【家入レオ】生まれただけでメッセー
ジになっている楽曲
その清々しい歌声と真っ直ぐな言葉に、新たな家入レオの心持とアティテュードが明確に表れている。キャッチーなロックチューン「Hello To The World」で幕を開けた第二章、挑戦と結実で一気に加速する!
取材:竹内美保
新曲は新しいフィールドに立ったレオさんと、そこからの姿勢が表れているような楽曲に感じました。そこでまず、昨年はどういう年だったかをうかがいたいのですが。
2015年はこれからの私を作っていく上でとても大事な1年になりました。これから自分がどういう音楽をしていきたいか?ということに改めて向き合うことができて、それの種蒔きをした年でしたね。
耕して、種蒔きをして、収穫をして、というのはこれまでもやってきたことだと思いますが、今回それを強く感じたのはなぜなのでしょうか?
前シングルの「君がくれた夏」が大きかったです。予想以上に反響がすごくて。正直、それまでは自分の楽曲が流行歌になることに抵抗があったんです。でも、“こんなにたくさんの人に聴いてもらえて嬉しい”って心から思うことができたんです。そこで“今の時代に私は音楽をやっているのだから、今のエッセンスを取り入れていくべきだ。新しい風に吹かれてみたい”と感じて、新たなプロデューサーの方と音楽制作をやってみたいと思ったんです。それでいろんな方とお会いして、お話して、スタジオに入って、という作業を繰り返していく中で、多保孝一さんとすごくフィーリングが合ったので、今回お願いしました。
多保さんを迎えた一番の決め手は?
カッコ良いと思うもの、“これいいね!”って思うポイントが同じだったからですね。そして、音楽に対する敬意をすごく持っている方だと感じたことも大きかったです。2016年はさらに飛躍していきたいと思ったし、今までみたいに“いい意味で期待を裏切っていきたい”という考えではなく、本当に新しいことをやりたいと思えたので。
「Hello To The World」は聴いていて爽快な気分になりました。あと、歌の中の家入レオというシンガーがのびのびとしているというか。すごく新鮮な風景が、この曲から見えてきましたよ。
嬉しいです。本当に純粋に音楽を楽しみながら制作できたのが嬉しくて。だから、変にメッセージ性を掘り下げなかったというか、生まれただけでメッセージになっているというか。新しい一歩を踏み出そうとしているのかな?って伝わっていたら、この曲はそれだけで意味があるので。
もう踏み出して、新しいところに行ってますよ。
そうですね! 行きました、うん。
制作はどのように進んでいったのですか?
多保さんに“アップテンポの曲を作りたいんです”って話しをして、楽曲制作をしていきました。多保さんが作ったコード進行に私がメロディーを付けて、私がサビのアイデアを出したら多保さんがそれに反応してくださって。出来上がった原曲の音源を私がスタッフさんのところに“この曲をシングルで出したいので聴いてください”って持って行って。そんなこと言ったの初めてだったので、スタッフさんたちがすごく嬉しそうでした(笑)。その後、さらに曲をブラッシュアップして完成!という感じですね。でも、“よく行動したな、自分”って思います。長い目で家入レオの人生を見た時に絶対にフックになる曲だと思ったから、“これは出すしかない! 今変わらなかったらタイミングを逃す!”と思ったんですよね。
“出したい”と思って出せるスピード感、大事な気がします。瞬間を切り取る、旬を逃さないという意味でも。
そうですね。そういう流れになったということは、何かのタイミングがあってのことだから、絶対に良かったと思うし、例え間違っていても“いいんです!”って言えるようになったというか…長い目で見た時、オールOKになる瞬間がくるんだなって思ったらすごく楽になって。全部正解で生きてる人なんていないですからね。
結果的にいずれ正解になることもありますしね。ほんと堂々としていますよね、この曲でのレオさんは。
感じますか!? 気持ちを解放したというか、そういう感覚があるんですよね。自分の決意も込められているし、出だしのブレスも“ここから始まる物語があるんだよ”という意味合いを込めてあえて長くしているし。あと、最後のサビはブルーノートを通っていたり。遊び心も満載の楽曲になりました。
2曲目の「オバケのなみだ」は『NHKみんなのうた』の新曲なんですね。
私も20代になったので、“大人の立場から子供たちに伝えられることって何だろう?”って考えて。小さい頃にしか聴こえない世界の声とか見えない景色って絶対にあるんだけど、大人になっていくにつれて、そのキラキラした魔法をどんどん忘れていってしまう。だから、“その純粋さを忘れずに大人になってね”という気持ちを込めて、その象徴でもあるオバケを題材にして、この曲を書きました。
メロトロンとかペダルスチールとかいろんな楽器が鳴っていて、サウンドもカラフルで楽しいですね。
西尾さんがこだわりましたね。おもちゃ箱みたいなアレンジにしてほしいってお願いしたのを噛み砕いて、こういうサウンドにしてくださったのかな。聴くと子供の頃に戻るような、タイムカプセルソングとも言えるかもしれないです。
そして、配信されていた「君がくれた夏」のピアノバージョン、初回限定盤にはカバーも2曲収録されるという充実ぶりで。
カバー曲はデビュー前から福岡でずっと歌ってきた曲です。自分の歌声というか、歌うことをもっと押し出していきたいと思った時に、カバー曲を聴いてもらうのはすごく意味があるんじゃないかと思って。「Just Missed The Train」は泣いているんだけど、最後は思わずスタンディングオベーションしてしまうようなイメージ、「Time After Time」は家入レオのちょっと大人な部分を感じてほしくてバラードっぽいアレンジにしています。どちらも敬意を持ちながら自分の色を出したいという気持ちでレコーディングしました。
新たな挑戦の詰まった一枚が完成して、第二章が始まりましたね。
そう思います。ここからどんどん覚醒します!
アーティスト
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