【イツエ】聴く側も歌う側も人間だし
、やはり生身の部分を出していきたい
L→R 馬場義也(Ba)、吉田大祐(Dr)、瑞葵(Vo)、久慈 陽一朗(Gu)
取材:ジャガー
力強く存在するのに儚げで脆さを感じる歌声。そして、抑揚を付けながら絶妙に絡み合う楽器隊が美しい旋律を生み出す。ミニアルバム『いくつもの絵』は聴く度にその世界観に吸い込まれる作品だ。
「私たちの根底にある綺麗なもの、ぐちゃぐちゃしたもの、本来混ぜ合わせちゃいけない感情、どこか冷めた部分…そういった個人個人の中に潜む“らしさ”が、うまく額縁に収まったように思います。イツエが今の時点でできるもの全てがここには詰まっています。歌詞も言葉の美しさと、残酷さと、生々しさがあり、聴き手をドキッとさせられたら勝ちだと思っているので、人間臭い部分や、曝け出すのは恥ずかしいと思うようなところもあえて強く、強く歌いました。聴く側も歌う側も人間だし、やはり生身の部分を出していきたい。“自分は人間だ”と言い聞かせ、歌っています」(瑞葵)
メンバーそれぞれに本作への思い入れも強く、楽曲ごとにさまざまなドラマがあったようだ。
「もともと『ラブレターフロム』は瑞葵と久慈が弾き語りで持ってきた曲ですが、聴いた時に自分の中でどんどん深く潜っていくような感覚になったので、曲の深さと広さを追求した結果、曲の時間から構成、全てにおいて大きく変化しました」(馬場)
「『ラブレターフロム』『生活』は、大枠がまとまったあとにもう一度再構築したので印象深いですが、どの曲もメロディーと感情を大事にしていますし、それぞれに瑞葵の儚さを感じました。個人としては、より自然体でギターを弾きましたね」(久慈)
「震災以降にできた『侵緑』は、各々があの日のことをいろんなかたちで表現しているので、音に託したメンバーの想いを汲み取ってほしいです。また、作品全体と通じて“小説“というキーワードもあったので、1曲目『目次』ではページがめくられる音を入れたりして雰囲気作りを大切にしました」(吉田)
最後に、イツエ×ライヴハウス共同企画『ヘルツはそのままで』への意気込みを尋ねた。
「3月から行なったツアーのまま、ノンストップで駆け抜ける印象があります。全力でそこまで突っ走って、その2日間を何かの節目にしたいと思っています。きっと今考えても明確にはできませんが、何かが変わる気がします。だから、こっちとしてもドキドキで楽しみです」(馬場)
「この2日間は違ったイツエが観せられると思います。お楽しみに!」(吉田)
「エネルギーがあふれている空間にしたいです」(久慈)
「良い意味で、とんでもないことになりそうで…すごくワクワクしてます」(瑞葵)
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