【current of air】これからも人間ら
しい歌、
そのままの生きてる音を発信していき
たい

L→R 魚野昌平(Ba&Cho)、杉山玲奈(Vo&Gu)、尾藤隆宏(Dr&Cho)、竹内 誠(Gu&Cho)


取材:土内 昇

気流をイメージした浮遊感のある歌モノ。“current of air”は日本訳で“気流”という意味なのですが、気流にも上昇気流、下降気流、乱気流…さまざまな種類があって、どこか人の感情と似ていると感じているので、このようなコンセプトで楽曲を制作しております。私の中の喩えとして、皆様に説明する時は“踊れる空間系ポップ”と言っています。

…と、バンドの音楽性について語ってくれた杉山玲奈(Vo&Gu)。そんな彼らの1stミニアルバム『Synchronicity』は、基本的にはポップで歌モノなのだが、80年代のニューウェイブの匂いのあるサウンドだったり、各パートのフレーズにフックがあって躍動的なところが印象的だった。

曲のアレンジ、音にこだわっています。各楽器は“その楽器+その楽器に聴こえない音”とか…例えば、ベースにはシンセのような音を加えたり、ギターのフレーズはギターっぽくないソロを作るなど。あと、細かいところで80年代の要素はさりげなく入れています。凝ったアレンジ、音にも注目してほしいですね。

同作が完成した時に“Synchronicity(意味のある偶然の一致)は存在するのだと改めて強く感じた”とも話してくれた彼女。自身の思い入れの強い曲、印象深い曲についても語ってもらった。

思い入れの深い曲は4曲目の『五月』ですね。北海道では桜の時期が5月なのですけど、昔の人と現代の自分の恋愛感をリンクさせて歌ってます。歌うとなぜか五稜郭が浮かぶんです(笑)。印象的な曲は2曲目の『バタフライフィッシュ』ですね。歌詞にも出てくるんですが、言葉の意味以上に伝えたい不確かな感情みたいなものがあって、その未知なものを天の邪鬼に書いてます。気付いてもらえると嬉しいですね。アルバムには聴いてくださる方の過去、現在、未来とシンクロできる要素がたくさん詰まっていると思うので、それぞれの曲を違う感覚で楽しんでいただければと思います。

最後に、current of airをどういうバンドにし、どんな歌を発信していきたいかを尋ねてみた。

このバンドでできることってまだまだ無限ですね。やりたいことだらけです。いろいろなジャンルの音を消化しているので、もっと違う要素も今後は出していきたいです。かたちにとらわれず常に変化をしていき、これからも変わらず人間らしい歌、そのままの生きてる音を発信していきたいですね。そんなcurrent of airを通して、もっとさまざまな音楽ジャンルを聴いてほしいです。

Current Of Air

カレント・オブ・エアー:2008年結成。09年に現在のメンバーとなる。“current of air=気流”、気流は人の感情と似ているというコンセプトで楽曲制作に取り組む。透明感のあるヴォーカルとソウルやファンクなどのルーツミュージックを昇華させたエレポップかつギターロックサウンドは、気流のようにさまざまな変化を見せながら第六感を刺激する音を伝える。

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