【bonobos】未来につながるものとし
てのベスト

佐々木

今までいいペースでポンポンと(CDを)出してきたので、昨年は少し充電といいますか…。

松井

力を温存していたというか、そんな感じですね。

辻

スキルアップを試みた年でした。あと、いろんなライヴに行ったりして、人と出会う機会を逃さないようにしましたよ。

森本

bonobos自体、活動を始めて、すぐにデビューが決まって、あんまり周りの状況を見渡す余裕がなかったんです。だから、昨年は“どういう方向に行きたいのか？”をよく考えた一年でした。

蔡

今までbonobosでやってて、こういう部分が足りないとか、ここをもう少しこうしたいっていうのを自分の中で整理しながら曲を作ってました。目の行かなかった細かい所をもう少し丁寧に汲み取っていけたらなぁと思ってます。

松井

このベスト盤を通して聴いたら、改めて変なバンドやなぁって思いましたね(笑)。僕らは違うことを求め続けている5人組なんで、正にそれが凝縮された一枚かなと思います。

辻

バンドに歴史ありやな。いい雰囲気の時に録った曲もあるし、空気が止まってる感じの時に録音した曲もあるし。でも、今思えば、どのシーンもその時しか持てない輝きがあったなと。

森本

インディーズの頃の楽曲｢Mighty Shine,Mighty Rhythm｣や｢もうじき冬が来る｣｢Hover Hover｣とかは、録音に対する技術が全然ないけど、ものすごく雰囲気がいいなぁと思いました。こんな感じだったんだって、ちょっと客観的に聴けましたね。

佐々木

とにかく、突き抜けたものを作りたいと思ったんです。

蔡

デモが打ち込みで作ってあったから、俺の中では最初、デジロックっぽい印象でした。でも、スタジオに入ってやり始めたら“人力でやるぞ！”っていうふうになって、バンド感のあるサウンドになりましたね。

辻

この間、ライヴでやったんですけど、すごく盛り上がりました。なじみやすい曲なんかなぁって思います。

蔡

ディレクターから“キスの曲を作ってみてよ”って言われて作った曲なんです。

森本

実はデモではゆったりとしたサンバっぽいものだったんですが、スタジオに入ったらテンポを上げることになって。そしたら、アフロファンクっぽい曲に変貌したんですよ。

蔡

時系列ではなくて、bonobosが今までどういうことをしようとしてきたのかが、明確に見える曲順にしてあります。

森本

過去を振り返るだけのものじゃなく、未来につながるものとしてのベストにしたくて曲順を考えました。例えば、｢あたらしいひ｣は2ndアルバム『electlyric』では最後に持っていったけど、今回は最初の方に持ってきたので、オリジナルの時とは曲順が違うことで、また別の聴こえ方がすると思います。