ビジュアル界の重要人物KISAKIが仕掛ける「凛」の目指す場所
彼が「みずからの人生を注ぎ込んだバンド」として結成したのが、凛。2013年6月に第一章メンバーでの活動を休止し、約1年の時が過ぎた。今年6月に、メンバーも新たに凛の第二章を告げる形で復活。先日、シングル『Chaotic Resistsnce』をリリースした。人生のすべてを賭けているメンバーばかりが居並ぶ、現在の凛。彼らの想いを、ここにお伝えしよう。
―凛は、KISAKIさんの人生をすべて注ぎ込んだバンドとして誕生したそうですね。
KISAKI
凛を結成したのは2010年のこと。その前のバンド(Phantasmagoria)では、バンド人生に幕引き(引退)をしていたこともあって、凛を結成するまでにもすごく葛藤はありました。だからこそ、ふたたびバンド活動を始める以上は、自分の人生をすべて注ぎ込むくらいの覚悟がないと、引退を撤回して復活するなんて絶対に出来なかった。それくらいの覚悟を貫き通せるバンドを、同じ覚悟を背負えるメンバーらを集め、凛を始めたわけなんですけど…。結果、ともに人生を賭けたメンバーとは3年の活動を経て、終了。第一章の凛としての活動をそこで一度幕を引き、ふたたび、凛に人生を賭けられるメンバーを集め、活動停止から1年後に、凛の第二章として、今のメンバーで活動を再開しました。
MIZALY
ここに集まったメンバーはみんな、「自分が人生を賭けた最後のバンド」という覚悟を持っています。それくらいの高い意識がないと、凛として演っていけないですから。
―凛の音楽性には、シンフォニック/ドラマティック/刹那/ダーク/耽美/メロディアスなど、まさに「ザ・ビジュアル系」と言うべき要素を満載しています。
KISAKI
最近の傾向として、メタル的な要素やポップな表情を押し出したバンドがこのシーンには増えているんですけど。「凛こそがビジュアル系音楽スタイルのど真ん中」だと思って演っています。事実、自分の生き方そのものがビジュアル系でもありますから。
―7月に凛は、現メンバー公式音源第一弾となるマキシ盤『Chaotic Resistsnce』をリリースしました。
SUI
凛の第一章で作り上げた音楽スタイルを継承しながらも、さらに発展させたのが、今回の作品になります。まさに「王道でありながらも、今のシーンに於いては新鮮さを感じられる楽曲たち」が、ここには詰め込まれています。
KISAKI
「激しさと美しさの融合」が大前提としてありながら。メンバー個々が演奏技術面で長けているように、各パートの魅力もフューチャーした楽曲として作りました。
SUI
歌詞はすべて僕が書いてるんですけど。『Chaotic Resistsnce』のテーマに据えたのが、「生と死」でした。人が生まれてから死にゆくまで。その中でどんな物事を観て、どんな物事に感化され、人としてどう人生を全うするのか!いろんな事柄のあふれた日常の中、大きな力に流されてしまうことは、誰しもが経験していくことだと思います。その中でさえも、曲げられない一つの信念をどれだけ貫いていけるのか、それをテーマにしました。同時に、ここへ記したのは、凛としての生き様そのものでもあること。何事も、自分の道を決めるのは自分自身だと思っていますので。
YUSHI
荒々しい演奏の中にも美しい歌が映えていく世界観も、『Chaotic Resistsnce』の魅力になっています。
CERO
先に「生と死」という言葉がありましたけど。僕の弾いたギターのフレーズが死を司り、そのプレイを受け継いだ形で、MIZALYが生を表現していく。ギター・プレイの面でも「生と死」を表現しているところにも注目してください。
MIZALY
ギター演奏では、ギターキッズが憧れるようなストレートでメチャクチャ格好いいフレーズを表現しているので、そこへも注目してもらいたいですね。個人的に凛に感じているのが、ビジュアル系の王道スタイルを貫きながらも、つねに進化し続けている点。「王道を受け継ぎながらも進化してゆく様」も、ぜひ注目していただきたいところです。
―C/Wには、『Persecution Complex』を収録。
KISAKI
こちらではダークな表情を提示、今回のシングルには、「混沌(『Chaotic Resistsnce』)と開放(『Persecution Complex』) を描いています。さらに、ボーナストラックとして、MIZALYの作り上げた『Sincerely』も収録。この曲こそ、凛に新しい風を吹き入れた楽曲。「関西地域限定盤」のボーナストラックには、ライブを於ける臨場界を意識した『Schwarz Vrain』を入れました。
―現メンバーとしてライブ活動を始めて、まだ2カ月程度ですが。気迫満載のライブということから、かなり高い評価を得ていますよね。
KISAKI
今の俺らからそれを抜いてしまったら何も残らない。それくらいの覚悟を持って1本1本のライブにはぶつかっているので。
SUI
今もズッと全国各地をまわっているんですけど。マキシ盤に収録した曲たちはどれも、ライブになると化ける曲たちばかり。音源も魅力的ですけど、ライブでは異なる楽しさを与えているように、まずはライブを通した凛の姿を体感していただきたいんです。そのライブ経験を通して重ねた成果を、8月31日・梅田AKASOでの初ワンマンの場へぶつけていくつもりですから。
KISAKI
この日は、数多くの人たちに凛の姿を観て欲しいことから、チケット代も1000円にしています。気軽に触れられる価格にしたよう、興味を持った方は、ぜひ足を運んでください。(TEXT/長澤智典)