【SPYAIR】これからもロックし続ける
! しおらしくなんかしてられない!
L→R KENTA(Dr)、MOMIKEN(Ba)、IKE(Vo)、UZ(Gu&Programming)
昨年12月30日にヴォーカルIKEの喉の不調による活動休止から約7カ月振りとなる復活ワンマンライヴを開催したSPYAIRが、約11カ月振りのシングル「ROCKIN' OUT」をリリース。彼らの今と明日を込めた楽曲になった。
取材:榑林史章
「ROCKIN' OUT」はシンプルでグイグイいくような勢いがあって、4人の意志が感じられる曲だと思いました。変にしおらしくなってなくて良かったです。
KENTA
復活にあたっては、絶対派手にいこう!って、みんなで話してたことなので。
UZ
どうせなら、ドカンとロックを鳴らしていくんだ!って。1回止まったことで見えたものがたくさんありましたし。バリバリ現場でやっていた時よりも、すごく客観的に自分たちを見ることができたんです。だからこそ、こういうロックで再出発というのが一番似合うだろうって。
IKE
この曲はドカンと引っ張っていくみたいな、押しの強さがあるじゃないですか。やっぱりそういうのが俺らに対するイメージだと思うし、そこは意見が一致していました。
プレイボタンを押すと、ガラスの割れる音とバイクのエンジン音で始まるわけですが、そういうヤンチャ感もSPYAIRの魅力だなって再確認しました。
IKE
まぁ、ヤンチャです(笑)。
UZ
いきなりイントロで始まるよりも、これから来るぞ感っていうか、じらされてじらされて、さぁ来た!っていう高揚感が表現できたらと思ったので。
歌詞は自分たちを客観的に見ながら、世の中をちゃかして、バカなことをやってやろうっていう爽快感があるという。
MOMIKEN
まさに今の自分たちを体現した、再出発に相応しいものになったと思います。思い返すと、デビューの頃はこういう力強いメッセージをたくさん書いていたんですけど、アルバム3枚を経て、今なら当時とは違った表現で、もっと上手く書けるんじゃないかって。きっと歌詞のように《自由だ 俺はバカだ あんたたちはどうだい?》と問われたら、“いや、俺だってバカやってやるよ!”ってついて行きたくなると思うんです。そういう力強い言葉のほうがIKEの声には合うし、歌ってる姿が想像できたし。IKEの声や歌い方も意識した上で言葉を選んで書きました。
IKE
この歌詞は衝動が上手く閉じ込められていると思いますね。刺激的な言葉で焚き付けて、聴き手の何かを爆発させる感じとか。ロックならではの気持ち良さがあるかと。単純に、ずっと歌っていきたい曲だって思いますね。
途中でファンクになる展開もありますが、これはサウンドプロデューサーである大島こうすけさんの影響ですか?
UZ
大島さんの存在はデカいです。セルフプロデュースはアルバム『MILLION』でやり切った感があったので、今後はプロデューサーを迎えて、いろいろなことに挑戦したいと思って。
KENTA
これはMOMIKENも感じたと思うけど、自分では思い付かないようなフレーズを大島さんがたくさん提示してくれたんです。だから、苦戦することもあったけど、自分からやりたい!っていう気持ちにすごくなりましたね。
MOMIKEN
“やれるか?”って挑戦状を叩き付けられているみたいだったし、自分になかったフレーズを完璧にやることで得るものが大きかったですね。
歌に関しては?
IKE
ヴォーカルでも跳ねてリズムを伝えないと曲が失速してしまうんです。上手く言葉がはまっても、リズミカルに感じられないとお客さんも踊りづらい。そういうところは気を付けました。前よりレベルが一段階上がった感じです。
カップリングには、昨年12月30日にZepp DiverCity Tokyoで開催した復活ライヴから、ベストアルバム『BEST』の1曲目である新曲「GLORY」のライヴ音源を収録しているわけですが、あの時はどんな気持ちでしたか?
UZ
すごくグッときて…。確かにメロディーには憂いがあるけど、バラードってわけではなくてパンクナンバーだし、ただ盛り上がって“あ〜、気持ち良い〜”って感じになるかと思っていたから、自分でも意外な気持ちでした。これが、この曲の持つ力なのかなって思いましたね。
IKE
俺はとにかく緊張しました。アンコールの1曲目だったし、休止期間を象徴する曲でもあったし。何より、久しぶりの新曲だったからちゃんと歌えるかな?って(笑)。でも、俺もまさか「GLORY」がこういうかたちではまるとは思ってませんでした。そこまでは、とにかくライヴをやり切るということだけに精一杯だったけど、「GLORY」の時、初めて冷静と情熱の間の気持ちになれたというか、そういうゾーンに入ったみたいな感覚になったんです。こういう不思議な瞬間がたまにあって…だから、あのライヴからどこを切り取るかと言ったら、絶対ここだろうと。
KENTA
お客さんがみんな温かく迎えてくれたことが本当に嬉しかったですね。きっと、そういう空気だったからこそ、「GLORY」でグッときたんだと思うし。この曲を聴くと、あの期間を経て、戻って来られて良かったな〜って気持ちが、毎回蘇るんです。そういう記憶を呼び覚ましてくれる力がある曲だと思います。あと、やっぱりどうしても“復活ライヴ”と言うとお客さんも緊張する部分があっただろうし、重い空気になりがちだったと思うんです。
MOMIKEN
でも、AMEMIYAさんのオープニングアクトがあったからね。お客さんの気持ちもほぐれたと思います。
UZ
俺らも最初は緊張したけど、“やったれ!”という気持ちにもなったし、“ありがとう”という気持ちにもなったし。同時に、もっと良いプレイをしたい!という気持ちにもなりましたね。
IKE
俺らの我がままを容認してくれて包みこんでくれてる感じが客席から伝わってきたよね。だから、これからも大事にしていきます。
タイトルの“ROCKIN' OUT”は“思い切り”や“やり尽くす”という意味だし、今のSPYAIRにぴったりですね。
MOMIKEN
これからもロックし続けていきます! しおらしくなんかしてられないです!
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