【ROCK'A'TRENCH】何にも縛られずに
自由に創作する精神性
L→R オータケハヤト(Dr)、河原 真(Electric&Acoustic Ba)、豊田ヒロユキ(Gu&Cho)、山森大輔(Vo&Gu)、畠山拓也(Trombone&Key)
ROCK'A'TRENCH、最高傑作誕生! リスナーの背中を押すポジティブなメッセージと、極上リズムの融合。自身の原点である音楽をさらに磨き上げた2ndアルバムの背景を山森大輔(Vo&Gu)とオータケハヤト(Dr)が語ってくれた。
取材:道明利友
本作の“Bohemia”とは、どんな思いを込めたアルバムタイトルなのですか? まず浮かぶのは地名のボヘミアだったのですが。
山森
その地名から転じて、“何にも縛られずに自由に創作する精神性”みたいなものが意味のひとつになっているんですよね。1stアルバムが“ACTION!”で“A”から始まるタイトルだったから、じゃあ2ndアルバムは“B”が良いってところから最初は響きで“Bohemia”が浮かんだんですけど、確か何か意味があると思って辞書を引いたらそういう意味があって、これはもう僕らの2ndアルバムのためにあるものじゃないかということで、みんなにプレゼンしたんです。
オータケ
それを聞いた時は、“これだ!”ってきましたね! まず、カタカナにした時の“ボヘミア”の“ボヘ”っていう2文字だけで単語としてパンチがあって、誰でも頭に残りやすいし(笑)。あと、ポップだし、カジュアルだし、パンチがありつつ意味もあるっていうのも良いなと思うし。
ポップで、カジュアルで、パンチがあって…この作品にある、いろんな意味と重なる、まさに自由なイメージが面白いですね。
オータケ
そうそう。直球なラブソングがあって、こっちにラテンっぽいリズムもあって、ギター一本でも演れるようなポップな曲もあって…あと、人の背中を押すようなポジティブなものを発信していくっていう。僕らがもともとキーワードとしている強いメッセージも含めて、いろんなアレンジがひとつにまとまっているこのアルバムの全てが、タイトルが決まって曲を並べて聴いてみた時に“Bohemia”の意味とつながったというか。
山森
一曲一曲で生み出されたアイデアを最高にブラッシュアップして、良いかたちにして世の中に出したいっていう作業をひとつひとつやっていった結果、そうなったというか。ジャンルに縛られないでやっていきたいっていうのはバントのテーマではあったんですけど、今回はよりいっそう曲を磨くっていう作業に向かっていったことで、方向としてそういうバンドしての原点が強調される結果につながったのかもしれないですね。
その自由な楽曲たちが、「Are Ya Ready」で幕を開ける流れも良かったです! この勢いは、“1曲目はこれしかないでしょ!”っていう感じで作った曲なのかなと想像したくらいで。
山森
そういうふうに言ってくださる方が多いんですけど…ただただアッパーな曲にしたかったっていうのはあったんですけど、実は1曲目にっていうのはあまり考えてなくて(笑)。録っている最中に“これ1曲目じゃねぇ!?”ってみんながなってきて、実際にそうしてみたらすごく良かったなと。
オータケ
曲が13曲そろって並べていくと、そういうものがなんか見えてきたという。例えば、シングルとして出した「Music is my Soul」「日々のぬくもりだけで」「言葉をきいて」からのROCK’A’TRENCHの“歌もの”の消化の仕方っていうのが、月日が経つごとにある意味まとまってきたような感じがしたんですよね。そのニュアンスは大事にしつつ、新しい曲をポンポン仕上げていく中で、この「Are Ya Ready」はスピーディーで、かつ、“(拳を上げて)オイ! オイ! オイ!”みたいなアブラくさいノリじゃなく(笑)。そういう精神はありつつも、結構クールな感じできたから、1曲目から曲の並びは締まりが良いというか。それでいてバンドサウンドも提示できてますしね。
そうですね。一体感をすごく感じる音だと思います。
山森
そう。そこがこの曲の一番良いところで。プレイヤーの息づかいを感じるようなテイクが、もう本当に“せーの!”でメンバー全員で録れたんで。
一体感のあるバンドサウンドで独特のリズム感を鳴らす、みたいな。ロックにレゲエやロックステディ的なテイストとか、いろいろなものを融合して独特なリズム感を生み出しているなっていう印象はこれまでの作品同様、今回のアルバムを聴いてもやっぱりあったんです。そういう部分がバンドの肝になっているなっていう意識は、皆さん自身の中にもあったりしますか?
オータケ
うん、ありますね。僕は最初フォークギターから始まって、なぜドラムっていう楽器までいったかって、そういうことを研究したからなんですね。いわゆる裏拍っていうのはすごく大事で、全世界の人が乗るビートとテンポは研究すれば必ずあるっていう。言葉にするとちょっとカッコ悪いですけど、自分の中にはどっかで必ずそれがあるんですよね。で、そういうビートとテンポはラテンとかでは“賑やかし系”な消化のされ方をしているけど、それを“歌もの”でコード感をちょっとクールにしてみると、例えば「everybody clap」みたいな感じになったりするのも面白いなと思って。で、7thシングルの「ビューティフルサン」で初めてラテンとグランジロックを混ぜたような感じをやってみたりもしたんですけど、その時も裏拍の“カッ、カッ、カッ!”っていうリズムで、人を乗せるビートっていうのが絶対にあるなと思ったんですよね。そういうことを、僕は全曲ドラムを叩きながら意識してるというか。
“レゲエとかジャマイカの音楽とロックを融合させたバンドで、メジャーで、ポップスでやっている人はあんまりいないと思っている”っていうのは、前回の取材で山森くんも言っていました。それがROCK’A’TRENCHの他にはない武器のひとつですよね。
オータケ
そうですね。今回の「Yeah Yeah Yeah」みたいな曲をやる時も、僕が意識するのはハネてるビートというか、黒人音楽のようなむっちりした聴こえ方になるような感覚だったり。だから、例えば普通のエイトビートとか、打ち込みのビートとか、80年代に流行った日本独特のビートロックっていうジャンルとか…僕らが鳴らすエイトビートは、そういうものとは全然違う感覚のビートなんじゃないかなって気はします。
アーティスト
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