【pegmap】なんか面白いから続いてい
く、
そんな関係性でありたい

L→R kawamura yuji(Dr)、yamamoto akihito(Vo&Gu)、tomita shunsuke(Ba)


取材:石田博嗣

pegmapは2003年に活動開始。どんなバンドをやりたいと思って結成されたのだろうか?

「もともと友達同士から始まったバンドですし、音楽的なコンセプトはまったくなかったです。自分たちがカッコ良いと思える曲なら何でも良かったと思います。そこから聴いてもらう人のことをもっと考えて、より分かりやすくしていこうとシフトチェンジしていきました。今はまた最初の頃の感じに戻ってきているように思います」(kawamura)

そして、メンバーチェンジを経て、5年振りアルバム『see you,again』を発表したpegmap。このメンバーチェンジがバンドにとって大きな転換期だったようだ。

「あの脱退がなかったら多分今は解散していると思うので、あそこで心が折れて良かったと思っています。売れよう売れようとして音楽をやっていこうとしていたので、そこでメンバー間…主に僕なんですが、僕が熱くというか、暴走しすぎていたので、あそこで脱退があったことによって目が覚めて、“このメンバーでバンドやってられればいいや”って。“売れようとして仲悪くなるくらいなら金とかいいや”って。そういうもともとのスタンスに戻って来れた分岐点でした」(yamamoto)

バンドの状態が改善されて制作に挑んだ本作。どんな作品を構想していたのかを尋ねてみた。

「どんなアルバムにしようとか考えて作れるほど頭は良くないので、そういうのはないんですが、ほぼ僕がひとりで全曲の全パートを考えたので、個人的には音楽的に面白い楽曲アレンジがされてる曲が入ったアルバムになってると思います。このアルバムのせいで喧嘩しまくって、このアルバムのおかげで仲良くなれて、このアルバムのおかげで音楽的に成長できて、今までそんなこと正直なかったんで、思い出深い一枚になると思いますね」(yamamoto)

現在、渾身のアルバム『see you,again』を引っ提げたツアーを展開している彼ら。このpegmapをどんなバンドにしたいと思っているのかを語ってもらった。

「メンバーのふたりが気持ち良くやってくれてれば、別に僕は何でもいいです。ビッグなバンドにしたいとか、給料がもらえるバンドになりたいとかもないですね。僕らの単なる個人的感情で、集まりたいうちは集まってやってるのがpegmapですから。“こんなバンドにしたい”って思わなくても、スタジオに集まって、音出して、なんか面白いから続いていく、そんな関係性でありたいです」(yamamoto)

pegmap

ペグマップ:2003年、下北沢、新宿、渋谷を中心にライヴ活動を開始。そして、“軟弱なギターロックに終止符を”のふれこみで06年にアルバム『HAVE A NICE DAY』を発表。そのアクの強い独創的で廃屈的な歌の世界観、さらに他には類を見ない存在感を放ち、一般リスナーだけでなく業界内からも高い評価を得る。

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