John Oswald

ミュージシャンでもあり、メディア・アーティストでもあるジョン・オズワルドの創るキネティックな音楽はポピュラー・カルチャーからのさまざまな引用で満ちあふれている。デジタル的に処理され、分解され、整形されたその作品は、金によって買われ、所有され、消費され、最後にはアメリカ的神話体系の一部として社会にまき散らされる、そんな商品化された現代の音楽に対する批判としても、賛美としても解釈できるだろう。メタリカのギター・リフをずたずたに組み替えたりしているときでも、また、グレン・グールドの楽曲をリミックスしているときでも、オズワルドのヴォイスは常にオリジナルなものを保ちながら、新しいコンセプチュアルな可能性を提示し続ける。