PENICILLIN、ツアー最終公演で
LINE CUBE SHIBUYAでの
結成30周年ファイナルワンマンを発表
4月16日(日)@新宿BLAZE photo by 折田琢矢
「PENICILLINはここまで“30th anniversary”にまつわる企画を2年くらいかけてお届けして来たんですが、ご存知のとおりちょうどその期間がコロナ禍と重なってしまいまして、当初予定していたようにはなかなか物事が進まなかったり、試行錯誤をしながらやってきたところもありました。でも、去年は『パライゾ』という新譜も出せましたし、今年2月にはベスト盤『30 -thirty- Universe』を出すことも出来ましたからね。結果的にはツアーも今回を含めて2回やれたので、我々としては非常に充実したアニバーサリーイヤーになったなと感じています。これもひとえにみなさんの応援のおかげです。どうもありがとうございます!!」(HAKUEI)
つまり。1992年2月14日に始動したPENICILLINは、厳密に言えば既に31周年のタームに突入していることになるものの、律義な彼らはコロナ禍だからといって“やり残す”ことをよしとはしなかったというわけである。それゆえ、期間としては30周年の間におさまらずとも新作アルバム『パライゾ』で最新型のPENICILLINを提示し、ベスト盤『30 -thirty- Universe』ではPENICILLINのたどってきた長い歴史を統括したうえ、それぞれの音源発表のあとにはそれに付随したツアーも敢行してきた彼らの“揺らがずブレない姿勢”は、もちろんこの夜のステージ上で繰り広げられたライヴパフォーマンスの随所にも色濃く滲んでいた。
1曲目の「地球」で壮大なスケール感をヴォーカリゼイションによって醸し出していたHAKUEIといい、中盤の「パライゾ」で重いどっしりとしたリズムをドラマティックに展開していったO-JIROといい、本編終盤の「快感∞フィクション」で激熱にして超エモなギターソロを放ってみせた千聖にしても、彼ら3人が今宵それぞれに体現してくれた音楽の中には30年の時を凝縮したような貫録が篭っていたと言っていい。
ちなみに、今回の『30th anniversary TOUR「30 -thirty- Universe」』ではベスト盤に収録されていた約60曲をほぼ被りナシの3パターンに振り分けたうえでセットリストを構成していったそうで、全15本のツアーとは言えど実質的には3本のツアーをやったも同然だったことになる。バンドにとっての楽曲は貴重な財産であるだけに、PENICILLINは今回のツアーでそれを最大限に有効活用したことになるのではなかろうか。
「もしかしたら、次にお会いする時にはみなさんの声を聴くことが出来るようになってるんですかね?そう考えると、ある意味こういった「声出せません」みたいなライヴは名残り惜しいくらいです(笑)」(HAKUEI)
チケット発売時期なども含めた諸事情から、今ツアーではまだ声出し解禁公演とはならなかったとはいえ、今やコロナ禍勃発の当初とはまったく異なる心持ちでバンド側がライヴに臨めているという事実は実に尊く、このときHAKUEIが発していたある種の余裕は、ここまでの熾烈なサバイブによって勝ち獲ってきた戦果そのものであったはず。
「今日のツアーファイナルで30周年の締めくくりとは言っていますが、PENICILLINにとってこれはあくまでも通過点のひとつでございます。区切りの良いところで一旦振り返ることも大事かなということでこうして振り返らせていただきましたが、ここからもさらにPENICILLINの快進撃は続いて参ります。みなさん、これからもどうぞよろしくお願いいたします!!」
なお、PENICILLINのキャリアを語るうえで欠かすことの出来ない楽曲「ロマンス」も含めた1回目のアンコールが終わったあと、一向に拍手の鳴り止まないフロアに向けてダブルアンコール曲として演奏されたのは1994年5月にリリースされた、彼らの1stミニアルバム『Penicillin Shock』の1曲目であった「God of grind」。そして、この曲の前にHAKUEIから語られたのが冒頭に記したMCだったことになる。今あらためて思うと…PENICILLINのたどってきた30年という歳月は何もコロナ禍に限らず、ここまでにも何度かの転禍為福を超えてきたとも言える気がして、この『30th anniversary TOUR「30 -thirty- Universe」』が「God of grind」で締めくくられたことに、ひとしおの感慨を感じてしまったのは何も筆者だけではあるまい。
もっとも、HAKUEIが「ここからもさらにPENICILLINの快進撃は続いて参ります」とのたまったとおり、この夜のライヴではエンディングにおいて〈止まらない 止められない 此処からはキミ次第さ〉という歌詞が印象的に響いた「Time Machine」をBGMにしてエンドロール的な映像が流されたあと、なんと来たる7月17日(月・祝) に[30th anniversary tour real final]と冠された次回ライヴが、渋谷公会堂(LINE CUBE SHIBUYA)にて開催されるという大吉報がもたらされた。
渋谷公会堂と言えば、PENICILLINにとってはかつて初のホールワンマンを行なった場所であると同時に、以前には20周年記念のライヴを行った場所でもあるほか、リニューアル後の渋公に関しては初見参ともなるという。PENICILLINが31周年へのあらたな一歩を踏み出すには、リアルに最高にして絶好の舞台だ。これを見逃す手はない。絶対に!!
photo by 折田琢矢
text by 杉江由紀
【セットリスト】
01. 地球
02. CRASH
03. 幻想カタルシス
04. ボニー&クライド
05. パライゾ
06. ハカナ
07. one star
08. Stranger
09. Too young to die!
10. RAINBOW
11. Japanese Industrial Students
12. SAMURAI BOY
13. 快感∞フィクション
14. Dead Coaster
15. NEW FUTURE
<ENCORE1>
01. Tommorrow
02. SEX
03. ロマンス
<ENCORE2>
01. God of Grind
『PENICILLIN 30th anniversary tour real final「渋谷公会堂」』
開場17:15 / 開演18:00
<チケット>
・全席指定
・3歳以上有料(3歳未満のお子様は大人1名につき1名まで膝上に限り無料。但し座席が必要な場合は要チケット)
【SS席】20,000円(税込)1F席
※終演後メンバーによる特典(未発表曲CD、他)の手渡し
※特典の引換は当日会場限定(発送不可)
【S席】10,000円(税込)1F席
【A席】9,000円(税込)2F・3F席
<オフィシャル先行(抽選)>
受付期間:5月22日(月)12:00~6月4日(日)23:59
受付URL:https://eplus.jp/penicillin30th/
対象席種:SS席・S席
制限枚数:お1人様1申込2枚(第2希望までエントリー可)
<一般発売(先着)>
6月17日(土)10:00
■問い合わせ
ディスクガレージ https://info.diskgarage.com
サイレンエンタープライズ 03-3447-8822
アーティスト
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