【大原櫻子】自分らしさを考える時期
でもあった
多彩な表情の歌を届けてくれる2ndアルバム『V(ビバ)』。新境地も切り開かれている今作が示す“大原櫻子らしさ”とは何なのか? 制作エピソード、感じている手応えについても含め、本人に語ってもらった。
取材:田中 大
どのようなアルバムにしたいとイメージしていました?
20歳になったので、大人っぽい要素は入れたかったです。そして、1stアルバム『HAPPY』の時も考えていたことですが、“1枚の中でいろいろな表情を出しながら私を知っていただきたい”とも思っていました。
女優としてさまざまな人物や物語を演じるように、各曲を多彩に表現しているアルバムだと思います。
ありがとうございます。“型を作らない”という点では、歌と演技は似ている部分もあるのかもしれないですね。そして、この半年くらいは“自分らしさって何だろう?”ということをすごく考える時期でもありました。「キミを忘れないよ」のような大人っぽい楽曲にも挑戦できましたし、いろいろな自分を試したんですよね。その中で改めて分かったことが、“前向きな歌を歌いたい”ということでした。“明るさ”っていうのが、やはり私の中でのキーワードなのかもしれないです。
ご自身でも“私は明るい”って感じます?
はい。めっちゃ明るいと思っています(笑)。昔は周りから“明るいね”と言われても、“本当は、こういうことも思っているんだけどな”と感じることがあったんですよ。でも、みなさんからいただく感想とかを通じて、自分自身に対する印象が変わったのかもしれない。
明るさや“前向きな歌を歌いたい”というお気持ちとつながるのかもしれないですけど、大原さんは「Dear My Dream」のような応援歌も似合うと思います。
ライヴで「大好き」を披露した時に、友達から“櫻子に歌で応援してもらうとなんか嬉しい”って言われたんです。そういう意見を聞いて“なるほどな”と。応援するということを自分が好きな歌で表現できるのだったら、これからも歌っていきたいなって思いました。
晴天の海辺で撮影した「真夏の太陽」のMVも素晴らしかったですし、野外が似合う人でもありますよね。
私は普段から家にこもって何かをしているタイプではないので、野外はとても好きです。
「勇気と微笑み」は野外フェスで聴いたら気持ち良さそう。
屋外で歌う機会があったら良いですね。お客さんと密に一体感を作れるライヴハウスで歌う楽しさもあると同時に、屋外で歌うフェスやイベントならではの気持ち良さもありますから。「勇気と微笑み」は今までの楽曲に通じるパワフルさもありつつ、カッコ良い要素も加わっているんです。私にとって素敵な一歩になりました。
そんな大原さんにとって、「サイン」は新境地ですね。大人っぽい表情と、凛とした姿を感じる楽曲ですから。
今までとは違う雰囲気があると私も思います。“一緒に歌う”というよりも“聴いてほしい”という楽曲なので。《愛してる》という言葉がサビに出てくるところも含めて、また一歩大人になった姿を感じていただけるのではないかと思っています。あと、“想いをぶつける”というよりも、描かれている風景から“歌詞の主人公がどういう感情を抱いているのか?”を察知できる点も、これまでにはなかったところかもしれないです。
そして、「こころ」も印象に残りました。アコースティックな温かいサウンドが気持ち良いです。
プロデューサーの亀田誠治さんのイメージもうかがい素直に歌ったので、何色にも染まっていない真っ直ぐな歌になっていると感じています。ピュアな“ありがとう”という気持ちの歌なんです。私はレコーディング現場によくお弁当を持って行くんですけど、“母が作ってくれたんです”というお話を亀田さんとしたことがあって。もしかしたら、そういうことも「こころ」のもとになっているのかもしれないですね。
なるほど。ところで、アルバムのタイトルの“V(ビバ)”には、どういう意味が込められているのでしょう?
いろんな意味が込められています。まず、2ndアルバムの“2”を指で示した時のV、20歳、「サイン」がリード曲なので“サインはV”(笑)。その他には“Victory”とか“Venus”とかも挙がって、今回のアルバムにぴったりだなと思って“V(ビバ)”になりました。スタッフのみなさんと楽しみながら考えるのが好きなんです。
所属レコード会社ビクターの“V”でもありますね。
それも挙がっていました(笑)。
(笑)。初回限定盤の名前が“VIVA盛盤”だったり、通常盤が“VIVA盤”だったり、大原さんの活動は遊び心やユーモアが反映されているのも魅力です。
ユーモアとおっしゃっていただくと嬉しいですけど、“くだらない”みたいな感じのことが好きなんですよ。ジャケットのデザインで、どことなく私が桃から生まれたようにも見えるものがあったので、“桃から生まれたサク太郎盤”はどうでしょうか?という案も出たくらいでしたから(笑)。
(笑)。アルバムをリリースしたあとは全国ツアー、そして日本武道館公演も予定されていますが、どんな心境ですか?
“どうしましょう、スタッフさん!?”という感じですよ(笑)。日本武道館は何度かライヴを観させていただいたことがある会場ですが、日本を感じて、“歴史がある会場なんだな”と思った空間でした。すごいエネルギーを感じた場所なので、そこで歌えるのかと思うと楽しみです。精いっぱい歌って、みなさんの歌声がステージに降ってくるのを浴びたいです。やはりみなさんが歌ってくださるというのは、とても嬉しいことなので。
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