【超特急】少し背伸びした“大人超特
急”をご堪能あれ
写真左上より時計回り、コーイチ(Vo)、リョウガ(Dancer)、タクヤ(Dancer)、ユーキ(Dancer)、タカシ(Vo)、ユースケ(Dancer)、カイ(Dancer)。
昨春行なわれたツアー『Synchronism』がBlu-ray化。生バンドを率いるという初の試みでグルービーな音に乗り、ここでしか観られないセクシーな表情の7人は恐ろしく魅惑的だ。4月には過去最大規模のツアーも幕開ける彼らの勢いは止まらない。
取材:清水素子
パシフィコ横浜でのライヴを収めた今回の作品は、かつてなく大人な超特急が観られるものになっていますよね。
タクヤ
いつかバンド編成でやってみたいというのは昔からメンバー同士でも話していたので、こんなに早く叶って嬉しかったです。生音となるとよりバンドの方々や8号車(ファンの愛称)の方々との一体感を大事にしなければいけなくて、それを最後までやり切れたのは自分たちの自信にもつながりました。
リョウガ
生演奏をバックにするなんて僕たちにやり切れるだろうか?という不安もあったんですけど、いざやってみたらリハの段階から本当に楽しくて! バンドの力、音のカッコ良さというものを改めて実感できました。
ユーキ
踊っている最中、ふとした瞬間にバンドのみなさんと目が合うと、“後ろに支えがあるってほんとに力になるんだなぁ”って感じるんです。この日だと「refrain」の時がそうで、そんな想いがパフォーマンスにも出ていたらいいなと。
お馴染みの楽曲もバンドアレンジでファンクやソウル、オールドスクール・ヒップホップへとシックに変貌して、振りやダンスが増えたり変わっていたのにも驚きました。
タカシ
そうですね。もとはコミカルな「panipani」もまったく違う方向性でカッコ良くアレンジされていたり。
コーイチ
「EBiDAY EBiNAI」なんてまったく別物になりましたからね! いつもはがっつり踊るところが、みんなで音を楽しむスタイルになっているので、あれは他では観れない。ライヴ全体でもヴォーカルだけで魅せる部分が多くて、普段はバックにいるふたりだけど、バンドと一緒にあれだけ空間を埋められるんだというところを観せられたのも良かったです。
タカシ
アコースティックのセクションも普段はなかなかできないことで嬉しかったですし、僕たちのヴォーカルも込みでひとつの音楽として良質なものを成立させたかったんです。また、そんなバンド形態でも「バッタマン」みたいな曲で弾けられるっていうのが、僕たちの良いところだなぁと。
ユーキ
いつもと違う空気に最初は戸惑っていた8号車も、だんだん染まっていってね。ペンライトを振れるところでは振って、その場を楽しんでもらえていたのが分かりました。
バンドとヴォーカルふたりのフェイクによる幕開けから大人びていて、8号車とのコール&レスポンスも控え目でしたからね。後半ようやく声が出せても、やはり普段の8号車とは違うように感じました。いつもが黄色い声なら今回は…
ユースケ
茶色! 木のイメージで自然の色みたいな感じ。
カイ
じゃあ、森色にしとかない?(笑) そういうぶっ飛んだ曲を全力でやることができるからこそ、シンプルに楽曲のカッコ良さも活きてくるわけで。特にこのツアーでしか披露していない「DJ Dominator」は、僕、純粋に曲として見た時に一番好きな曲なんですよ。今までになく大人っぽい曲調が新鮮で、聴いていてドキドキする。こういう今までの超特急とは対極の姿があったから、未来への決意表明を歌う「Signal」での締め括りで、“今までと違う姿でも心は離れていない”と伝えられたように思うんです。
ユースケ
「Signal」は他の会場では披露せず、最終日だけやったんですよ。“ツアーは今日で終わりだけど、始まりでもあるんだ”という決意を込めたダンスであり楽曲だから、この日に参加できなかった方々にも観てもらいたいです。
タクヤ
本編最後の「Synchronism」もタイトル通り8号車とシンクロできた曲で、みんな一緒に振りをやっている景色を観た時、このツアーをやって良かったなと思いました。
リョウガ
僕は曲のブロックをつなぐバンド演奏をぜひ観ていただきたい! 本来なら無茶な曲並びも、あの演奏のおかげで可能になって、一気に場の空気が変わって引き込まれるんですよ。僕も完全に観客になって袖で聴き惚れてました。
カイ
ユースケはメモ書いてたよね?
ユースケ
その時々でやっちゃったミスを書き留めてました。そうしないとライヴが終わる頃には忘れちゃって。長いツアーだったから、その間にどんどん直していきたかったんです。
時間を有効活用していたんですね。普段より照明が暗めなのも大人びたムードで素敵でした。
カイ
そうなんです。個々の表情よりも全体としてのダンスや動きだったり、会場の空気感、バンドとの一体感というものを、今回はより強く印象付けたかったんです。
コーイチ
あんな大人っぽいムードでペンライトを振るライヴは超特急ならではだよね(笑)。普通だったらあり得ないし、そこはやっぱり背伸びしていたんじゃないかな。
ユースケ
でも、おかげで普段のライヴの楽しさにも気付けたんです。8号車と騒いで盛り上がる、あれが今の僕らの等身大なんだなって。
とはいえ、映像で観てしまうとどうしても“またこれをステージで観たい!”と思ってしまうのですが。
タカシ
あれが僕の十代最後のライヴだったので、次は大人として本当に魅力が出てきた時にやりたいですね。ざっくり考えると、10年後とか?
コーイチ
うん。もうひと癖付けられるようになった時にね。
ユーキ
ただガムシャラにやるだけじゃなく、余裕を持って音を楽しんで、強弱を付けられるようになった時に、またここに帰ってくるでしょう!
リョウガ
何それ予言? まぁ、これはこれで2016年の夏にしか観せられない姿でしたし、ちゃんと僕たちが大人になって、背伸びせずとも大人の姿というものを観せられる時が来るまでに、このBlu-rayをたくさん観てほしいです。
そういう意味では、超特急の未来が垣間見えるライヴでもあるのかもしれませんね。
ユーキ
確かに。もしかしたら未来への伏線なのかも。
タクヤ
何年後に回収するんだよ!
アーティスト
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