St. Germain

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    St. Germainサンジェルマン

    ローラン・ガルニエやDJディープらと共に、パリのクラブ・シーン発展に多大な貢献をしたサンジェルマンことルドヴィック・ナヴァール。Choice名義(ローラン・ガルニエとの共作)で、デトロイト・テクノへの熱烈な憧憬を示し、今やフレンチ・テクノ・クラシックとして挙げられる「Acid Eifel」(93年)を作曲。かのデリック・メイをして"ヨーロッパいちのソウル・マン"と言わしめた男だ。
    当初は、デトロイト・テクノ/アシッド・ハウスを踏襲したプロダクションを披露していたが、次第にディープ・ハウス路線へと移行し、Modus Vivendi/Deepside/DS/Nuages/Deep Contest/Souffleといった数々の名義で、ジャズ/ブルース/ソウル/ファンクのエレクトロニクスによる融合を追求。95年、本名義でディープ・ハウス史上に燦然と輝く大傑作アルバム『Boulevard』を発表した。
    その後、彼は白人である自らがハウス・ミュージックを制作することに疑問を抱き、引退を表明。しかし00年、復帰を高らかに宣言するかのように、2ndアルバム『Tourist』をジャズの名門レーベル<Blue Note>からリリースする。ここでは、生演奏が大々的にフィーチャーされ、20〜40年代のパリのジャズ黄金期に活躍したミュージシャンへの賞賛を表すと同時に、新たなるソウル・ヴィジョンを呈示。本場アメリカのアフリカ系アーティストからも一目置かれる存在となった。果たして、次のアルバムは2006年までに発表されるのだろうか? 今から待ち遠しい……。