【BULL ZEICHEN 88】カッコ良いだけ
じゃなく、
面白いことをやりたい

L→R IKUO(Ba)、栄二郎(Vo)、SEBASTIAN(Gu)、淳士(Dr)

8作目となる音源は、待望の1stアルバム! これまでの7枚のシングルのリード曲も収録し、集大成的な意味合いも持つ作品であり、そこからはBULL ZEICHEN 88というバンドの本質も見えてくる。
取材:石田博嗣

10曲中7曲がシングルということもあるんでしょうけど、凄まじいエネルギーを持ったアルバムですね。

IKUO

ありがとうございます(笑)。曲間も考えて間髪入れずに入れている曲もあって、ひとつの流れも作っているし…まぁ、曲順は過去の曲は順番に並べているだけなんですけどね。で、頭と真ん中と最後に新曲を入れたという。

活動6年目にして初めてのアルバムですよね。

IKUO

そうなんですよ。これまでにシングルを7枚出してきて、“BULL ZEICHEN 88”ということもあって、8枚目の音源はいつもと違うことがやりたいと。で、ずっとシングルだったから、単純にアルバムがいいかなと。7枚のシングルをインクルーズするということでベスト的な意味もあって、音の変遷とかも分かるし、新しい音源っていうよりも集大成に近いですね。なので、タイトルも“アルバム”と(笑)。

栄二郎

8月8日に出るし、メモリアル的な意味もあるというかね(笑)。最近知ってくれた子もいるので、そういう子たちは7曲で過去を知ってもらいつつ、ずっと応援してくれていたファン…“チームブルハチ”って呼んでいるんですけど、チームブルハチたちには新しい3曲を提示してって。

新曲3曲はアルバムのバランスなどを考えて作ったのですか?

IKUO

何も考えてないです(笑)。でも、リード曲ということで、1曲目の「モンスター ~3/4 No good job night one show~」に関しては、7枚のシングルの表題曲の流れを意識した上で、派手なものをやりたかったというか、今後のブルハチにつながっていくようなものになればいいなってのは考えましたね。

とはいえ、コアな面があって、エレクロの要素も入っていて、それでいてポップというのはブルハチらしいと思いました。

IKUO

そこは昔から変わらないですね。そこをより突き詰めていく…どんな方法論で突き詰めるのかを毎回考えたりするんですけど、その時に僕が好きで聴いているものの影響が出ますね。自分にとって旬なものというか。そういう衝撃を受けないと曲ができないんですよ。

そこでできたものをベースに、ひと筋縄ではいかない展開が加わるわけですね(笑)。

IKUO

勝手にそういう期待をされていると思ってますからね(笑)。

栄二郎

僕らの中でも、この曲は“クリスチャンメタル”って言ってました(笑)。

IKUO

80年代や90年代のメタルや産業ロックが好きな人がニヤリとするような要素を入れていたりするんですよ。そういうのを入れるのが楽しくて(笑)。演奏は難しいんですけど、楽しく作ってます。

そんな曲もあれば、中盤の新曲「アライブ」はエレクトロの要素が強いダンサブルなナンバーという。

IKUO

栄二郎が作詞作曲したものを僕がダンサブルなアレンジにしたという感じですね。

栄二郎

4つ打ちの曲を作りたかったんですよ。ライヴを想定して、みんなが歌いながら踊れるっていうものを。で、歌モノがいいなって。この曲に関してはスクリームはAメロぐらいで、今まで出したことのない高いキーで歌ったりしてます。あと、7枚のシングルの中で使ってきた言葉をふんだんに使ってるんで、“これ、あの曲で使ってた!”ってなると思います。

そして、アルバムの最後を締める新曲が全編英詞の「Eden」。

栄二郎

ギターのSEBASTIANの作詞作曲で、7枚目のシングル「カモン!!~メガトン未来~」のカップリング曲「Garden」のアナザーソングになるんですよ。もともとは「Garden」と「Eden」で1曲だったんです。

IKUO

「Eden」はAメロ、サビってなっているんですけど、突然SEBASTIANが“サビをなくそう!”ってAメロだけにしてしまったんですよ。それが「Garden」っていう曲になって、今回の「Eden」で完結する二部作にしたんです。だから、歌詞の内容も“エデンの園”っていうストーリーになっているという。聴くとメロディーが一緒なんですけど、テンポが違う…「Garden」はカオスですね(笑)。震災直後っていうこともあったし、世の中的な悲しさみたいなところがあったんですけど、そこから前に進んで「Eden」は明るい曲になってるので、そういう流れで聴いてもらえればとも思いますね。

栄二郎

歌詞も最初は日本語で書いてくれって言われたんですよ。でも、日本語って言い切ってしまうじゃないですか。英語だといろんな意味にとれるから、この曲は全編英詞で完結したほうがいいんじゃないかって言って、結局SEBASTIANが英語で書いたんですけど、結果的にメッセージ性のあるものになったっというか。聴いた人が各々の思いで考えられる曲になったと思います。

これはアルバムを聴いて思ったことなのですが、カテゴリーが違うかもしれないけど、ブルハチの曲ってボカロ曲に近いものがあるなと。メタル要素が強くて、展開も激しいんだけど、絶対的にポップだという。

IKUO

そうなんですよね。きっと見ているところが同じなんでしょうね。僕らは昔から変わってないんで、時代がブルハチに近付いたのかなって(笑)。僕も思っているところがあって…これだけヘヴィなものにここまでキャッチーなメロディーを乗せた人はいないだろうし、ここまでポップにしながらも洋楽的ではないっていうか…それを飛び越えてJ-POPになってる。だから、僕らのことを洋楽っぽいスクリームバンドだと見ている人ってあんまりいないと思うんです。そこが僕の狙いだったりするんですよ。カッコ良いだけじゃなく、面白いことをやりたいんで、そういう意味でも他にないバンドだと思います。僕らにはディレクターもいなければ、事務所もないので、“それ、面白そうだね”ってだけで話が通ってしまう。今までの6年間楽しくやれたのは、そういう縛りがなくて、好きなことがやれたからなんだろうなって思いますね。

夏には本アルバムを引っ提げたツアーが控えていますが、どんなライヴになりそうですか?

IKUO

新曲3曲はもちろんですけど、アルバムに入ってる曲はやりましょうかと。なので、ベスト的な意味合いもありつつ、いつも通りの激しいライヴになる…そんなに構えてもないですけどね。ただ、曲が難しくて(笑)。

栄二郎

自分たちでコピーしないといけないので(笑)。

IKUO

まぁ、お客さんは楽しく騒いでいただければと。僕らは必死で演奏してますけど(笑)。

BULL ZEICHEN 88

ブルゼッケンハチハチ:元SIAM SHADEのドラマーで現在はAcid Black CherryやSound Horizon等のサポートで著名なドラマーの淳士と、近年人気急上昇のロックバンドRayflowerのメンバーであり、T.M.RevolutionやTETSUYA等のサポートで有名、かつ、さまざまなジャンルのミュージシャンから絶大なリスペクトを受けるベーシストIKUOが中心となって結成。テクニカルなプレイとヘヴィかつキャッチ―なメロディーが特徴的な楽曲はロックユーザー全般にも定評があり、ビジュアルロックを感じさせながらも、スクリーモを混在させたサウンドが唯一のジャンル“ビジュリーモ”を確立させている。

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