【ハーベスタ】宮古島に行ったからこ
そ書けた歌詞

望郷の想いが詰まった表題曲「さくら」と出会いをテーマとしたカップリングの「一期一会」。そこにはふたりのどんな想いが込められているのだろうか?
取材:石田博嗣

「さくら」は宮古島に移り住んですぐに作った曲だそうですが、回顧的な思いに駆られたとかで?

kiki

そうですね。学生時代の時の歌なんですけど、あの頃ってがむしゃらに生きていたし、今振り返ると懐かしいなって。で、その懐かしさってのは、みんなが持っているものだし…卒業生って希望にあふれているじゃないですか。でも、振り返ると、そういう感情は一切なくて、学生生活自体が宝物のようになってますよね。そういう思いを書きたかったんです。聴いてほしいのは卒業する気持ちなので、卒業して時間が経った人たちの方が共感してもらえるのかなと思いますね。

tetsu

だから、自分たちの学生時代の友達に向けて書いたところもありますね。学生の頃は思ってても言えなかったり、そこまで思うほど実感がなかったりするから、その頃の気持ちに戻って書いたというか。

kiki

そういう意味でも、今だから書けた歌詞なんでしょうね。

サウンド的にはストリングスが入って、曲に温もりと広がりを与えてますよね。

kiki

それはプロデューサーのアイデアなんですよ。デモ段階ではそんなに派手じゃなかったんですけど、ストリングスが入った時に“なるほど、桜になったな”って思いましたね。だから、プロデューサーが入ってくれて…もちろん、僕らもいろいろ意見を出したんですけど、最終的にすごく壮大なものになって良かったなって思いますね。

そんなサウンドに乗る歌なのですが、語りかけてくるような印象でした。

tetsu

そういう気持ちはありましたね。

kiki

3年間一緒に過ごしていた友達と会えなくなるわけじゃないですか。もう一生会えない人もいるかもしれない。そういう人たちを思い出すと“今、何してるのかな?”と思いますからね。

カップリングの「一期一会」はどんな曲を作ろうと?

kiki

これはほんと初期の曲で…「さくら」よりも前ですね。

tetsu

僕らふたりの出会いもそうだし、宮古島で出会った人のこともだし、そういう出会いの大切さを歌ってますね。

kiki

tetsuが出会いをテーマに書こうっていうことで、“一期一会”という題名を決めてくれて、僕が弾いていたギターのリフに歌詞を乗せてきたという感じだったんですね。こういうことをtetsuが言ってくれなかったら、僕は出会いの大切さなんて絶対に考えないだろうなって。出会いなんて当たり前にいっぱいあるから、“出会いの大切さ”なんて言われてもピンとこないというか。でも、tetsuに“出会うことに意味がある”って言われた時に、“素晴らしいな、この人!”って思ったんですよね(笑)。出会いの大切さというのを、tetsuから教わりました。

今作は“別れ”と“出会い”を一枚にしたという感じですか?

kiki

意図的に並べたわけじゃないんですけど、きっと自分たちの中でつながっているものがあるんでしょうね。初期衝動で作ってた頃の曲なんで、どうしてもテーマが大きくなってしまってるけど、間違いなく言えるのは、どちらも宮古島に行ったからこそ書けた歌詞だなって。東京にいたらこういうことを書こうと思わないだろうし。そういう意味でも、僕たちは沖縄に住んで音楽をやってるんですけど、内地に向けて歌っている気持ちがすごく大きい…内地で頑張っている人と東京で頑張っていた頃の自分と重ねてしまうから、その人たちに響けばうれしいですね。

「さくら」

  • 「さくら」
    QVCA-0002
    2008.03.19

ハーベスタ

ハーベスタ:東京から宮古島に移り住み、現地の人とのふれあいの中で音楽活動をスタート。沖縄限定シングル「かっとばせ!サトウキビ。」が話題となり、2007年にメジャーデビュー!

アーティスト