【宮野真守】支えてくれた人たちとこ
れからも歩んでいきたい。この5年間
の想いが結実!

今年デビュー5周年を迎え、10月には初の日本武道館公演が決定している宮野真守が、ニューシングル「カノン」をリリース。支えてくれる人たちへの感謝をテーマにした、卒業シーズンにもぴったりの一枚になった。
取材:榑林史章

新曲「カノン」は、アニメ『うたのプリンスさまっ♪ マジLOVE 2000%』の主題歌ですね。

『うた☆プリ』とは長くお付き合いさせてもらっていて、ゲームの時から主題歌を歌わせていただいています。一昨年のアニメ1期の主題歌「オルフェ」とは違ったかたちで、『うた☆プリ』に相応しくてカッコ良いロックのテイストが出せればと思って。楽曲を制作してくださったElements Gardenの上松範康さんとしっかりやりとりさせていただく過程で、僕のほうからも少しアイデアを出させていただきました。

上松さんとは、具体的にどういうお話をしたのですか?

まず、今回は熱く激しいロックでいきたいという想いが僕の中にあって。『うた☆プリ』の主題歌ということもそうですが、聴いてくださるお客さんとの想いの重ね合いもテーマにしたいというお話をしました。『うた☆プリ』は男性アイドルたちのお話で、彼らがファンやスタッフに支えてもらいながら成長していく物語なのですが…僕自身、ライヴ活動をやらせていただいている中で、僕のパフォーマンスをお客さんが受け取ってくださって、またお客さんが自分たちの想いを僕に返してくださる。そういう想いの重ね合いを今回のシングルでは込めたいと、上松さんに伝えたところ“カノン=追走曲”というテーマを打ち出してくださって。

カノンはひとつのメロディーをもうひとつのメロディーが追いかけるという音楽の形式ですね。

今回で9枚目のシングルになりますが、毎回お客さんの支えをすごく感じているんです。これからもどんどん面白いものを作って積極的に活動していきたいし、一緒に楽しみながらいけたらいいなという気持ちがあって、それを表すには「カノン」がぴったりだなと。《さあ、行こうか》というフレーズは僕から提案させていただいたワードで、僕だけじゃなくみんなとともに行くんだ!という気持ちを込めています。

2曲目の「THANK YOU」はR&Bのミディアムナンバーで。こちらはストレートに感謝の気持ちを込めていますね。

この「THANK YOU」は以前から温めていた曲ですが、今回は「カノン」も含めてしっかりと感謝の気持ちを伝えるシングルにしたいと思ったので、歌詞を新たに書いていただいて完成させました。照れ臭くてなかなか言えない、仲の良い友達に対するありがとうの気持ちを歌っていますが、友達だけではなく、家族や大切な人…など、聴いていただいたみなさんの中で、それぞれにありがとうの気持ちをを感じていただければ嬉しいですし、優しい歌になればいいなと思いました。

そして、3曲目は日本武道館公演の開催を発表したツ アー『MAMORU MIYANO LIVE TOUR 2012 -13~BEGINNING!~』のファイナルでも歌っていた「FOREVER LULLABY」。

これはラブバラードです。甘く優しい曲が歌いたくて、marhyさんに作っていただきました。marhyさんは3rdアルバム『FANTASISTA』収録の「エベバデダッゴナカッピョヘーン」を作っていただいた方ですが、実はお付き合いは長く、デビュー前にキャラクターソングでご一緒させていただいたこともあって。marhyさんの作る優しいラブソングの世界観が好きで、いつかそういう曲を作ってほしいと思っていたんです。

すごく優しいムードの曲ですね。

marhyさんからは、歌詞はがっつり男らしい世界観を構築できる方にお願いしたほうがいいんじゃないか?というご提案もいただいたのですが、僕はどうしてもmarhyさんの描く世界観を歌いたくて。この曲の世界観には、女性ならではの繊細さとか優しさがぴったりだと思って、大切な人を愛おしく感じている、本当に甘い甘いラブソングに仕上げていただきました。

先ほど、“今回のシングルでは感謝の気持ちを表したい”とおっしゃっていましたが、それは今年デビュー5 周年でもあるし?

そうですね。それに6月8日と9日に初のバースデーライヴも開催しますし、10月4日には初の日本武道館公演もあったりと、今年はいろいろな面でアニバーサリーな年になるので、しっかり想いを伝えられればと思いました。

武道館は、いつかやりたいという気持ちはあったのですか?

まだまだ恐れ多いし、デビューして5年しか経ってないし…と若輩者だと思っているのですが、この5年間の活動の中で武道館に対する気持ちが育っていたんだなって、ステージで口にした時、初めて自分自身気付かされたところがあって。まだ少ないながらもライヴ活動を重ねてきた中で、心の奥底で温めていたんだなと。支えてきてくださったファンのみなさんの前で“武道館をやります。ついてきてください”と言った瞬間、自分の中でグッと込み上げてくるものがあって、さまざまな想いが重なり胸がとても苦しくなりました。

やはりアーティストにとって武道館は特別な場所ですからね。

役者や歌など、全てにおいて全力でぶつかってきましたが、その中でアーティストという存在に対する想いもしっかり育ててこられたんだなと感じています。

これまで一曲一曲に対し誠実に向き合ってきたからこそですね。その頑張りへのご褒美とも言える。

ご褒美にしてはプレッシャーもありますが(笑)。とんでもなく高いハードルですが、しっかり飛び越えて、素敵なライヴにしたいです。

「カノン」

  • 「カノン」
    KICM-1439
    2013.04.10
    1000円

宮野真守

ミヤノマモル:『DEATH NOTE』『機動戦士ガンダム00』『ポケットモンスター ベストウイッシュ』『うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVE』シリーズ『ちはやふる』などのアニメ作品に加えて、『ファンタスティックビーストと魔法使いの旅』などの吹き替えにも出演する人気声優。2008年よりアーティスト活動をスタート。声優、俳優の現場で培った豊かな表現力と類い稀な歌声、そしてダンスを駆使した高いライヴパフォーマンス力を武器に、独自のエンターテインメントを追求し続け、日本武道館やさいたまスーパーアリーナでの単独公演も成功させている。

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