The Shaggs

2628 views

    The Shaggsザ・シャッグス

    フランク・ザッパが絶賛したりとか、色々とフリーキーなアーティストや評論家の間で語りつがれ、いわゆるポップ・スターとは対極とはいえ伝説的な存在になっているシャッグス。ストレンジな点に話題が集中しがちだが、ガールズ・バンドの先駆けの一つとしても重要なのだ。とにかく、天然すぎるから真似ようとしても無理なバンドなのである。
    60年代の後半、ドロシー、ベッティ、ヘレンという、ウィッギン三姉妹により、アメリカのニュー・ハンプシャー州で結成。といってもプロデューサーにもなっている父親が、多少なりとも鍵を握っていたようだ。家でいつも音楽を流していた父親が、彼女たちにレッスンを受けさせ、バンドを組ませたようである。
    そして69年にレコーディングを決行し、アルバム『Philosophy Of The World』としてリリースした。上手い下手の問題ではなく、2本のギターとドラムスとヴォーカルの奇跡的なゆるさとズレの妙味は、天才的なセンスと言うべきだろう。ピュアすぎて、聖なる響きにも聴こえる。しかもすべてドロシーの作ったオリジナル曲なのだ。ラヴ・ソング中心だが、実はアルバム・タイトルにふさわしい歌の内容であり、そこはかとなく諦念も漂う。そして写真を見ると、おそろいの衣装とヘア・スタイルが微笑ましいが、どう見ても素朴なファミリー・バンドなのも凄い。
    妹のレイチェルがベーシストとして加わり、75年には2ndの『Shagg's Own Thing』をレコーディング。フォークやサーフの影響も感じさせ、ヴォーカルは旨みを増し、大人になった印象。でも原石の輝きはそのままなのだ。カーペンターズの「Yesterday Once More」を、ここまで美しくカヴァーしたバンドはいないだろう。
    その後シャッグスは、父親が亡くなるまで定期的にプレイしていた。 (行川和彦)

    曲・アルバム

    • Philosophy of The World

      2011年05月13日リリース
      アルバム・12曲

      • 1 Who Are Parents
      • 2 It's Halloween
      • 3 Why Do I Feel?
      • 4 What Should I Do?
      • 5 That Little Sports Car
      • 6 I'm So Happy When You're Near
      • 7 Philosophy of The World
      • 8 My Companion
      • 9 Things I Wonder
      • 10 My Pal Foot Foot
      • 11 We Have A Savior
      • 12 Sweet Thing

      Philosophy of The World

    • Wink

      2011年01月01日リリース
      アルバム・12曲

      • 1 My Generation
      • 2 Cry Just a Little
      • 3 If I Were a Carpenter
      • 4 The Night Before
      • 5 Sugar and Spice
      • 6 Hey Joe
      • 7 I Call Your Name
      • 8 Little Girl
      • 9 Feel a Whole Tot Better
      • 10 If I Needed Someone
      • 11 Let's Spend the Night Together
      • 12 Impossiblity

      Wink