【Mrs. GREEN APPLE】『TWELVE TOUR
〜春宵一刻とモノテトラ〜』2016年
4月10日 at 赤坂BLITZ

撮影:後藤壮太郎/取材:宮本英夫

 キャパシティーの数十倍にもなるチケット購入希望が殺到した、ミセス初の全国ツアー。全14公演のツアーファイナル、赤坂BLITZのフロアーはラッシュ時の満員電車並みの人口密度で、1曲目「愛情と矛先」から、飛び跳ねる、手をあげる、歌う、叫ぶ、何でもありの大騒ぎ。バンドの気合の入り方も凄まじく、「SimPle」「キコリ時計」など、1stフルアルバム『TWELVE』から次々とパワフルなポップチューンを連発。ドラムの山中綾華とヴォーカル大森元貴がどっしり構え、キーボード藤澤涼架、ギター若井滉斗、ベース髙野清宗は縦横無尽に暴れ回る。昨年末のワンマンライヴと比べ、バンドの一体感ははるかに上だ。中盤ではアルバム未収録曲が2曲披露されたが、「春愁」は大森のエモいヴォーカルが胸に迫るロックバラードで、「うブ」は完全なダンス仕様のEDM。山中の鬼神のドラムに目が釘付けだ。曲中にユニークな祭囃子のフレーズを盛り込んだ「No.7」では、ステージに和太鼓が持ち込まれ、男衆4人が見事なバチさばきを披露する。なんて幅広く、音楽に貪欲なバンドだろう。さらにフロアーがタオル回し大会になった「リスキーゲーム」からラスト曲「パブリック」まで、全力疾走で駆け抜けて本編終了。アンコールでは洒落たアコースティックスタイルに変身した「我逢人」、藤澤が得意のフルートを聴かせる「庶幾の唄」、ダブルアンコールでは6月リリースのニューシングル、最強のポップチューン「サママ・フェスティバル!」も初披露。ステージも笑顔、フロアーも笑顔。1,500人のファンが今後のミセスの大ブレイクを確信した、熱狂充実の2時間だった。



セットリスト

  1. 愛情と矛先
  2. SimPle
  3. アンゼンパイ
  4. キコリ時計
  5. ミスカサズ
  6. HeLLo
  7. 春愁
  8. Speaking
  9. うブ
  10. No,7
  11. リスキーゲーム
  12. StaRt
  13. パブリック
  14. <ENCORE1>
  15. 我逢人
  16. 庶幾の唄
  17. <ENCORE2>
  18. サママ・フェスティバル!

Mrs. GREEN APPLE

ミセス・グリーンアップル:2013年4月結成の5人組バンド。作詞、作曲、編曲の全てをヴォーカル&ギターの大森元貴が手掛けており、15年7月にミニアルバム『Variety』でメジャーデビュー。18年4月に発表した3rdアルバム『ENSEMBLE』はオリコン初登場3位を記録。アルバムを提げてのワンマンツアーはファイナルの幕張メッセ国際展示場2デイズまで全公演即日完売。シングルと同時発売で最終公演の模様を収めたDVD&Blu-ray『ENSEMBLE TOUR 〜ソワレ・ドゥ・ラ・ブリュ〜』をリリースする。

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