The Hot Boy$

マスター・P主宰の＜NO LIMIT＞を凌ぐほど、US南部シーンを代表する巨大レーベルにまで成長した＜CASH MONEY＞。そこから97年に『ゲット・イット・ハウ・ユー・リヴ』でデビューしたのがこの４人組、ホット・ボーイズだ。彼らは、小刻みに跳ねるバウンス感の強いビートに、奇妙な旋律のシンセ／ギター／ベースの鳴りをあしらい、泥臭いファンク・サウンドを創出（トラック制作の中心はマニー・フレッシュ）。そこにラフな口調で闊達としたメロディック・フロウを絡めた楽曲群は、どこか田舎臭く安っぽい雰囲気を醸し出しているが、激烈なまでにエナジェティックで活きの良い仕上がりである。
で、このホット・ボーイズ。05年現在ではメンバーのB.G.、ジュヴェナイル、タークが＜CASH MONEY＞を離脱（一部出戻りもいる）してしまったため、ほぼ解体状態にある（だから03年にリリースされた『レッテム・バーン』は未発表音源集といった趣か）。さすがにリル・ウェインひとりではグループの存続はキツイだろう。今後どういう未来が待っているかは分からないが、あのネチョネチョした絡みをもう一度味わいたいものである。