【SWANKY DOGS インタビュー】
自分らのペースと自分らの感覚で
続けていくことが重要
L→R 川村 聡(Ba)、洞口隆志(Vo&Gu)、長谷川快人(Dr)
岩手県盛岡市を拠点に活動を続けている3ピースロックバンド、SWANKY DOGSがミニアルバム『ショートシーン』を完成させた。バンドの新境地を物語る6曲にベスト選曲のライヴ盤を同梱する同作が印象づけるのは、結成15周年を経て、さらに前進していこうというバンドの意思だ。それは新曲について語る3人の言葉からもうかがえる。メンバー達は改めて自分たちのマイペースにも確信を持ったようだ。
周年ということは意識せずに
作ってきた曲たちが入っている
最新ミニアルバム『ショートシーン』はバンド結成15周年を締め括る集大成であると同時に、前作のフルアルバム『流転』(2022年9月発表)から1年でミニアルバムをリリースするということは、『流転』リリース後も15周年の記念ライヴを3カ月おきに開催しながら、新曲もずっと作り続けていたということですね?
洞口
そうです。常に曲は作っているので、今回はたまたま15周年を締め括るタイミングにはなりましたけど、基本的に周年ということは意識せずに作ってきた曲たちが入っていますね。
『流転』ではバンドとして、また、それぞれにプレイヤーとして、新たな挑戦がありました。『ショートシーン』を聴いて、『流転』の挑戦をさらに押し進めながら曲作りに取り組んでいると感じたのですが、曲作りを進める上で意識していたことや目標にしていたことはありましたか?
洞口
特に目標があったわけではないんですが、ライヴのセットリストを考える時、“今までこういう曲はあんまりなかったよね。少なかったよね”という曲を意識しながら作ってはいたので、そういうところで今までにないような新しさを感じていただけたなら嬉しいです。
『流転』の時は川村さんがリフを考えたり、長谷川さんが歌詞のアイディアを出したり、メロディーを作ったりした曲もありましたが、今回もそういう曲はありましたか?
川村
自分は「hope」みたいな曲をやりたかったので、イメージだけ洞口に伝えて、無理矢理作ってもらいました(笑)。
洞口
あははは。
川村
無理難題を言いました(笑)。
長谷川
僕は「ライカ」のサビメロを作って、歌詞も洞口さんと共同で書きました。
疾走感に満ちた「hope」はリード曲として、ミニアルバムのリリースに先駆てMVを公開しましたが、川村さんはどんな曲をやりたいと考えていたのですか?
川村
ギターはキラキラしているけど、そんなに明るいわけではなくて、むしろ悲しい。でも、涙を流すほどではなく、哀愁が滲むみたいな曲をイメージしていました。それを洞口に伝えて、一から作ってもらったんですけど、伝え方がざっくりしていたわりにイメージどおりに出来上がって嬉しかったです(笑)。
「hope」は今回の6曲の中で言うと、どれくらいのタイミングでできたのですか?
洞口
序盤から中盤ぐらいでした。5曲目の「fuse」は今年3月にシングルとして配信リリースしたので、早めの段階で作ったんですけど、それ以外の曲の中ではわりと早めだったと思います。
《僕らここにいるんだ 今ここにいるんだ》と歌っている「hope」は結成15周年を経てもなお、SWANKY DOGSがファンやリスナーにとってどんな存在なのか改めて表明しているような曲なんじゃないかと思うのですが、序盤からそういう曲も作っていこうというか、そういう気持ちも自然に芽生えてきたのですか?
洞口
「fuse」の歌詞は15周年に入っている段階で作っていたので、今まで応援してくれたみなさんに直球的に向けたものになっているんですけど…
《今君と歌って 今君と笑って それだけでいい》という歌詞はまさにそうですね。
洞口
はい。ただ、「hope」に関しては、そういうことはそんなに意識していなかったです。曲先行で歌詞は最後まで悩んだり、部分的に書き替えたりしながら作っていったので、最終的に今みたいなかたちにはなりましたけど、着手した時からそういうイメージを持っていたかと言うと、そんなこともなかったんです。
なるほど。「hope」はもうひとつ、具体的な言葉の意味よりも言葉の響きや語呂を重視したと思しき歌詞の作り方とか、サビのパンチラインのリフレインとか、歌詞の書き方がこれまでとはちょっと違う印象があったのですが。
洞口
汲み取っていただきありがとうございます。そうですね、僕が歌詞を書く場合はわりと感情的な部分も構築して、ちゃんと脈絡があるものを作ることが多いんですけど、「hope」は曲の雰囲気に合わせて、最初に適当な日本語で作った仮歌に引っ張ってもらいながら作った歌詞なんですよ。冒頭の《愛はそう》《哀はそう》のように文字で見ないと意味が伝わらない歌詞の書き方は、今までやったことはなかったですね。メロディーとその曲が持つ雰囲気や色みたいなものに引っ張ってもらった歌詞なのかなと思います。
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