Culture

77年リリースのシングル「Two Sevens Clash」及び同名アルバムの爆発ヒットで一気に頂点に昇りつめたカルチャーは、バーニング・スピアーの流れを汲むコーラス・トリオだ。リーダーのジョセフ・ヒルは＜スタジオ・ワン＞でデビューを飾ったキャリアをもつ。黙示録的警告と預言に彩られた彼らのサウンドは、当時のシーンを席捲しつつあったパンク・ムーヴメントのリスナーをも巻き込む勢いがあった。バーニング・スピアー、ボブ・マーリィ、アビシニアンスなどと同様に、カルチュラルで政治的メッセージを孕んだサウンドにより、彼らは新世代リスナー層にとって、おあつらえ向きのヒーローとなったのである。そして、それに輪をかけたのが、感情むき出しのショッキングなライヴ・パフォーマンスだろう。
この人気を放っておかなかった大手＜ヴァージン・レコーズ＞から、彼らのキャリアにおける極めて重要なアルバム『Harder Than The Rest』がリリース。この作品は批評家たちの間に物議を醸したが、大ヒット・シングル「Stop The Fighting」で、カルチャーはその地位を不動のものとした。
現在ではヒル以外のメンバーが入れ替わり、サウンドに多少の変化こそあれど、以前と変わらない信念に基づいた活動を続けている。トレンドに乗った音作りをしていないにも拘らず、順調なセールスを上げることの出来るグループだ。