【LOVE PSYCHEDELICO】LOVE PSYCHED
ELICOの紹介として、とてもいい1stア
ルバム
L→R NAOKI(Gu&Ba&Key)、KUMI(Vo&Gu)
ロザンゼルスを拠点とするHackTone Records から、ベストアルバム『This is LOVE PSYCHEDELICO』で全米デビューを果たしたふたりに語ってもらった。
取材:石田博嗣
以前に本誌のインタビューで“LOVE PSYCHEDELICOの音楽は世界中どこへでも広がっていくと信じている”と語ってくれましたが、今回、HackTone Recordsから話が来たことで、その自信が確信に変わったという感じですか?
NAOKI
“LOVE PSYCHEDELICOの…”というより、音楽自体そういうものでしょう。水の温度が伝わるように、だんだんと広がっていくのがいいんじゃないかなって思ってます。でも、それが言葉の壁を越えて伝わっていったのはうれしいことですね。
HackTone Recordsに対するイメージはどんなものがありました?
KUMI
数年前に初めてオファーを受けるまではHackTone Recordsの存在は知らなかったけど、初めて会った時に“あ、この人たちと一緒にやっていくんだな”ってすぐに思えたんです。
NAOKI
それから少しずつ彼らのレーベルを知っていく中で、本当に素晴らしいミュージシャンばかりをラインナップしているのが分かって、オファーに対して本当に光栄な気持ちになりましたね、あとから(笑)。HackTone RecordsはL.Aでもリアル・ミュージックシーンと呼ばれるようなコアなリスナーにも向けられるラインナップを誇る、本当にL.Aの音楽ファン向けなレーベルなんですよ。だから、ちょっと不思議。自分たち以外のミュージシャンはカントリーとか60?70'sソウルが中心だもん(笑)。
2005年に同レーベルのプレジデントであるデヴィッド・ゴーマン氏がアプローチをかけてきたとのことですが、どんな話し合いを重ねて、今回のデビューとなったのですか?
NAOKI
当時ヨーロッパを含め、いくつかのレコード会社から同じようなオファーが来てたんですけど、ちょうどその頃、初の武道館やアジアツアー、それからLOVE PSYCHEDELICOのプライベート・スタジオ(Golden Grapefruit Studio)も作ったりしていたでしょ? だから、いろいろ送られてくる企画書だったり、オファーは一応目は通していたんだけど、ちょっと後回しになっていたのかもしれないですね(苦笑)。そんな中、文面からも、頻度の面においても、デヴィッドの熱意は当時からとても印象に残っていて、とにかく彼の熱意があってこその、今のプロジェクトだと思っています。だから、非常に感謝していますね。
KUNI
最終的には、昨年初めて会ったのが一番大きいかな。本当に私たちの音楽を、それから音楽を愛していると分かって、“この人たちとやっていきたい”って強く思ったから。
今回の『This is LOVE PSYCHEDELICO』は全米デビュー用の編集盤で、1stアルバム『THE GREATEST HITS』から3rdアルバム『LOVE PSYCHEDELICO III』までのベストテイクで構成されているのですが、オリジナルアルバムではなく、なぜベストを出そうと?
NAOKI
今の時代にマッチした形というか、このカタチの方が逆に時代を感じなくていい気がしますね。でも、自分たち的には編集盤ってイメージあまりないですよね。US盤で。
KUMI
私たちの紹介としては、とてもいい1stアルバムになったんじゃないかな。
4thアルバム『GOLDEN GRAPEFRUIT』を外したのは、何か意味が?
NAOKI
『GOLDEN GRAPEFRUIT』は大変リアルタイムなオピニオンを感じられるアルバムだと思うので、これは極近い将来、ちゃんとリリースしたいと思ってるんであえて外しました。
KUMI
多分、アメリカでの2ndアルバムになるんじゃないかしら。それも今からすごく楽しみ。でも、まずは『This is LOVE PSYCHEDELICO』だけどね。
では、“ロックなんて聴かない女の子の部屋のCDの棚にロックのリフが入っているCDを1枚置く”がテーマだった1stアルバム、LOVE PSYCHEDELICOを通してロックの大切な部分である内向的な面も伝えた2ndアルバム、パーフェクトなコミュニケーションでLOVE PSYCHEDELICOを提供した3rdアルバム、そんな3枚からのセレクトの基準というのは?
NAOKI
よく覚えているね、過去のインタビュー(笑)。
KUMI
基本的にはデヴィッドたちを信頼してるので、選曲も彼らの意見を尊重しました。アメリカ人の好きなLOVE PSYCHEDELICOって、きっと私たちと違う感覚もあると思うし、アートワークも含めて、HackTone…アメリカ人の考えるLOVE PSYCHEDELICOっいうのがすごく表れているんじゃないかしら。
NAOKI
ちなみにジャケット・デザインもデヴィッドなんですよ。彼はアートワークでグラミーも受賞していたり、ローリングストーンズ(DVD『FOUR FLICKS』)の作品でも活躍してたりしてるからね。
ひとつ気になったのですが、米国デビューということで、日本語詞の部分を全て英詞に変えてリレコーディングすることも可能だったと思うんですね。それはあえてやらなかったのですか?
