【The Super Ball】“最高の声”との
奇跡的な出会い
L→R 吉田理幹(Pf&Vo)、佐々木陽吾(Gu&Vo)
路上ライヴをベースに、Twitterの動画配信でも人気を集めてきたツインヴォーカルユニットが、ついにメジャーデビュー! 活動に専念するためのふたり暮らしや意外なる高身長、そして甘いルックスとは裏腹の男らしさは、ぜひとも生のライヴで味わうべし。
取材:清水素子
それぞれ別の場所でシンガーを目指していたおふたりですが、どういう経緯で一緒に組むことになったのでしょう?
吉田
僕ら、あるレコード会社のオーディションで最終選考に残った者同士なんですよ。それはふたりともあと一歩のところで落ちてしまったんですけど…。で、1年後くらいに“オーディションの時にめちゃくちゃいい声だった彼は今何をやってるんだろう?”と思い出して、急に電話して。
佐々木
新宿の思い出横丁に飲みに行ってね(笑)。当時、お互い活動が上手くいってなくて、ふたりとも弾き語りでやってたから、じゃあ、1回声を合わせてみようかと、軽い気持ちでスタジオに入ってみたんです。それでハモッてみたら、これはキタなと。もう、すごい感動を受けまして!
吉田
僕も大学ではアカペラサークルに入っていたし、いろんな人と声を合わせてきたけど、その誰よりも気持ち良くて楽しくて、今まで出会った中で最高の声だ!と思ったんです。
確かに歌声を聴かせていただいても、おふたりの声って非常に馴染みがいいですよね。普段の話し声はまったく違うのに。
佐々木
それ、よく言われます。どこか何かの成分が似てるのかもしれない。声が合わさった時のハーモニーの美しさや聴きやすさは、本当にセールスポイントですね。
吉田
それで、とりあえず一緒にライヴをやろう!って話になって。そしたら陽吾さんが“名前は、スーパーボールでどう?”って提案してきたんです。
佐々木
当時、スーパーボールで遊ぶことにはまってたんですよ。床に投げつけるとワンバウンド目でちょっと回転がかかって、ツーバウンド目はどこに行くのかが分からないのが面白くて!覚えやすいし、“スパボ”って略せるし、ポップでカラフルなイメージも自分たちに合うんじゃないかなぁと。
吉田
スーパーボールで遊んでる大学生なんて、見たことなかったですけどね(笑)。
ちなみに音楽ルーツも共通しているのですか?
佐々木
いえ、僕はフォークソングとかバラードが好きなんですけど、理幹はマイケル・ジャクソンとかスティービー・ワンダーとかの洋楽なんで、完全に真逆ですね。おかげで楽曲の幅も広いし、今回の「トモダチメートル」でもAメロは言葉数が多くてリズムを出して歌う必要があるから理幹に任せて、Bメロはもう少しゆったりだから僕と、お互いのいいところを活かして歌割りを決めてます。
吉田
もともとはライヴで盛り上がるようにアップテンポで、自然と手拍子が沸くような曲にしたくて作ったんですよ。だから、歌詞も最初は片想いのうきうきした感じだったんですけど…
佐々木
今回、アニメ『不機嫌なモノノケ庵』のお話をいただいて、この曲が選ばれて。原作を読ませていただいたら、最初は口喧嘩ばかりしていたふたりの男子高校生が仲良くなり、成長していくストーリーだったので、じゃあ、そのふたりの距離感を恋愛に置き換えてみようということで、なかなか友達以上の関係に踏み出せない男心を書くことにしたんです。
吉田
ちなみにカップリングの「ココロのブランケット」は、実は初めてふたりでスタジオに入った時、最初に声を合わせた曲なんですよ。もともとは僕が高校生の時に書いた曲で…当時、野球部の寮生活の中で苦しいこと、辛いことがたくさんあって、そんな自分に向けて書いたバラードだったんです。
佐々木
最初に聴いた時、“こいつは天才だ!”と感動しましたね。そんな素晴らしい才能と一緒にやれてる幸せを、今話していて改めて感じました。
しかも、今は一緒に暮らしているそうですが。
吉田
そうなんです。2014年の8月に初のワンマンライヴがソールドアウトして、本格的にスパボでやっていこうと決めて。じゃあ、いつでも路上ライヴに行けて、曲もすぐ作れる環境を作ろうということで、横浜の実家からひとり暮らしをしていた陽吾さんのワンルームに転がり込んだんです。“明後日から住んでいい?”って(笑)。
佐々木
そのワンルームで7〜8カ月は一緒にいましたね。そしたら、理幹が寝言で“あ〜、早く売れたい!”って言い出して。それくらい夢に対しては真っ直ぐな奴なんですよ。その代わりに普段の生活は大雑把すぎて、ケトルでお湯を沸かす時に水入れすぎたり、脱ぎっぱなしの靴下を何日も放置してたり!
吉田
自分の部屋はきれいにしてるんだよ! でも、リビングは全然気にならないから。
佐々木
まぁ、理幹が音楽担当なら、俺は家事担当なんです(笑)。彼がセットリストやアレンジを決めたりしてる間に、俺はトイレットペーパーを買いに行く…
吉田
僕だってやってますよ!
(笑)。逆に、吉田さんから佐々木さんに何か言いたいことは?
吉田
…いや、ないですね。イビキがうるさくてびっくりしたくらい。
佐々木
こんな童顔でイビキ掻かなさそうだもんね(笑)。実は身長もふたりとも180センチ以上あるから、よくびっくりされるんです。“写真だと、もっと小さいイメージだったのに”って。
そのギャップも間違いなくスパボの武器ですよね。
佐々木
あとは、ずっと一緒にいて同じ夢に向かってるふたりの一体感だったり、想いの強さだったりも。
吉田
夜になると、ふたりで夢について語り合ったりするんです。ひとりでも多くの人に僕らのライヴを観てほしいから、8月27日の赤坂BLITZワンマンの先に、日本武道館、東京ドームとかできる日がくるように頑張りたいです。
佐々木
ふたりとも本当にライヴが好きなので、40歳、50歳、おじいちゃんになっても、ふたりでライヴしていたいですね。その時々に感じた気持ちを曲にして、ずっと歌っていきたいです。
アーティスト
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