【vistlip】歌う側になって曲作りに
変化が起きた

L→R 海(Gu)、瑠伊(Ba)、Tohya(Dr)、智(Vo)、Yuh(Gu)

“個性を尊重し合いながら、みんなやりたいことをやれている”と充実したバンドの現状を語るvistlip。「Snowman」の作曲者である瑠伊(Ba)と智(Vo)がニューシングルについて語る!
取材:桂泉晴名

「Snowman」はリードトラックとしては久々という、瑠伊さん作曲のナンバーですね。

瑠伊

メンバーそれぞれでデモを出した時に、智がすごく気に入ってプッシュしてくれたんです。

すごく気持ち良い曲だなと思ったんです。いい曲を作ろうとすると、結構分析していくんですよ。でも、“曲って難しく考えるべきじゃない”と感じていたので。単純に気持ち良いものを選ぶ、という方向にしたいなと思って選びました。

曲作りに関して、ここ最近どんな変化がありましたか?

瑠伊

メロディーの作り方は変えました。智とやっているもうひとつのユニットのLillでは僕も一緒に歌っているので、歌う側になって“これだと歌いにくいな”というのが分かるようになったというか。これまでは浮かんだメロディーをそのまま打ち込んで出していたんですけど、今はまずは自分で歌ってみて、それを打ち込み直して作っています。歌わないで作っちゃうと隙間が寂しく感じて詰めちゃうんですが、声にしてみると息継ぎの場所が必要だって分かるんですよ。

歌詞のイメージはどのようにして固めていきましたか?

最近、MVをすごく大事にしたくて。歌詞やストーリーはMVありきで考えました。今回は新しい監督さんだったんですけど、衣装や冬の場面など、すごく分かっていらっしゃる方で、うまく画になったなと思ってます。歌詞は結末がどうなっているか分からない、みたいな感じにしています。基本的にはストーリーがあって、完結するようにはしているんですが、今回は裏があるようにしたかったので、明確じゃない終わり方にしました。MVに完全に沿ったわけではないけど、どうなっているかはMVを観たら分かるというか。どっちに解釈をしてもらってもいいかなと思うんです。

MVと密接な関係にあるのですね。

“Snowman”というタイトルだし、最初はもっとファンタジックでもいいかなと思ったんですよ。でも、冷たいもの同士が…例えば両方が雪だるまで、長く溶けずにいるためには冷たいもの同士じゃないといけないんだけど、冷たいもの同士だと冷たくて悲しい。だから、温かさを求めるんだけど、その温かさの中で、お互いどんどん溶けていって、結果的に別れがくる…みたいな。そういったことを表現したくて。だから、どっちに解釈してもらってもいいかなと思ってます。何が幸せかは分からないというか。

もうひとつのナンバー「Avalanche」は怒りがテーマで。

これは期限の3日くらい前にやっと書けて。生活が穏やかで、この曲に合う要素がなかったんです。

瑠伊

怒らなかったよね(笑)。

うん。だけど、少しは大切だなと思います。歌詞はサビで遊んじゃったので、これこそ息継ぎが大変で(笑)。でも、頭に残るものを書いてみたかったんですよ。作曲を担当したYuhはとにかく“縦でノってほしい”と言っていました。

れからの季節にぴったりの一枚となりましたね。

瑠伊

シングルで一枚が全て冬とか季節感のあるものは初めて出すので、いろいろなタイプの冬を存分に感じてもらえたら嬉しいですね。

「Snowman」は18枚目のシングルなんですよ。今って盤の価値も問題視されている時代ですけど、何枚シングルを出そうが、一枚一枚を大切にしていただけたらと思います。

「Snowman」 2016年11月30日発売
マーベラス

  • 【LIMITED EDITION(DVD付)】
    MJSS-09187~8 1944円

  • 【vister(DVD付)】
    MJSS-09189~90 1944円

  • 【lipper】
    MJSS-09191 1296円

vistlip

ヴィストリップ:2007年結成。リアルで等身大な言葉を紡いだ歌詞と、多種多様な要素を融合させた楽曲にキャッチーなメロディーライン、時折ラップも織り交ぜた他に類を見ないミクスチャー感を持つビジュアル系ロックバンド。ひと言では言い表せない世界観とメンバーの特異な個性が際立つパフォーマンスを武器にしたライヴは必見。結成日の7月7日にはZeppTokyoにてワンマン公演を行なっており、毎年たくさんのファンで会場は埋め尽くされる。

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