KUMI
私たちの場合、別にそういう必要もないんじゃないかなって(笑)。もともと私は歌詞を書く時も響きというかサウンドをすごく大切にしているし、EnglishとJapaneseのミックスも含めてユニークで面白いんじゃないかしら。
NAOKI
そういう意味では、逆に日本語も紹介できるしね。実は、ジャケットの中の歌詞カードにはちょっとしたアイデアがあってね、日本語の歌詞にはローマ字で全部ふりがながふってあるんだ。これがあればアメリカ人もコピーができるでしょ?(笑)
なるほど(笑)。あと、全曲リマスタリングされているわけですが、ミックスを手掛けたジョー・ガストワート氏とはどんな話し合いをされたのですか?
KUMI
彼はとてもフレンドリーな人で、意見を言えばすぐにトライしてくれたけど、ほとんどその必要もないくらい素晴らしくて…マスターテープを再生して、数分間ほとんど何もしないくらい本当にちょっとだけEQを動かす程度なんだけど、とてもナチュナルな仕上がりになって感動しました。曲たちが生まれ変わった感じ? “Re-born!”って感じだった。
NAOKI
満足してますね。っていうか、ジョーのような素晴らしいレジャンドを紹介してくれたHackToneに感謝ですね。そもそも今回の契約の唯一のHackToneからの条件というか、アイデアが“リマスタリングをジョーでお願いしたい”ということだったんです。これは単純に“LOVE PSYCHEDELICOをジョーのマスタリングで聴いてみたい!”ってことだったみたい(笑)。
ロサンゼルス入りし、現地でアルバムのプロモーションを行なわれたそうですが、リスナーやマスコミの反応はどんな感じでした?
KUMI
アコースティックライヴをやったんだけど、当たり前かもしれないけど、来てくれるお客さんが白人中心でちょっとびっくりしました(笑)。でも、日本から来たバンドとしてじゃなくて、普通に向こうのレーベルに所属しているアーティストとして、プロモーションしてる感じでしたね。アメリカのレーベルのアーティストなので。
NAOKI
向こうではイチからニューカマーとして、また新鮮な気持ちに戻ってますね。10年近く音楽をやってきて、またここでゼロに戻る機会なんてなかなか訪れないから、音楽の神様にすごく感謝しています。
米国デビューしたことで、どんなことをやってみたいですか?
KUMI
早く、バンドメンバー連れて行きたいかな。きっと、みんなびっくりしてくれると思うんで。あとは、いろんなミュージシャンと知り合う機会も多いと思うんで、そういう広がりも楽しみですね。
同時リリースされる映像作品『GOLDEN GRAPEFRUIT BOX』についてもうかがいたいと思います。本作にパッケージされている、昨年12月に行なわれた2度目の武道館公演の感想は?
KUMI
何か大きな節目だった気がする。何か大きく変わったっていうか、あの武道館までで、それまでのLOVE PSYCHEDELICOが一度終わって、また何かが新しく始まったような感じ。
サプライズで行なわれたLIQUID ROOMの映像も収録されているのですが、なぜLIQUID ROOMでやろうと?
NAOKI
最近、なかなか東京では、ああいうコンパクトな場所でみんなと会えなかったからね。LIQUDROOMというハコ自体もずっと思い入れがあったからとても楽しい夜だったなぁ。
KUMI
武道館みたいに大きなところでやるのも、LIQUDROOMみたいな近いところでやるのも両方好きかな。でも、ああいうエネルギーの交換も密だから、すごくエキサイトするよね。
ポエトリーリーディングも収録されているそうですが。
NAOKI
アレは、今、俺たちが一番信頼している映像ディレクターで、「Freedom」のPVなんかも撮ってくれたムラカミタツヤくんの映像に俺たちの言葉とサウンドを乗せた…言ってみればコラボレート作品ですね。今回のDVD-BOXではLIQUDROOMのショウも、彼が手掛けた作品なんだよ。
どんな映像作品に仕上がりましたか?
NAOKI
武道館のライヴは映像を含めたエンターテイメントっていうのにすごくチャレンジしていた時期なので、DVDではそういう部分も今までと違ったLOVE PSYCHEDELICOとして楽しんでもらえるんじゃないかな。準備も含めてすごくエネルギーを使ったプロジェクトだったよ。このDVD-BOXは映像の編集も立ち会っていたので、5ヶ月くらい掛かりきりだったしね(笑)。でも、おかげでとても満足のいく仕上がりになったよ。
アーティスト
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