【TOTALFAT】あくまでも上に突き抜け
ていくのが“メロコア”
L→R Shun(Vo&Ba)、Bunta(Dr)、Jose(Vo&Gu)、Kuboty(Gu)
日本産メロディックパンクシーンのトップランナーTOTALFATが、ついにメジャー初アルバム『OVER DRIVE』をリリース! リスナーの心を“どポジティブ”にしてくれる最高に痛快な音楽を生み出す彼らの極意を、Shun(Vo&Ba)&Kuboty(Gu)に熱く語ってもらおう。
取材:道明利友
メジャー初アルバムの仕上がり、本人的にも手応えはかなりあるんじゃないですか?
Shun
そうですね! 今年の4月にTOTALFATは10周年を迎えて…この10年間で積み重ねてきたものを存分に昇華しながら、今の自分たちを最後の一滴まで絞れたものが作れたましたね。許された時間の中で、ギリギリまで…例えばギターのリフ、各パートのワンフレーズとか歌のひと言を、最後まで可能性をみんなで見つめ合ってできたものが今回は詰まっていて。でも、かと言って、絞りきって磨耗しちゃってる疲れきった感じは絶対出したくなくて。下に沈むか上に突き抜けるかで言ったら、やっぱり上に突き抜けていくのが“メロコア”だと思うし、そういう爽快感はTOTALFATにとっての武器でもあるので。
Kuboty
その楽しい空気感も、CDには絶対パッケージしたかったし。レコーディングの現場が楽しくないとこういう音源は作れないと思うんですよね。
メタルとかパワーポップのテイストとかいろいろな要素を取り込みつつ、あくまでも爽快な“メロコア”に仕上げるスタイルは、どんなきっかけで開眼したのですか?
Shun
メタルな要素はKubotyが加入した時点で、僕たちにとっては避けられない事故だったんで…(笑)。
Kuboty
(笑)。俺を入れた時点で、腹を括らなきゃいけないっていう。俺はもともとの育ちが、X JAPAN入りの、HALLOWEEN、MR.BIG育ち…みたいな。そういうのを聴いて練習する量がハンパじゃなかったんで、その頃の貯金が今も活きてるんです(笑)。
Shun
っていう要素も大きくありつつ、メロディーに関してだったり、ライヴでみんなで騒げる要素とかは、THE OFFSPRINGが何よりのきっかけですね。2008年に彼らのツアーをサポートさせてもらった時に、デクスター(デクスター・ホーランド/Vo)からそういう言葉をもらって。
すごいことですよね! 資料にもありますけど、“お前たちは世界で勝負できるバンドになれる。今、唯一足りないのは、一度聴いただけでキッズの頭の中をグルグルと鳴り続けるチューンだけだ”って言葉をもらえるなんて。
Shun
はい。自分たちが心から好きで尊敬している人に言われたんならやらなきゃ意味ないと思って、メンバーみんなでそれを合言葉にして前作(『FOR WHOM THE ROCK ROLLS』)を作ったらライヴも何倍も盛り上がるようになって、どんどん良い結果が出て。その時に、自分たちが信じたものは間違ってなかったなって確信を得たというか。今回も、例えばレゲエとかメタルとか遊びの要素も割りと入ってるじゃないですか。でも、俺らが演奏して俺らがメロディーを歌えばTOTALFATの曲になるって自信を持てたことで、説得力が増したのかなって気はしますね。
その中でもタイトル曲の「Overdrive」は特にメロディーが素晴らしいですけど、この曲にはどんな思いが?
Kuboty
これは、去年の8月に…前作を出して、ツアーが終わって、フェスが終わって、次のアルバムとかリリースも全然決まってない状況で、何にせかされることもなく自分の中から自然と出てきた曲ですね。メロディーはもう本当に、夏の終わりの儚さ感みたいなのがありますよね(笑)。
Shun
そのメロディーをまず聴いた時に、哀愁は漂ってるんですけど、サビでバスドラムがズンズン進んでいく感じとか鍵盤とかを聴いた時に“前に進んでいくトルク”のようなものを感じて、“Overdrive”って歌詞しか浮かばなかったんです。そこから“今の自分は何を思うか? これからどうしていきたいのか?”っていうことをメロディーに照らし合わせて書いたんです。
トルク全開の車で爆走していくみたいな(笑)。そういう勢いに、前作からの1年間で感じたことを叩き込んだような曲かもしれないですね。
Shun
そうですね。恵比寿リキッドルームでのワンマンも成功して、ファンのみんなへの感謝がその時ものすごくあったんですよ。だから、TOTALFATが前に飛んでいけるとしてもそれは自分ひとりじゃなくて。俺らはもちろん前に進むけど、みんなも絶対付いてきてくんなきゃ嫌だって気持ちを託して。
音だけじゃなくて、今の口調からも、今の皆さんの前向きな雰囲気が伝わってくる気がしました。
Shun
ここ数年はもう“どポジティブ”なんで、それに拍車をかけてる感じですね。やっぱり、僕らがやるべき音楽っていうのはTHE OFFSPRINGもそうですけど、自分たちが見てきたあくまでポジティブなロックヒーローだったり、パンクヒーローを目指したいなと思っていて。世の中にはいろんなバンドがいて、例えば自分の中の陰の部分、ダークサイドな部分を深いところに落とし込んで、作品を仕上げるアーティストもいますけど…。
Kuboty
フラストレーションのはけ口的なのとかね。
Shun
うん。そういういろんなアーティストがいろんなタイプで存在している中で、僕らがこの世の中に発信していくものっていうのは、あくまでポジティブで明るいものであるべきだって確信したんですよね。それは、もしかしたらこれからの人生の中で大きな出来事があって、どっかで変わることもあるかもしれないけど…。今のTOTALFATは、もう本当にそういう明るい気持ちでいます!
アーティスト
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