【SILENT SIREN】富士山のように日本
一のバンドになる

写真上より時計回り、すぅ(Vo&Gu)、ゆかるん(Key)、ひなんちゅ(Dr)、あいにゃん(Ba)

約1年振りの音源となるEMI Records移籍第一弾シングル「フジヤマディスコ」。SILENT SIRENらしさを残しながらも、より洗練されたサウンドを聴かせ、リスナーにも新たな一歩を実感させる一枚になった。
取材:榑林史章

「フジヤマディスコ」はファンキーなサウンドで、SILENT SIRENの新しいカッコ良さがありますね。

あいにゃん

日本一の富士山のように日本一のバンドになる!というのがテーマとしてあって。全パート、演奏が結構難しいので、みんなかなり練習しました。

込めた気持ちとしては、以前に日本武道館に向けて作った「KAKUMEI」のスケールアップバージョンみたいな?

すぅ

あれは初日本武道館のタイミングで、自分たちに革命を起こしていくという気持ちで、今回はもっと強気な気持ちです。“女の子だからって油断してると、あっと言う間に抜かしていっちゃうよ!”みたいな。曲としては、3rdアルバム『サイレントサイレン』に収録の「DanceMusiQ」のように、みんなで踊れる曲を増やしたくて作ったんです。

この曲は黒っぽいビート感が肝ですよね。

ひなんちゅ

食うところがあったり、ずっと4つ打ちってわけじゃなくて、細かくフィルが入るし…特にイントロとアウトロがちょっと後ろに乗せる感じのソウルっぽいノリで、そこから急にノリが切り替わるのでリズムはすごく大変でした。

あいにゃん

私はスラップで弾いてるところがすごく多くて。スラップでリズムを取るのが難しかった。Dメロとか最後では、べースがひとりだけでメロディーを弾いてジャーンとやるところがあるんですけど、そこもヤバいですね。

歌の裏でスラップベースが入ってるところもありますしね。

あいにゃん

そういう入り方も初めてでした。スラップはいつもなら間奏だけとかの要素だったから。初めての挑戦でしたけど、それがすごく楽しくもありましたね。すぅのイントロのギターもすごくカッコ良いんです。

すぅ

16のビートでカッティングするのがなかなか慣れなくて。頭でずっと16を刻むことを意識していないと、気付いたら遅れてたり、前のめりになっちゃったりするんです。でも、これを機に他の曲でもカッティングを取り入れることができたので、すごく挑戦の一曲になりました。

シンセは昔のディスコっぽい音色ですね。

ゆかるん

初めて使った音色で、音色もフレーズもすごく耳に残るから弾いてて楽しいですよ。AメロやBメロはリズムの取り方が細かく、演奏だけに集中すればできるんですけど、コーラスをやりながらだとすごく難しくなるんですよね。それにライヴではジュリ扇を使うので。

伝説のディスコ、ジュリアナ東京で流行った羽根の付いた扇子ですよね。

ゆかるん

そうそう。それを振って、見た目でもディスコ感を出していて。そういう楽しい雰囲気とは対照的なバキバキに難しい演奏をしているところが、すごくカッコ良い曲です。今の学生くらいの世代には1周回って新しいと思うし、私たちの親くらいの世代にはちょっと懐かしさを感じてもらいつつ新しさも詰まってて、いいなと思いますね。

その「フジヤマディスコ」の黒っぽいビート感に通じているのが、3曲目の「Pandora」という曲で。“Sound Producer”として元センチメンタル・バスの鈴木秋則さん、“Words Producer”として、いしわたり淳治さんを迎えて制作したそうで。

すぅ

曲自体は5~6年前からあるんですけど、美味しいところは残して、あとは総取っ替えしたみたいな。もはや原型はとどめていないけど、サビがおしゃれで、リズムもファンクっぽい雰囲気なので、東京事変さんじゃないけど、そっちのイメージでおしゃれ感を追求して。鈴木さんの提案で、ピアノがバッキングでリズムを取るアレンジになっています。

ひなんちゅ

外部のプロデューサーが入ることで、自分たちの世界観が変わる部分もあって、それがSILENT SIRENの新しい一歩になったと思っています。

新しいSILENT SIRENを感じさせる曲ですね。

すぅ

コーラスも今までやったことのない感じでめちゃめちゃ難しかったけど、聴きどころのひとつですね。単なるハモじゃなく、歌ってるけど楽器が鳴ってるみたいなニュアンスで。それで世界観が広がって壮大さが出るというか。

ゆかるん

単純な三度上とかじゃないので、コーラスだけで違う曲ができそうなくらいです。♪ウ~ウ~とかも、抑揚を付けることで壮大さが出せることも分かったし。初めてですごく難しかったけど、すごく勉強になりました。

あいにゃん

楽器でも各々でやりたいフレーズがあって、自分の意見も言わせてもらって、ここは曲げたくない!ってしっかり意思表示することも大切だと分かったし。プロデューサーの意見も交えながら、みんなで作った感があります。

いしわたりさんからはどういうディレクションが?

すぅ

すごいスパルタで(笑)、“いしわたり塾”の冬期講習を受けてるみたいでした。“分かる人に分かればいいなんていうのは、売れないバンドがやることだ!”って言われて、ストレートに表現することを徹底的に教わりました。移籍したタイミングだし、私自身何か殻を破ることで良い方向に進むなら勉強したいと思っていたので、いい機会になりました。

実際に今までのすぅさんでも他のメンバーの歌詞でもない、新しい歌詞表現になりましたよね。

すぅ

今までの自分たちの歌詞表現もありつつ、新しい引き出しがひとつ増えた感じですね。

2曲目「Love Balloon」と4曲目「Days.」は従来のサイサイらしさがあふれる感じで。今までのファンも安心です。

ゆかるん

今までのSILENT SIRENの良さと、新しく取り入れたものの両面があるシングルになりましたね。

あいにゃん

シングルで4曲も入っているのは初めてだったので、ミニアルバムを作ってるくらいに大変でしたけど。

ひなんちゅ

移籍したことの意味と今までとは変わっていない部分があることを分かってほしくて、こういうシングルになりました。

すぅ

久しぶりのリリースで、たくさんの人に聴いてほしかったしね。

「フジヤマディスコ」 2017年03月01日発売
EMI Records

  • 【初回限定盤A(DVD付)】
    UPCH-89317 1944円

  • 【初回限定盤B(DVD付)】
    UPCH-89320 1944円

  • 【通常盤】
    UPCH-80458 1300円

  • 【ファンクラブ限定盤(DVD+ビジュアルブック付)】
    PDCN-5905 3000円

SILENT SIREN

サイレントサイレン:2012年11月、シングル「Sweet Pop!」でメジャーデビュー。通称“サイサイ”として親しまれ、原宿を中心に女子中高生に人気が広がり、15年にガールズバンド史上デビューから最短で日本武道館ワンマンライヴを開催。17年にはデビュー5周年記念日にツアーファイナルとしてバンド初となる日本武道館2デイズ公演を成功させ、18年は自身最多となる33公演のライヴハウスツアーを完走。デビュー6年目を迎え、さらに勢いを増す唯一無二のガールズバンド。

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