【レビュー】2019年の音楽シーンに打って出る1曲が完成。Official髭男dism藤原聡による提供曲で新たな挑戦へ
ボーカル2人にパフォーマー3人という典型的なエンタメ系ダンス&ボーカルグループだと思っていたDa-iCEに、「あれ?」というちょっとした違和感のような興味を持ったのは、昨年春のシングル「FAKESHOW」だったと記憶する。性急な四つ打ちのダークなダンスチューン、緊迫感たっぷりのストリングス、攻撃的なツインボーカルの絡みと、“何を信じればいい” “どこもかしこも嘘だらけさ”という皮肉な歌詞。何ですかこれは? その後、作詞を担当した大柴広己に表現の意図を聞いて「なるほど」と思い、イメージを逆手に取ることも楽しんでしまう懐の深いグループかもと思ったのが昨年暮れの事。さらに今年になってボーカル・大野雄大に話を聞き、初ソロ『この道の先に』に込めた、洋楽R&Bやダンスミュージックだけではない70, 80年代の歌謡曲やポップスのルーツと、ついでにスナック通いや釣り好きという普通の30歳振りを確認して、さらに親しみやすさを増した次第。以上、ここまでがDa-iCEのニューシングル「FAKE ME FAKE ME OUT」のレビューへの前提になる。
Da-iCEのニューシングル「FAKE ME FAKE ME OUT」の作詞作曲を手掛けたのは、昨年春にメジャーデビュー曲「ノーダウト」がドラマ『コンフィデンスマンJP』主題歌に大抜擢されて注目を浴びたOfficial髭男dismのピアノ&ボーカル、藤原聡。ちなみに「ふじはら」なので間違えてはいけないが、ここにもう一つ前提があって、筆者はインディーズ時代から彼らのブラックミュージックをルーツとするポップセンスと抜群のメロディの良さに惹かれ、「ノーダウト」でのブレイクを喜んだ一人なので、ここで藤原聡の名前を見ることには一入の感慨がある。しかも、Da-iCEのメンバーもヒゲダンのファンだったようで、ラジオで曲をかけたり、レギュラーラジオのゲストや、イベントで一緒になったりしてきたらしい。そんな縁と愛とが重なって今回の楽曲提供が実現したのだとしたら、「FAKE ME FAKE ME OUT」はなんと幸せな曲だろう。先走って書くと、売れっ子ダンスカンパニー・s**t kingzが振り付けたOfficial Dance Practiceの映像がYouTubeで公開されるやいなや、藤原が速攻でリツイートするなど、どこから見ても相思相愛の様子。仲良きことは美しきかな。