこから生まれる僕ら4人のパワーとか、そういう言葉にできないモノを、偽りなくお客さんにぶつけていけるバンドでありたいなと思います」(林)

the storefront

ザ・ストアフロント:2005年に現メンバーで結成するが、約1年の活動を経て解散。しかし、08年に同メンバーで再結成。ソリッドでエッジフルな楽曲に拍車をかける歌声と、そのクリエイティビティを裏切らない疾走感あふれるパフォーマンスが各所で話題を呼び、着実にその名を響かせている。

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