【KG】欲をありのままに出せた
遠距離恋愛で揺れ動くお互いの心境をリアルに歌い上げたシングル、そしてこれまで以上に大きな意味での愛を歌ったアルバムを完成させたKG。彼に根付く音楽性を凝縮したこれらの作品について話を訊いた。
取材:ジャガー
意外にもこれが1stシングルという「どんなに離れても duet with AZU」は、遠距離恋愛をテーマにお互いを想いやる恋人たちの気持ちを見事に表現されていますよね。一緒にいれないことは悲しいけど、その分募る相手への想いがおふたりの掛け合いで伝わってきました。
《『大丈夫』と電話の向こう 本当はただの強がりだけど》って始めと終わりに入れてるのは、まさに思いやりですね。最初は距離的な遠距離がテーマだったんですけど、心がすれ違うのも遠距離と捉えたんです。好きだからこそ、不安になることってあるじゃないですか。不安でぶつかることもあるんだけど、やっぱりそれは愛情から来てることだから想いは膨らむんですよね。疾走感を出して、テンポ良くAZUちゃんと掛け合うことで、すごく良いところが出たんじゃないかな。
そんなシングルに始まり、後に続くフルアルバムもノリが良いですよね。
前作にはなかったノリの良い曲、4つ打ちの曲に加えて、昔から一番自分を表現できると思ってるバラード…とにかく表現したかったことを全部詰め込んだので、全体的に明るさが増したのかもしれません。あと、昔から付き合いのあるアーティスト仲間と曲を作っていけたのもあって、“笑顔になれる曲を作りたい”とか“KGのルーツを出したい”って欲をありのままに出せたのも大きいですね。ただ、自分の中から新たなものが出て来たわけではなくて、自分的に開放できなかった部分をこのアルバムでやっと開放できたっていう。
「No,No,No」の大人な世界観がKGさんに上手くハマっているなと思いました。
“下品じゃないセクシーさ”。思い切りセクシーなことを言ってるんだけど、それが汚くないアーティストでいたいとずっと思ってて。だから、これは絶対に入れたかったんですよ。
作曲者であるSHIKATAさんはヴォーカリストということもあり、細かなニュアンスまで上品に練られていますよね。
俺のルーツを出してくれたことへの感謝で、イントロで“with SKT”ってSHIKATAの略称を思わず言っちゃいました。シカッチ(SHIKATA)とは5~6年の付き合いになるんですけど、アンダーグラウンドで活動してた時の『Baby』ってニュージャックスウィングのリズムの曲があるんですけど、そのイメージが強かったみたいで。みんなにもあのKGを知ってもらいたいっていうので『No,No,No』が生まれたんです。
ルーツと言えば、Soweluさんとの「Where is the love」(ロバータ・フラック/ダニー・ハサウェイ)のカバーもそうではないですか?
そうですね。今回カバーを入れるにあたり、誰もが聴いたことがあるかっていうのは気にせず、俺のルーツを出したかった。Soweluは真っ直ぐでとても熱い女性なんで、レコーディング自体も温度高めでした。おかげで曲自体はシンプルですけど、印象強い歌になったと思います。しかも、お互いの声が1本ずつしかないんですよ。声をダブらせることもコーラスを入れるこもなくて、1対1の勝負というか…ガチンコでした(笑)
原曲もそうだから、ここから掘り下げて聴いてみるのも面白いでしょうね。
ぜひ、そうしてほしいんですよ。自分もヒップホップから掘り下げて、ソウルミュージックに辿り着いたので。
今はジャンルが細分化され過ぎていますが、もとを辿れば音楽というひとつのものであって。
受け身な文化になってるし、なかなか自分から掘り下げて音楽に触れることに慣れてないだろうけど、できればそういうふうに聴いてもらうと嬉しいですね。
曲への理解も深まりますしね。今作の「You’ll be alright」「そのままで良いから」は誰かのためにというよりは、KGさんが自身へ向けて歌われているような感じがしました。
確かに、モヤモヤを抱えた人が楽になってくれたらいいなって思いつつ、自分に対して歌ってることもすごく多いですね。特に『そのままで良いから』は、俺自信、思春期の時は自分のことが嫌いだったんで、その経験をもとに好きにならなくてもいいからせめて受け入れてあげてよって。それだけで前に進めるし、周りにも優しくできるんじゃないかと。
受け入れることも大切な愛情表現だと思います。「きっと、ずっと duet with MAY’S」はウェディングを意識させる幸福感に満ちた曲で、MAY’SさんとKGさんならではの温もりを感じることができました。
MAY’Sとの最初からあったコンセプトが幸せな曲っていうこと。切ない歌が多い中で、“MAY’SとKGが一緒だとハッピーな歌になる”っていうのが大前提なんです。けど…それは受け取る側の自由だと思ってるから、特にウェディングを意識したってことは言ってなかったんですけど、今ウェディングって言葉が出た時にびっくりしました。
(笑)。BU-NIさんとの楽曲は、より自然体のKGさんが出たのではないかなと思うのですが。
彼とは今度草野球チームも始めます(笑)。そのぐらい深い絆なので、『By your side』を作った時なんかは“4つ打ちのR&Bがやりたい”ってイメージを伝えて、そういうメロディーをBU-NIが弾きつつ、俺がちょっとずつメロディーを変えていったので、ふたりが持つ良い部分を合わせたことでさらに膨れ上がった感じがしますね。やっぱり音楽って人と人とのやりとりから生まれるものだから、歌うのも曲を作るのも同じなんですよね。
最後を締め括る「Song of love duet with 中嶋ユキノ」は、これまでにないデュエットソングに仕上がりましたね。
“デュエット=恋愛”という固定観念にとらわれないで、もっと人間愛というか、大きいものを歌いたいなっていうのをユキノちゃんと話をしてる時にどんどん膨れ上がって歌うことができた曲ですね。これまで一緒にデュエットやってくれた人たちのおかげで成長できた自分のデュエットの集大成です。
アーティスト
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